こんにちわ!こまたろです( ゚Д゚)!
第3世代Ryzenの進化で、かなりシェアを占拠しつつあるAMD。
利用していると、Intelよりもメインメモリに気を使う必要があるなーと感じています。
今回はメインメモリとRyzenについてまとめてみました!
目次
Ryzenのおすすめメモリは?
まずはおすすめメモリについてお話します。
理由については後半の検証結果をご参考にしてみてください!
- ミドルグラボならメモリの動作クロックはCPU対応値を買う
- メモリはデュアルチャンネル構成で買う
- メーカーは使用するマザボ会社の推奨メモリがベスト
メモリを選ぶ上で8GBや16GBなど容量が一番気になるところですが、
このあたりは好みの問題なので置いておきます。
そのほかで言えば、まずはメモリの動作クロックです。
検証の結果、エントリークラス付近のグラボなら影響は軽微、
ミドルクラスになると若干の影響が出てくる結果になりました。
なのでミドルクラスのグラボ利用を考えている方は、
コストが許すなら各CPUに対応するメモリ周波数値を買うのがベストです。
第3世代なら3200MHz、第2世代なら2933MHzとなります。
対応値はAMDの公式サイトにて調べることが可能です。
次にメモリ1枚挿しか2枚挿しかですが、こちらは2枚挿しにしましょう。
Intelにも言えることではありますが、Ryzenはさらにシングル・デュアルによる性能差が顕著です。
8GB1枚が安かったとしても4GB×2枚をおすすめします。
最後にメーカーです。相性問題など気にする人が多いですよね。
基本的には使用するマザーボードを先に決め、
そのメーカーが提示している動作確認済みのメモリを買うのが無難です。
というのも通常メインメモリのアクセスタイミングや電圧を良きように設定してくれる、
XMPファイルを読み込んで利用するのが最も簡単なのですが、
Intel用に設定しているメインメモリが多く、たまに動作しないことがあります。
ただしメーカーが動作確認済みであれば、そのリスクは最小限です。
もしくはRyzen用に最適化されたメモリがありますので、
そちらを選択すると安定性は高いです。
Ryzenはメモリクロックで性能が変わる!?
メモリには動作クロックというものがあり、
DDR4-2400やDDR4-2666みたいな表記がされています。
Ryzenで利用されているZen+やZen2では、
インフィニティファブリック(IF)と呼ばれる情報のパイプのような機能があり、
CPU、グラボ、SSDなど各種データは必ずIFを通して行われます。
そのIFがメインメモリの駆動クロック周波数と同期して、送受信しています。
つまり、Ryzenはクロック周波数とデータ転送速度の関連性が大きいのです。
とはいえ現状価格的に安いのは2400MHzと2666MHzメインメモリとなっており、
性能低下が許容範囲であれば、コストを抑える意味でCPU対応値以下で買うのも手です。
そこで今回はRyzen5 3500およびRyzen5 2600とメモリを使用して検証したいと思います。
実際に検証してみてた結果・・・
メモリはG.SKILL製TRIDENT Z DDR4-3200を使用し、
Ryzen5 2600は2933MHz、2667MHz、2400MHz、
Ryzen5 3500は3200MHz、2667MHz、2400MHzにてチェックしました!
Ryzen5 2600の場合
まずはZen+アーキテクチャからです。
DirectX11ベースのFireStrake、DirectX12ベースのNightRaid、
FFXVベンチマーク、Assassin’s Creed Odysseyのゲームにて計測しました。
※横スクロールできます
テスト項目 | 2400MHz | 2666MHz | 2900MHz |
---|---|---|---|
FireStrike(DX11) | 15016(-0.17%) | 15018(-0.15%) | 15041 |
NightRaid(DX12) | 31877(-1.77%) | 32229(-0.66%) | 32442 |
FFXV(フルHD) | 9049(-1.72%) | 9047(-1.75%) | 9205 |
Assassin’s Creed Odyssey(フル高) | 67(-2.99%) | 67(-2.99%) | 69 |
FireStrekeにおいてはほとんど影響が見られませんでしたが、
NightRaidについては周波数が落ちるほど、一定の性能低下がみられました。
またFFXVやAssassin’sにおいては2600MHzになると、スコア・FPSの落ちは確認できます。
ただしすごく落ちるか?と言われるとそこまでではないかなという印象です。
なおこちらについてはYoutube動画にてさらに詳しく検証しています。
Ryzen5 3500の場合
より細かい検証をするため、3500と組み合わせが多そうなGPUとして、
GTX1660 SUPER、RX570、GTX1650を3つで検証しました。
予想ではGPUスペックが低くなるほど、影響は軽微と思いますがはたして?
GTX1650
まずは補助電源無し、エントリークラスとして人気のGTX1650から。
今回の中では一番性能が低いグラボになります。
※横スクロールできます
テスト項目 | 2400MHz | 2666MHz | 3200MHz |
---|---|---|---|
FireStrike(DX11) | 7898(-0.41%) | 7898(-0.41%) | 7930 |
NightRaid(DX12) | 28372(-0.87%) | 28462(-0.55%) | 28618 |
PCMark10 | 5534(-1.26%) | 5515(-1.61%) | 5604 |
ゴーストリコンブレイクポイント (フル低、DX11) | 76(-2.63%) | 77(-1.30%) | 78 |
ゴーストリコンブレイクポイント (フル低、Vulkan) | 84(-1.19%) | 84(-1.19%) | 85 |
ボーダーランズ3 (フル最低、DX11) | 86.75(-0.23%) | 87.98(+1.18%) | 86.95 |
ボーダーランズ3 (フル最低、DX12) | 84.01(+0.84%) | 84.22(+1.09%) | 83.31 |
若干下がっている気もしますが、ゲームによってはむしろ上がっているものも。
どのケースでも僅差になっているので、ほぼ影響を受けてないといって良いでしょう。
グラボの性能的に、2400MHzや2666MHzのメモリでもボトルネックになりにくいと考えられます。
GTX1650の性能をベンチマーク!最新ゲームでもOK?RX570
今回のグラボでは中間の性能にあたります。旧世代ですがまだまだ売れ筋。
※横スクロールできます
テスト項目 | 2400MHz | 2666MHz | 3200MHz |
---|---|---|---|
FireStrike(DX11) | 10867(-0.23%) | 10893(+0.01%) | 10892 |
NightRaid(DX12) | 31157(-0.42%) | 31152(-0.43%) | 31287 |
PCMark10 | 5940(-1.65%) | 5929(-1.84%) | 6038 |
ゴーストリコンブレイクポイント (フル低、DX11) | 71(-1.43%) | 71(±0%) | 71 |
ゴーストリコンブレイクポイント (フル低、Vulkan) | 86(-1.16%) | 86(-1.16%) | 87 |
ボーダーランズ3 (フル最低、DX11) | 94.87(-0.61%) | 95.06(-0.41%) | 95.45 |
ボーダーランズ3 (フル最低、DX12) | 97.12(-0.83%) | 99.68(+1.79%) | 97.93 |
全体を通して、確かに下がっている項目はあるものの、
影響はかなり軽微といって良いとおもいます。
PCMark10で一番差が顕著かなというものの、1%前後であれば体感差ではわからないはず。
ゲームにおいても今回利用した2タイトルでは、
画質を一つおとす~といった変化はありません。
このレベルのグラボなら2400~2666MHzのメモリ利用でもさほど影響ないといえます。
【2020年更新】RX570のゲーム性能レビュー!GTX1060、1050tiに勝てるか?GTX1660 SUPER
最新世代ミドルスペックとして非常にコスパが高いグラボです。
※横スクロールできます
テスト項目 | 2400MHz | 2666MHz | 3200MHz |
---|---|---|---|
FireStrike(DX11) | 13598(-0.30%) | 13620(-0.14%) | 13639 |
NightRaid(DX12) | 36690(-1.52%) | 36769(-1.30%) | 37248 |
PCMark10 | 5741(-2.86%) | 5808(-1.67%) | 5905 |
ゴーストリコンブレイクポイント (フル低、DX11) | 98(-8.16%) | 102(-3.92%) | 106 |
ゴーストリコンブレイクポイント (フル低、Vulkan) | 112(-8.93%) | 116(-5.17%) | 122 |
ボーダーランズ3 (フル最低、DX11) | 114.44(-9.04%) | 120.56(-3.50%) | 124.78 |
ボーダーランズ3 (フル最低、DX12) | 130.99(-1.98%) | 129.90(-2.83%) | 133.58 |
FireStrekeやNightRaidなどベンチマークソフトではさほどではありませんでしたが、
実際のゲームで計測してみると、それなりに性能低下がみられます。
特に2400MHzになると、8~10fps違うこともあります。
性能低下を受け入れて価格の安さを選ぶかはそれぞれの選択肢になりそうです。
GTX1660 SUPERのゲーム性能をベンチマーク!GTX1660台相当になると影響が大きくなる
結論として、NVDIAならGTX1660台、RadeonならRX5500XT 8G以上から、
メインメモリの周波数影響が大きくなると言えます。
価格との兼ね合いになりますので、何を選択するかは本人次第ですが、
該当のグラボ利用を考えている場合は、できるかぎり3200MHzのグラボが良いでしょう。
Ryzenを利用するならメモリはデュアルが必須?
Ryzenを利用するうえでもう一つ注目したいのが、シングル・デュアル構成です。
Ryzenを使用する際は周波数だけでなく、シングル・デュアルでも性能に大きく影響することがあるからです。(Intelも該当する)
最近ではメモリ2枚挿しでデュアル構成が当たり前になっていますが、
Ryzenを利用するならデュアル構成が良いと思います。
では実際にどのくらい性能差がでるのか?
その検証をするために今回、Ryzen5 2600とRyzen5 2400Gを準備しました。
Ryzen5 2600はZen+アーキテクチャでRyzen5 2400GはZenアーキテクチャなので、
今市場に出ている2つの異なるアーキテクチャで検証しようという試みです。
またRyzen5 2400Gは内蔵グラフィックスで、Ryzen5 2600は外部のグラボという違いもあります。
実験に使用するメモリはCORSAIR製を用意しました。
一方は4GB×2、もう一方を2枚のうち8GB一枚だけ使う感じです。
本来はRyzen5 2600とRyzen5 2400Gともに2933MHz対応なのですが、
メモリを準備できなかったのと、シングルとデュアル構成の性能差を見るだけなので、
同一条件であれば問題ないと判断しました。
Ryzen5 2600の外部グラボはGTX1070を使用しました。
Ryzen5 2400Gの違いから
まずはVega内蔵グラフィックスを有するRyzen5 2400Gから。
ベンチマークとしてCINEBENCH、ドラゴンクエストX、Yakuza0のゲームを検証しています。
※横スクロールできます
テスト項目 | single構成(8GB×1) | dual構成(4GB×2) |
---|---|---|
CINEBENCH Open GL | 29.48 fps | 52.40 fps |
CINEBENCH CPU | 711 cb | 645 cb |
CINEBENCH CPU single | 109 cb | 110 cb |
ドラゴンクエストX ベンチ | 4275 | 9246 |
Yakuza 0 低設定 | 27~34 fps | 50~76 fps |
スコアが一目瞭然です。
single構成の場合dual構成の半分ほどまでグラフィック性能が減ってしまいます(;゚Д゚)
同じ8GBのメモリであってもこれだけ違いがあるのは驚きです。
Ryzen Gシリーズを利用するならデュアル構成が必須です。
Ryzen5 2600はどうか?
続いては外部グラフィックの場合影響は受けるのでしょうか?
ベンチマークとしてCINEBENCH、FFXVベンチマーク、FireStrike・NightRaid・PCMark10、Assassin’s Creed Odysseyを使用しています。
※横スクロールできます
テスト項目 | single構成(8GB×1) | dual構成(4GB×2) |
---|---|---|
CINEBENCH Open GL | 105.04 fps | 108.61 fps |
CINEBENCH CPU | 1196 cb | 1216 cb |
CINEBENCH CPU single | 136 cb | 135 cb |
FFXV ベンチ | 7634 快適(-8.48%) | 8281 快適 |
FireStrike(DX11) | 14323(-2.43%) | 14671 |
NightRaid (DX12) | 29513(-3.19%) | 30454 |
PC Mark10 | 3619(-0.91%) | 3652 |
Assassin’s Creed Odyssey | 43~63fps(-27.91~-9.5%) | 55~69fps |
Ryzen5 2400Gと比べるとベンチマークでの差はほとんど無いのですが、
ゲームでの計測では目に見えてfpsの違いを感じることができました。
Ryzen5 3500はどうか?
続いては最新世代のZen2アーキテクチャ採用のRyzen5 3500です。
各種CPU構造が変わっていますが、どのくらい影響がでるのでしょうか?
※横スクロールできます
テスト項目 | single構成(8GB×1) | dual構成(4GB×2) |
---|---|---|
FireStrike(DX11) | 10855(-0.33%) | 10891 |
NightRaid(DX12) | 28372(-0.87%) | 31209 |
PCMark10 | 5891(-2.04%) | 6011 |
ゴーストリコンブレイクポイント (フル低、DX11) | 65(-7.69%) | 70 |
ゴーストリコンブレイクポイント (フル低、Vulkan) | 80(-8.75%) | 87 |
ボーダーランズ3 (フル最低、DX11) | 91.27(-3.60%) | 94.56 |
ボーダーランズ3 (フル最低、DX12) | 98.04(-1.94%) | 99.94 |
FireStrike、NightRaidなどベンチマークソフトでは、第2世代ほど影響は大きくない結果になりました。
また実際のゲームにおいても、シングル構成による落ち込みは第2世代ほどではなさそうです。
しかしながらそれでも、大きいときは5~7fpsの落ち込みが確認できたので、
やっぱりデュアル構成でメモリを選択するのが良さそうです。
4枚挿しは注意
Ryzenのメモリ構成でもうひとつややこしいのがメモリの種類とマザボの構成で、
対応できるMAX周波数が変わることです。
まじでもっとシンプルにしてほしい(;゚Д゚)
一つはメモリのシングルランクとデュアルランクの違い。
メモリって記憶装置であるDRAMが実装されていますが、
有り体に言えば、メモリを見てDRAMが片側だけに実装されているのがシングルランク、
両側に配置されているならデュアルランクって感じです。
最近はシングルランクがほとんどだと思いますが、たまにデュアルランクもあるので注意。
デュアルランクだとRyzenの場合MAX周波数が下がってしまいます。
またシングルランクメモリであってもデュアルメモリ構成の場合は、
マザーボードは6層以上で無いと、基本的に2933MHzはサポートしていないそうで。
マザーボードはいくつかの層が貼りあわさって出来ているのですが、
価格重視の4層タイプだと2667MHzになってしまうようです。
下記は第2世代Ryzenのメモリ周波数対応表をまとめてみました。
※横スクロールできます
メモリ構成 | メモリーランク | マザボ層 | 最大メモリー速度 |
---|---|---|---|
メモリ2枚挿し | シングルランク | 6層以上 | 2933MHz |
メモリ2枚挿し | シングルランク | 6層未満 | 2666MHz |
メモリ2枚挿し | デュアルランク | – | 2666MHz |
メモリ4枚挿し | シングルランク | – | 2133MHz |
メモリ4枚挿し | デュアルランク | – | 1866MHz |
一番難易度なのがマザボの層ではないでしょうか。
正直私も色々調べてみたのですが、中々このマザボは●層みたいに載っていません。
一応現在は4層が主流ということで、6層以上ならハイエンドマザーボードになるようです。
続いて第3世代Ryzen。
下記はASRockのX570 Taichiの内容になります。
※横スクロールできます
メモリ構成 | メモリーランク | 最大メモリー速度 |
---|---|---|
メモリ2枚挿し | シングルランク | 3200MHz |
メモリ2枚挿し | デュアルランク | 3200MHz |
メモリ4枚挿し | シングルランク | 2933MHz |
メモリ4枚挿し | デュアルランク | 2667MHz |
メモリ4枚挿し | シングル・デュアル組み合わせ | 2667MHz |
マザーボードによっても変わるようですが、
基本的に4枚挿しになると2667か2933MHzでの駆動になってしまう可能性があります。