こんにちは!こまたろです( ゚Д゚)!
遂に!Intelの10nmプロセスを採用した最新第12世代がリリースされました!
今回はハイクラスCPUであるCore i7 12700Kをレビューしていきます。
特にCore i7 11700KとRyzen 7 5800Xとの比較結果に注目です。
詳しいレビューは下記記事を参考にしてください。
Core i7 13700Kを性能レビュー!ゲームのベンチマーク比較
グラボ搭載予定の方はより安価なCore i7 12700KF(内蔵グラフィック無し)もあります。
目次
Core i7 12700K(F)の特徴とは?
開発コードネーム「Alder Lake」のCore i7 12700K(F)。
現在日本で新品購入しやすいミドル~ハイスペック帯のCPU一覧です。
※横スクロールできます
CPU/APU | Core i9 12900KS | Core i9 12900KF | Core i9 11900K | Core i9 12900F | Core i9 11900F | Core i7 12700KF | Core i7 11700KF | Core i7 12700F | Core i7 11700F | Core i5 12600KF | Core i5 11600KF | Core i5 12600 | Core i5 11600 | Core i5 12500 | Core i5 11500 | Core i5 12400F | Core i5 11400F |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
世代 | 最新世代 | 最新世代 | 1世代前 | 最新世代 | 1世代前 | 最新世代 | 1世代前 | 最新世代 | 1世代前 | 最新世代 | 1世代前 | 最新世代 | 1世代前 | 最新世代 | 1世代前 | 最新世代 | 1世代前 |
コア数 | 16 | 16(P-core 8/E-core 8) | 8 | 16(P-core 8/E-core 8) | 8 | 12(P-core 8/E-core 4) | 8 | 12(P-core 8/E-core 4) | 8 | 10(P-core 6/E-core 4) | 6 | 6 | 6 | 6 | 6 | 6 | 6 |
スレッド数 | 24 | 24 | 16 | 24 | 16 | 20 | 16 | 20 | 16 | 16 | 12 | 12 | 12 | 12 | 12 | 12 | 12 |
ベース周波数 | (P)3.4 GHz(E)2.5 GH | (P)3.2 GHz(E)2.4 GHz | 3.5 GHz | (P)2.4 GHz(E)1.8 GHz | 2.5 GHz | (P)3.6 GHz(E)2.7 GHz | 3.6 GHz | (P)2.1 GHz(E)1.6 GHz | 2.5 GHz | (P)3.7 GHz(E)2.8 GHz | 3.9 GHz | 4.1 GHz | 3.3 GHz | 3.3 GHz | 2.7 GHz | 2.5 GHz | 2.6 GHz |
ターボ・ブースト | (P)5.2 GHz(E)4.0 GHz | (P)5.1 GHz(E)3.9 GHz | 5.3 GHz | (P)5.0 GHz(E)3.8 GHz | 5.2 GHz | (P)4.9 GHz(E)3.8 GHz | 5.0 GHz | (P)4.8 GHz(E)3.6 GHz | 4.9 GHz | (P)4.9 GHz/(E)3.6 GHz | 4.9 GHz | 4.8 GHz | 4.8 GHz | 4.8 GHz | 4.6 GHz | 4.4 GHz | 4.4 GHz |
(L3)キャッシュ | 30 MB | 30 MB | 16 MB | 30 MB | 16 MB | 25 MB | 16 MB | 25 MB | 16 MB | 20 MB | 12 MB | 18 MB | 12 MB | 18 MB | 12 MB | 18 MB | 12 MB |
最大メモリー速度対応 | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR4-3200 |
内蔵グラフィック | UHD Graphics 770 | – | UHD Graphics 750 | – | – | – | – | – | – | – | – | UHD Graphics 770 | UHD Graphics 750 | UHD Graphics 770 | UHD Graphics 750 | – | – |
TDP/PBP | 150W | 125W | 125W | 65W | 65W | 125W | 95W | 65W | 65W | 125W | 65W | 65W | 65W | 65W | 65W | 65W | 65W |
小売り価格 | 92,800円 | 77,780円 | 59,800円 | 63,480円 | 49,300円 | 54,680円 | 44,980円 | 46,380円 | 47,540円 | 38,450円 | 35,398円 | 33,480円 | 29,980円 | 31,280円 | 27,980円 | 25,480円 | 20,480円 |
※横スクロールできます
CPU/APU | Ryzen 9 5950X | Ryzen 9 5900X | Ryzen 7 5800X3D | Ryzen 7 5800X | Ryzen 7 5700X | Ryzen 5 5600X |
---|---|---|---|---|---|---|
世代 | 最新世代 | 最新世代 | 最新世代 | 最新世代 | 最新世代 | 最新世代 |
コア数 | 16 | 12 | 8 | 8 | 8 | 6 |
スレッド数 | 32 | 24 | 16 | 16 | 16 | 12 |
ベース周波数 | 3.4 GHz | 3.7 GHz | 3.4 GHz | 3.8 GHz | 3.4 GHz | 3.7 GHz |
ターボ・ブースト | 4.9 GHz | 4.8 GHz | 4.5 GHz | 4.7 GHz | 4.6 GHz | 4.6 GHz |
(L3)キャッシュ | 64MB | 64MB | 96MB | 32MB | 32MB | 32MB |
最大メモリー速度対応 | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 |
内蔵グラフィック | – | – | – | – | – | – |
TDP/PBP | 105W | 105W | 105W | 105W | 105W | 65W |
小売り価格 | 75,300円 | 54,980円 | 65,890円 | 36,999円 | 37,480円 | 27,480円 |
今回の第12世代は大幅な変更となっており、
注目すべき特徴は沢山ありますが、代表的な項目として、
- プロセスルールが14nm→10nmへ
- ソケットがLGA1700へ。よってマザボは600番台が必須。
- Pコア(Performanceコア)とEコア(Efficientコア)の2種類が内蔵
- DDR5とDDR4のメモリに対応
- PCIe5.0の対応
- キャッシュや内部バス幅も向上
といったものがあげられます。
性能が近いCPUではCore i9 12900K(F)、AMDではRyzen 7 5800X3Dがあげられます。
マザーボードとメモリの対応について
ソケットがLGA1700になったことで、マザーボードも600番台の種類を準備する必要があります。
Z690を筆頭に、H670, B660, H610となりますが、
もう一つ注意したいのがDDR5メモリ対応版とDDR4メモリ対応版にさらに分かれる点です。
第12世代IntelはDDR5およびDDR4メモリの両方に対応していますが、
マザーボードの設計上、DDR5とDDR4両方に対応しているマザーボードは無く、
DDR5版かDDR4番かのマザーボードを選ぶことになります。
どちらに対応なのかは、マザーボードの名前はスペックから確認することが可能です。
※上記は今回使用したGIGABYTEのZ690 UD。DDR4とDDR5版がある
CPUクーラーの準備について
LGA1700に変更になったことで、CPUクーラーのマウンター対応も必要になります。
今後市場に並ぶCPUクーラーはLGA1700対応が増えると思いますが、
すでに自身が持っているCPUクーラーを利用したい場合は、
別途LGA1700用マウンターを手に入れる必要があります。
手に入れる方法としては、
- 1.購入した代理店で無償で提供or有償対応
- 2.LGA1700用リテンションキットが別途発売されている
- 3.そもそも該当のCPUクーラーは対応予定がない
3の場合はどうにもなりませんが、1か2で対応できる可能性がありますので、
確認してみてください。
※上記は虎徹や無限五、ASSASSIN III用のLGA1700マウンターキット。こまたろは別途購入した。
PコアとEコアとWindowsバージョン
第12世代IntelではPコア(Performanceコア)とEコア(Efficientコア)という、
2種類のコアが搭載されており、それぞれに特徴があります。
得意不得意な仕事があるため、処理を適切に割り振るほうが仕事効率が良くなるのですが、
その仕事の割り振りはOSが最終決定する仕様になっています。
そしてIntel曰くWindows11のほうが10より適切に割り振ることができると述べています。
シングル性能が強く、レイテンシーが短い特徴があります。
ピーク性能が高いので、重い処理が来た時に対応できます。
Eコア(Efficientコア)はHyper-Threading非対応で消費電力が低め、
並列処理が得意なため、エンコードのようなCPUを一定時間使い続けるような処理に向いています。
こちらは外装。デザインは第11世代とほぼ変わっていませんね。
なお純正クーラーは付属していませんので、別途用意する必要があります。
こちらが本体。パッケージと違って明らかに変わりました。
※左がLGA1700、右がLGA1200
前世代のLGA1200と比べると明らかに縦長になっているのがわかります。
もちろんマザーボード側も変わっています。
特に金具の開け閉め方が変わっており、
個人的にはちょっと固くなってやり難くなった印象です。
ベンチマークソフトで性能を見る
それではCore i7 12700Kの性能をチェックしていみましょう!
今回グラフィックボードはRTX3080を使用し、CPUクーラーはASSASSIN IIIです。
またDDR5メモリのWindows11の環境で計測した結果を比較しています。
下記記事にてDDR4とDDR5、Windows10と11でどれだけ性能差があるのか?を比較していますので、
興味がある方はご参考いただければと思います。
インテル12世代CPUでDDR5とDDR4を比較!Win10 vs Win 11も
- 前世代からどれだけ性能が変わった?
- 消費電力と発熱はいかほどか
- 第4世代Ryzenとの性能差
色々な箇所が変更になったCore i7 12700Kですから、
とにかくゲームもクリエイティブ性能もどれだけアップしたのかが気になるところです。
またLGA1700になったことと、発熱によってどこまで冷えるのか?も気になります。
FireStrike
DirectX 11ベースの定番ベンチマークソフトから。
まずはフルHDから。
とにかく第12世代のスコアの伸びが良い!
特にCPU性能を示すPhysicsスコアでは、
Core i7 11700KとRyzen 7 5800Xに圧倒的な差をつけています。
ただCPUとグラボの統合テストであるCombinedではCore i7 12700Kのスコアが伸びません。
このあたりPコアとEコアに分かれてたのが影響している?
のかソフト側の最適化不足かは不明ですが、結果的に総合スコアでは
Core i7 11700Kに対して約10.8%、Ryzen 7 5800Xより若干スコアが下がっています。
ただ上位クラスのRyzen 9 5900Xにスコアが勝っているのは凄い!
4Kでもおおむね同じ傾向ですが、
Combinedの差が縮まっているため、
総合スコアではCore i7 12700KがRyzen 7 5800Xより上となっています。
このあたりゲーム実測でフルHDと4Kでどれだけ差が出るか気になりますね。
TimeSpy
続いてはDirectX 12ベースではどうでしょうか?
ここでも基本的に第12世代のIntelのスコアがヤバいですw
CPUスコアではCore i7 11700Kに対し約30.7%、
Ryzen 7 5800Xに対して約41.6%アップととんでもない差です。
この結果だけみればCore i7 12700Kは一歩抜きんでた性能に進化したと言えそうですね。
4Kでもこの傾向は変わりません。
圧倒的に第12世代のスコアが突出しています。
DirectX 12対応ゲームはどんどん増えていますので、
ゲーム実測でのフレームレートの差が楽しみです。
PC Mark10
ゲーム性能以外のパフォーマンスも見ていきましょう。PC Mark 10です。
全体的には思ったほど差が出なかった印象です。
オフィスソフトの快適性であるProductivityスコアでは、
Core i7 12700Kが冴える結果ではありませんでした。
ただWEB閲覧やビデオ会議、アプリ起動など一般用との快適性であるEssentialsスコアや、
クリエイティブ性能を示すDigitalCCでは、
Core i7 11700K、Ryzen 7 5800Xよりは若干上という結果になっており、
シングル、マルチタスク性能ともにCore i7 12700Kの進化が伺えます。
フォートナイト
ここからは実際にゲームを使ってゲーム性能を見ていきます。
まずは人気バトロワゲームのフォートナイトです。
DirectX 11ベースにて計測します。
Core i7 12700Kを含む第12世代のフレームレート伸びが凄い!
フルHD、4Kの両方にて高パフォーマンスを発揮し、
低負荷時はCore i7 11700KやRyzen 7 5800Xに60~90fpsもの大差を、
高負荷時でも20~40fpsほど差をつけています。
圧倒的な差といってよいでしょう。
Apex Legends
続いても大人気のバトロワゲームです。
このゲームはグラフィックボード性能の影響がかなり強いため、
あまりCore i7 12700Kの進化の影響は少なそうですがはたして。
RTX3080が高性能でフルHDでは上限300fpsに張り付くので、
4Kのみ計測しています。
ここでもCore i7 12700Kが強い。
極設定ではグラフィックボードの性能限界がネックになっていますが、
最低画質になってくるとフレームレートの伸びがあります。
Core i7 11700KとRyzen 7 5800Xに対して20fps差とは。。。
CPU性能を受けにくいApex Legendsでこの結果は驚きました。
Escape From Tarkov
β版でありながら日本でもどんどん人気になっているハードコアFPSです。
DLSSやFSRの機能はなく、高画質、高解像度ならグラボやCPU性能の要求値が高いゲームです。
ただRTX3080が高性能でWQHD以下は144fps張り付くため、4Kのみ比較。
低画質下ではCore i7 12700Kを含む第12世代Intelが圧倒。
Core i7 11700KとRyzen 7 5800Xとは30fps以上の差があり、
現時点のフレームレート上限になっているため、さらに伸びる可能性があります。
ただ高負荷となるウルトラ画質では第12世代の伸びがよくありません。
ゲーム側の最適化なのか、別の要因かは不明ですが、必ずしも強い!という結果ではありませんでした。
VALHEIM
続いては累計500万本突破した北欧サバイバルゲームのヴァルヘイムです。
DLSSやFSRといった低負荷高FPSを支援する機能が使えないため、
高画質、高解像度ならグラボやCPU性能の要求値が高いゲームです。
このゲームでは旧APIと新APIであるVulkanベースの起動が選べます。
今回もVulkanベースで計測しています。
このゲームでもCore i7 12700Kが強いです。
特にCore i7 11700Kとの差は圧倒的で、
高負荷の4K最高設定でも13fps、低負荷のフルHD最低設定ではなんと76fps差に(‘Д’)
もはやゲーム性能が段違いです。
Ryzen 7 5800Xに対しても8~40fpsほど差があり圧倒。
グラフィック設定次第ではCore i9 12900KFよりも良い結果と、
ゲームには最適なコアスレッド数なのかもしれません。
サイバーパンク2077
続いてはDLSSやレイトレに対応しているサイバーパンクを見ていきます。
かなり動作スペックが高いゲームです。
このゲームでもCore i7 12700Kの強さが目立ちます。
DLSSやレイトレはグラフィックボードだけでなくCPUにも負荷がかかる処理ですが、
Core i7 12700Kの性能の強さが証明されたという結果に。
フルHDではCore i7 11700やRyzen 7 5800XでKに33~40fpsほど、
4Kでも最大10fpsほどとかなりの差です。
DLSSやレイトレ活用でもCore i7 12700Kはパフォーマンスが高いですね。
FarCry6
続いてはFarCry6です。
このゲームはDLSSの対抗となるFSRに対応したゲームとなっており、
Core i7 12700KのFSRパフォーマンスを見ていきたいところ。
レイトレを利用した場合も計測しました。
このゲームに関してはゲーム側の問題なのか、
第12世代Intel全般でなぜか120fpsを超えられない現象になってしまいました。
低負荷時にCore i7 11700KやRyzen 9 5900Xなど、
時間が経過しているCPUのパフォーマンスが良いことから考えると、
ソフト側の最適化不足かな?と思います。
色々なゲームを計測するなかで、
PコアEコアによる最適化不足はあまり感じなかったのですが、
FarCry6のようにパフォーマンスを発揮できないゲームもでるかもしれません。
Back 4 Blood
こちらもFSR対応のBack 4 Bloodです。
DLSSにも対応しており、その両方でのCore i7 12700Kパフォーマンスを見ていきます。
4Kも計測しました。
比較的新しいこのゲームでもCore i7 12700Kのパフォーマンスが凄いです。
4K高画質領域ではグラフィックボードの性能限界のため違いが少ないですが、
余裕のあるフルHDや4K低画質では、
DLSS、FSRに関係なく、Core i7 11700KやRyzen 7 5800Xに二桁ほどfpsが違います。
Ryzen 7 5800Xはフレームレートのムラが多いですが、
Core i7 12700Kはムラなく全体的にしっかりとフレームレートが出ています。
また上位のRyzen 9 5900XやCore i9 12900KFとも互角の勝負をしています。
Battlefield 2042
最後に今回のゲームでは最も新しいBattlefield 2042です。
正直最適化が甘い印象で、まだまだすべてのCPUにおいて改善の余地がありそうですが、
ひとまず現状のフレームレートを計測します。
DLSSやレイトレ対応ですので、利用しました。
画質や解像度の組み合わせでいきなりフレームレートが突出するCPUがあるなど、
どのCPUもかなりパフォーマンスにムラがありますが、
その中でもCore i7 12700Kは高いパフォーマンスを発揮しているといってよいでしょう。
特にフルHDではCore i7 11700KやRyzen 7 5800Xよりも、
20~40fps違うこともあるので、比較的RTX3080の性能を活かせているのでしょう。
他のゲームでもそうですが、
新作ゲームでも最適化の心配が少なく、
安定してパフォーマンスを発揮できるのもCore i7 12700Kの強みかと思います。
動画編集・ゲーム配信性能はどうか?
ようやく強いIntelを彷彿とさせるゲーム計測結果ですが、
動画編集作業ではどうでしょうか?
あくまで参考の参考ぐらいの気持ちでみてください。
Adobe Premiere Pro 2020
有名な編集ソフト「Adobe Premiere Pro 2020」で計測します。
動画の長さは15分60fps、フルHD・4K動画でH.264/365の4パターンを計測。
まずはCPU性能を使うソフトウェアエンコードから。
とにかくCore i7 12700Kを含む第12世代の性能がヤバい!
Core i7 11700KやRyzen 7 5800Xと比べて、4パターンすべてで大幅短縮。
コアスレッド数で優るRyzen 9 5900Xよりも早く、
PコアとEコアの個々の性能を上手に活かせているのかな?と感じました。
ただしCore i9 12900KFのほうがやや遅い結果になっているので、
まだまだソフト側やWindos11のタスク振り分けに改善の余地がある気もします。
続いてはRTX3080の性能も利用するハードウェアエンコード結果です。
ほぼCore i7 12700Kが最速の結果となりました。
Ryzen 9 5900XとCore i9 12900KFなどより多コア多スレッドに大差をつけているのは驚き。
ハードウェアエンコードではグラフィックボードが重要な仕事を行うため、
CPU側はマルチタスク性能よりシングルタスク性能が強いほうが良いのかもしれません。
もしくはCPUとグラボの両方を使う場合、多コア多スレッドのほうがレイテンシが発生しやすいのかも?
なんにせよAdobe Premiereではほぼ一番ともいえる性能を発揮しています。
Aviutl
もう一つ、無料ではかなり有名な「Aviutl」でも計測しました。
H.264/265のフルHDを計測しています。
まずはソフトウェアエンコードから。
Adobeほどの差はないにせよ、やはりCore i7 12700Kが強いです。
特にH.265ではCore i7 11700K/Ryzen 7 5800X/Ryzen 9 5900Xに対して、
大幅にエンコード時間が短縮さえれておりクリエイティブ性能の高さが伺えます。
ではRTX3080の性能を使うハードウェアエンコードではどうでしょうか?
やはりCore i7 12700Kが前世代やRyzen 7 5800Xに比べて高速です。
Ryzen 9 5900Xより早いことからも、シングル・マルチタスク性能ともに大幅にパワーアップしたことがわかります。
今回は2本のソフトでの計測ですが、
クリエイティブならRyzenからIntelへシフトしたといっても良いでしょう。
消費電力は?
ゲーム性能およびクリエイティブ性能において、
Core i7 12700Kが大幅に性能アップしたことが良くわかる結果となりました。
では今度は消費電力はどうでしょうか?
第11世代IntelやRyzen 5000シリーズは総じて消費電力は高くなっていますが、
Core i7 12700Kでは省電力に優れるEコアが内蔵されており、
果たしてどれほど効果があるのか気になるところ。
ゲームでは
ゲーム利用を模擬してFFベンチマーク時の電力測定です。
※横スクロールできます
CPU/APU | Core i9 12900KF | Core i7 12700K | Core i7 11700K | Core i5 12600K | Ryzen9 5900X | Ryzen7 5800X | Ryzen5 5600X |
---|---|---|---|---|---|---|---|
最小電力(W) | 25.827 | 20.897 | 14.427 | 14.902 | 41.391 | 33.669 | 32.132 |
最大電力(W) | 80.224 | 63.851 | 79.204 | 106.53 | 110.59 | 121.357 | 64.014 |
平均電力(W) | 66.485 | 52.247 | 67.680 | 43.921 | 97.681 | 67.099 | 53.115 |
性能だけでなく省電力も優れているとは(‘Д’)。
アイドル時の消費電力はCore i7 11700Kより高めですが、
最大電力が低く、また平均電力も15Wも下回っています。
やっぱりPコアとEコアの使い分けがうまくいっているのでしょうか?
Ryzen7 5800Xに比べても明らかに省電力で、性能も高いということは、
ゲームではワットパフォーマンスでも、
Ryzen5000シリーズを圧倒したといってよいでしょう。
動画編集では
Adobe PremiereにてH.264 フルHD ソフトウェアエンコードで消費電力測定です。
※横スクロールできます
CPU/APU | Core i9 12900KF | Core i7 12700K | Core i5 12600K | Ryzen9 5900X | Ryzen7 5800X | Ryzen5 5600X |
---|---|---|---|---|---|---|
最小電力(W) | 2.964 | 3.371 | 11.117 | 46.158 | 34.022 | 34.082 |
最大電力(W) | 207.439 | 147.758 | 113.966 | 140.84 | 115.144 | 74.785 |
平均電力(W) | 166.719 | 118.575 | 91.47 | 124.118 | 93.581 | 69.103 |
動画編集になってくると逆転してしまいましたね。
アイドル時の消費電力は圧倒的にCore i7 12700Kですが、
最大消費電力は30W、平均は20WほどRyzen 7 5800Xより高いです。
ゲームのようなCPUに余裕がある場合は効率的にEコアに回せるけど、
100%負荷に近いソフトウェアエンコードでは、
Pコアもめいいっぱい仕事するため結果消費電力が高くなっているのかもしれません。
ただその分エンコード時間のパフォーマンスは良いため、
ワットパフォーマンスはRyzen 7 5800Xとは遜色ないかと思います。
CPUクーラーの冷却性能はどの程度必要?
続いてはどの程度の冷却性能が必要か見ていきます。
消費電力の高い動画編集でどこまで冷やせるかがポイントになりそうです。
ということでいくつかの項目でCPUクーラーの性能テストをします。
※横スクロールできます
OCCT | FFベンチマーク | FarCry6 | 動画ハードウェア エンコード | 動画ソフトウェア エンコード | |
---|---|---|---|---|---|
虎徹 markII | 101℃ | 65℃ | 59℃ | 69℃ | 89℃ |
無限五 revB | 80℃ | 64℃ | 63℃ | 68℃ | 87℃ |
ASSASSIN III | 70℃ | 58℃ | 54℃ | 58℃ | 75℃ |
360mm簡易水冷 Antec SYMPHONY 360 | 66℃ | 53℃ | 51℃ | 57℃ | 69℃ |
ゲームのような比較的CPU負荷が低い用途であれば、
虎徹のような安価空冷クーラーでもいけちゃいそうですね。
ですがソフトウェアエンコードのようなCPUが高負荷になる処理では、
最低でもASSASSIN IIIのような大型空冷クーラーや240mm簡易水冷が必須そうです。
どのような状況でもCore i7 12700Kの性能を活かすのであれば、
240mm以上の簡易水冷クーラーや大型空冷クーラーがおすすめです。
Core i7 12700K(F)はどういった人におすすめ?
- ゲーム性能においてRyzen5000を凌駕し、ゲームはIntelが帰ってきた
- クリエイティブ性能においてもRyzen5000よりも優れている
- ようやくRTX3080などハイクラスグラボの性能を引き出せる
- 最新のゲームでも比較的安定的に性能を発揮できているぽい
- 消費電力が全体的に低めでワットパフォーマンスが高い
- 価格も比較的低めてコスパが高い
- ソフト側の最適化を危惧したが概ね問題なさそう
- CPUクーラーはしっかりと冷却できる種類の準備が必要
- 結局発熱懸念で小型PCに盛り込むのはレベルが高い
- 最強クラスのゲーミングPC、クリエイティブPCが欲しい人
- RTX3090やRTX3080などハイクラスグラボを使っている人、使いたい人
- 性能コスパを重視したい人
とにかくメリットが多いですが(笑)
現時点での最強クラスをめざすなら間違いなくおすすめできるCPUと言ってよいと思います。
ゲーム性能、クリエイティブ性能ともに前世代より大幅に向上し、
ワットパフォーマンスも優れています。
こまたろ的にうれしいのはRTX3080などハイクラスのグラボ性能を、
ボトルネック少なく使えるCPUがきたか!という印象です。
第11世代IntelやRyzen5000シリーズではハイクラスCPUでもボトルネックになっていると疑念を持っていたのですが、
今回の第12世代でやはりそうだったかと思いました。
Core i7 12700Kであればハイクラスグラボの性能を十分に活かすことができます。
クリエイティブ作業では下手にRyzen9を買うより、12700Kを買ったほうが快適。
普段使いの人も、ゲームする人も、クリエイティブ作業する人も、コスパ気にする人も、
万人におすすめできるCPUと言ってよいのではないでしょうか。
さらに価格もこれだけ一新されたわりにはかなり安いと思います。
Core i7 11700KやRyzen 7 5800Xとの性能と価格差を考えれば、
Core i7 12700Kのコスパは相当高いです。
ただ難点といえば、やはりマザーボードとCPUクーラーへの対応が必要なこと。
とはいえ新しく買う人には関係の無い話ですし、
Ryzen側も次世代は買い替えが必要になるため、デメリットというほどでもありません。
あとはB660などもう少し安価なマザーボードが登場してくればかなり良いかと思います。
Core i7 11700Kを性能レビュー!ゲームのベンチマーク比較Ryzen 7 5800Xの性能ベンチマーク!ゲーム・動画編集は?Ryzen9 5900Xの性能ベンチマーク!ゲーム・動画編集は?