インテル12世代CPUでDDR5とDDR4を比較!Win10 vs Win 11も | こまたろPC
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インテル12世代CPUでDDR5とDDR4を比較!Win10 vs Win 11も

こんにちは!こまたろです(‘Д’)!

「Alder Lake」ことIntel第12世代が発売されましたが、

DDR5とDDR4対応ということで、性能に違いは出てくるのでしょうか?

またWindows10とWindows11でもCPU性能が変わってくると言われています。

今回はCore i9 12900KF、Core i7 12700K、Core i5 12600Kの3つのCPUを使って検証しました。

DDR5とDDR4との違いは?なぜ性能差が?

DDR5とDDR4の規格の差です。

ほかにも変更点はありますが、要はDDR5は消費電力を抑えつつ性能をアップさせたメモリです。

※横スクロールできます

メモリの規格 DDR5 DDR4 違い
データ転送速度 1600~3200MT/s 3200~6400MT/s DDR4の2倍、有効帯域幅は約1.87倍
I/O電圧/th>

1.2V 1.1V DDR4より省電力に
最小バースト長 8 16 入出力されるデータ列の長さ
DDR4の2倍
最小バンクグループ 4 8 大きいほどバンド幅に寄与
DDR4の2倍
最小DRAMサイズ 16GB 32 DDR4の2倍

DDR5とDDR4で互換性はある?

DDR5もDDR4も同じ288ピンなのですが、ピン配置が刷新されたので互換性はありません。

ただ一応マザーボード側が頑張れば技術的にはDDR5とDDR4の両方の対応は可能らしいです。

でも大変なのとコストに似合わない?からか、現在のマザーボードはDDR5対応とDDR4対応に分かれています。

「Alder Lake」は両方に対応していても、マザーボードの制約からどちらか一方を選択するしかありません。


※今回計測に用いたGIGABYTEのZ690UD、DDR5版とDDR4版がある

DDR5のメモリタイミング

基本的にはDDR5のほうがDDR4より高性能なのは間違いありませんが、

現在発売されているDDR5メモリでは一点気になる点があります。

それがメモリタイミングです。

メモリタイミングは「CL○○」や「CL○○-○○-○○」のように記載されていますが、

代表的なタイミングにCASレイテンシというものがあり、

要はデータの送受信の遅延具合を表しています。

 

DDR5メモリはCL36、38、40となっています。

対してDDR4はCL16が主流になっています。

DDR5メモリ
※今回検証に用いたKingstonのFURY、DDR5 4800MHz CL38である

 

実際のレイテンシ時間を求める際は、

「レイテンシ=メモリタイミング÷クロック信号の周波数」

となりますので、CPUメモリ対応の標準である、DDR5 4800MHzとDDR4 3200MHzで計算してみましょう。

  • DDR5 4800MHz CL38: 38÷2400MHz = 15.83ns
  • DDR4 3200MHz CL16: 16÷1600MHz = 10.00ns

計算するとDDR5のほうがレイテンシが大きいことがわかります。

この差がどれだけ性能差に関わってくるのか?が気になるところです。

なぜAlder LakeはWindows11と10で性能が変わる?

「Alder Lake」の性能に関わる部分でもう一つ忘れてはいけないのがWindows OSのバージョンです。

今回の「Alder Lake」では、

Pコア(Performance-core)とEコア(Efficient-core)という2種類のコアを内蔵しています。

ざっくりというとMAX性能が高いのがPコア、省電力で並列処理が得意なのがEコアとなっており、

仕事を作業分担することでワットパフォーマンスをあげていこう!という試みなわけです。

作業の仕分けをするのはWindowsに決定権がある

このPコアとEコアのどちらに処理をお願いするかは、

Intelの「Intel Thread Director」という機能があるのですが、

この機能はOSに配置の助言をするだけで、

総合的に鑑みてどちらに割り振るかはOS側で決めるそうです。

上司と部下のような関係ですね。

そしてこの関係性がより良いのがWindows11らしく、

IntelはWindows11のほうがより「Alder Lake」の性能を活かせると明言しています。

Intel第12世代を使って性能比較

「Alder Lake」はDDR5とDDR4、Windows11と10という、

4パターンによって性能が変わる可能性があるということになります。

ということでゲームや動画編集時間などを計測していみました!

なお今回利用したCore i9 12900KF、Core i7 12700K、

Core i5 12600K自体検証については下記を参考にしてください。

Core i9 12900KFを性能レビュー!ゲームのベンチマーク比較Core i7 12700Kを性能レビュー!ゲームのベンチマーク比較Core i5 12600Kを性能レビュー!ゲームのベンチマーク比較

Apex Legends

人気ゲームのApex Legendsです。

誤差程度かなあという違いではありますが、

DDR5のほうがDDR4より5~7fpsほど数値が上がっているケースも見受けられます。

Core i9 12900KFには違いがなかったことと、

Windows11と10でもCore i7 12700Kを除き違いがあまりありませんでした。

Escape From Tarkov

β版でありながら日本でもどんどん人気になっているハードコアFPSです。

要求スペックは高めのゲームです。

うーん正直バラバラといいますか、

むしろDDR4とWindows10の組み合わせが一番安定してfpsが高い感じもしますね。。。

どちらかというとDDR5とWindows11の組み合わせはパフォーマンスが悪いです。

VALHEIM

北欧サバイバルゲームのです。

高画質、高解像度ならグラボやCPU性能の要求値が高いゲームです。

このゲームに関しては全てのCPUで傾向が一致しています。

低画質ではDDR4とWindows11の組み合わせが高く、

高画質になると一番低くなります。

あと高画質ではDDR5のほうが、低画質ではDDR4のほうが高パフォーマンスです。

Windowsによる違いはほぼ無いといったところでしょう。

サイバーパンク2077

このゲームではDLSSを利用し、レイトレONとOFFで計測しました。

全体的に見ると傾向がバラバラに感じますね。

あえて言えば、Core i5 12600KではDDR4とWindows10の組み合わせが悪く、

Core i7 12700KではDDR5とWindows11の組み合わせが最高、

Core i9 12900KFではDDR5とWindows10の組み合わせが悪いです。

このようにCPUによって最適なDDRとWindowsが変わるゲームもあります。

Back 4 Blood

今度はFSRに対応しているゲームで計測します。

DLSSにも対応していますので、そちらでも。

これもCPUによって最適なDDRとWindowsが変わっているように見受けられます。

Core i5 12600KではDDR5とWindows10の組み合わせが悪く、

DDR4とWindows10の組み合わせが最も高パフォーマンスです。

Core i7 12700KではWindows11を利用したほうが高い傾向に。

Core i9 12900KFはCore i5 12600Kと同様の傾向と言えるでしょう。

DLSSとFSRの技術的な違いで傾向が変わることはありませんでした。

FarCry6

このゲームもFSR対応ですので、利用して計測比較しました。

このゲームもはっきりした傾向がある感じではなさそうですね。。。

あえて言えば、Core i5 12600KではDDR4とWindows10の組み合わせが良く、

Core i7 12700KではDDR5とWindows11利用が高い傾向に。

Core i9 12900KFもDDR5利用のほうが数値が高く、

Window11の組み合わせが最も最高のフレームレートをだしました。

Adobe Premiere Pro 2020

続いては動画編集時間の比較をしていきます。

編集速度について
使うソフト、動画素材、動画時間、加工方法、エンコード方法などによって、編集時間というのはかなり違ってくるため、
あくまで参考の参考ぐらいの気持ちでみてください。

まずはAdobe PremiereにてフルHD動画のエンコード時間です。

この計測に関してはわりとはっきりした傾向が出たのではないでしょうか?

全体的にDDR5利用のほうがエンコード時間が短い傾向にあります。

エンコード作業ではメモリ速度がかなり重要なので、

そうだよなって結果ではあるかなとは思います。

DDR5利用の場合、Core i5 12600KではWindows11のほうが悪い結果ですが、

Core i7 12700KとCore i9 12900KFだとWindows11のほうが良い結果なのは面白い。

特に多コア多スレッドほどWindows11と10とのエンコード時間差が増えています。

スレッド数が多くなるほどより適切なタスク振り分けが重要になり、

Windows11が上手に仕事を割り振れているからかもしれませんね。

4K動画のエンコード時間の場合もDDR5有利は変わってはいません。

ただWindows11と10との違いは正直微妙で、はっきりした傾向がみられません。

Aviutl

もう一つ、無料ではかなり有名な「Aviutl」でも計測しました。

フルHDでの動画のエンコード時間です。

このソフトではH264なのかH265の形式の違いで傾向が見られます。

H264ではWindows11のほうが圧倒的にWin10より早く、

DDR5のほうがDDR4より短時間ですが、WindowsOSの違いのほうがより結果に影響していますね。

ですがH265はではOSによる傾向は強くありません。

一部Windows11のほうが早い箇所がありますが、それよりDDR5にしたようがより短時間に寄与しています。

ただ全般的にはDDR5とWindows11を利用したほうが高速な傾向です。

PC Mark10

最後に全般的なPC用途についてベンチマークソフトにて計測しました。

各テスト項目別にみていきます。

WEB閲覧、アプリ起動の快適性

WEB閲覧やビデオチャット、アプリ起動の快適性をみるテストです。

はっきりした傾向がというほどではないですが、

どのCPUでもDDR4とWindows11の組み合わせが最も高パフォーマンスです。

また一部を除きWindows10よりWindows11を利用したほうが高い数値となっています。

PコアとEコアへの適切なタスク振り分けが影響する作業なのかもしれません。

オフィスソフトの快適性

ワープロソフトや表計算ソフトの処理パフォーマンステストです。

うーん、はっきりした傾向はないですかねえ。

強いていえば、DDR4とWindows10の組み合わせはパフォーマンスが悪いこと、

またDDR5とWindows11の組み合わせもあまり良くありません。

クリエイティブ性能の快適性

写真加工、動画加工、3Dレンダリング、DirectX 11ゲームパフォーマンスなど、

グラフィック性能に影響しやすい作業のテストです。

こちらははっきりした傾向が。

全体的にWindows11のほうがWindows10より明らかに高パフォーマンスで、

DDR5とDDR4の違いはCPUによってバラバラで影響度はすくなそう。

CPUへの負荷が高い項目や、高度な処理を必要とする作業なので、

より適切なタスク振り分けが重要になってくるのかもしれませんね。

総合スコア

最後は全ての項目を加味した最終スコアです。

ここもはっきりした傾向がでていますね。

Windows11のほうがWindows10より高い数値になっています。

ただDDR5とDDR4に関しては、

Windows11ではDDR4のほうが、Windows10ではDDR5のほうが良い傾向にあるので、

DDR5最強!とも言えない結果です。

なのではっきり言えることは各作業内容によって優劣傾向は変わってはくるものの、

色々な作業にてCPU性能をに活かせる環境はWindows11ということになりそうです。

DDR5とDDR4、Windows11と10はどれが良いのか?

色々なテストをしてきましたが、現時点でこまたろが考える結論をまとめます。

ゲームおいては?

  • ゲームやCPUによってDDRとOSの組み合わせの優劣はバラバラ
  • Core i7 12700Kが一番DDRとOSの影響差が少ないかな
  • ゲームではDDRやWindowsOSバージョンの違いは意識しなくていいかも

結論としてははっきりした傾向は見られませんでした。

まあCPUよりもグラフィックボードのほうがゲームでは重要ってこともあるかもですが、

この組み合わせが良い!と言えなかったのは残念です。

ゲーム別でみれば傾向はあったりしますが、

現時点ではゲームをやるだけなら、

DDRやWindowsOSバージョンの違いは意識する必要はなさそうです。

強いていえば、Core i7 12700Kが一番どの組み合わせも同じくらいなので、

細かいこと気にしなくていいっとことでしょうか。

動画編集作業においては?

  • ソフトにより影響度は違うが、DDR5のほうが高パフォーマンス傾向
  • Windows10よりはWindows11のほうが高パフォーマンス傾向
  • 動画編集作業ではDDR5とWindows11の組み合わせがベスト

CPU性能の影響をうけやすい動画編集作業ということもあって、

こちらははっきりとDDR5とWindows11の組み合わせが最も高速かと思います。

今回掲載しませんでしたがハードウェアエンコードでも同様の傾向で、

より高速なメモリと、適切なタスク振り分けは動画編集では重要なようです。

PC全般の作業では?

  • 作業項目で組み合わせの優劣は変わる
  • ただ総合的に性能の引き出すならWindows11が良さそう
  • DDR4とDDR5に関してはどっちでも良い

ゲームや動画編集作業も含めた全般的な利用シーンにおいて、

作業内容にもよりますが基本、DDR5とDDR4の影響よりOSバージョンのほうが影響度が高いです。

レイテンシの影響かもしれませんが、

結局メモリ速度が高くても、CPUタスク振り分けがうまくいってなきゃ遅くなるよねってことかもしれません。

第12世代Intel CPUを活かすことができるでしょう。

結論

Windows11にすべき!
ゲームだけは最大フレームレートを出せるわけではないが、
第12世代Intel CPUを活かすならWindows11を選ぶほうがおすすめ。
DDR5に関しては4800MHz以上のOCメモリなら意味あるかも。

全体的にはっきりこれ!とは言えない結果ですが、

DDR5とDDR4どちらにするか?を迷うより、Windows11にアップグレードするか?を考えたほうが、

現時点ではおすすめです。

まあマザーボード買い替えになるので後からDDR5へ!とか難いわけですが。。。

DDR5を選ぶなら通常の4800MHzではなく、それ以上のOCメモリを利用したり、

今後CLが小さいものとか出てくれば違ってくるかも。

DDR5の価格からみても今は無理に利用する必要はないでしょう。

本当かどうかわかりませんが、第13世代IntelもDDR4は対応するって話もでているので。。。