こんにちは!こまたろです(‘Д’)!
ゲーミングPCのスペックをチェックする際に、
「GPU」や「グラフィックボード」という項目を見かけます。
今回はこのGPUの見方・選び方について解説していきます。
目次
グラフィックボードって何?
「GPU」や「ビデオカード」「グラボ」といった表記をすることもあるグラフィックボードですが、
映像・画像関連の処理をおこなうPCパーツのことで、
PCモニターに映像を出力する、画像や動画再生・編集時に処理をする、
ゲームのデータ(テクスチャ)処理するといった内容に関係してきます。
グラフィックボード性能が高いと何が良い?
- 沢山のゲームで快適に遊べる
- ゲームのフレームレートが高くなる
- ゲームでより良い画質、高い解像度でも快適になる
- 画像や映像・3Dに関連するソフトの動作が良くなる
- 動画編集時間が早くなる
- ゲーム配信が安定する
ゲーミングPCにとって最も重要なスペックがグラフィックボードといっても過言ではありません。
CPUも重要ですが、グラフィックボードのほうがゲームに与える影響度は大きく、
フレームレート、画質、解像度、配信安定度など色々と寄与してくれます。
BTOにてゲーミングPCを選ぶならCPUとセットで必ず確認すべき項目です。
そして家庭用ゲームよりもより綺麗なグラフィック、もしくは高いフレームレートで遊べるのがメリットです。
またゲーム以外の用途でも画像・映像・3D処理に関連しそうな内容はすべて影響します。
例えばWEB閲覧の際に画像一覧を表示するスピードがあがったり、
4K/8Kのような動画再生もスムーズになったり。
当然動画編集ソフトや3Dレンダリングといったソフトウェア動作・処理もより良くなります。
つまりゲームにしよ、クリエイティブ作業にしろグラフィックボードは重要になります。
CPUと一蓮托生である
ですがパソコンではあくまで処理の中心はCPUが担うことになっています。
そのためグラフィックボードとCPUはお互い一緒に仕事を処理しているといってよいです。
ということはグラフィックボードの性能だけ高くても、
CPUの性能だけ高くてもスムーズに仕事をおこなうことはできません。
特にCPU性能だけが著しく低い場合グラフィックボード性能を100%引き出せない、
通称ボトルネックが発生するため、
CPU性能とグラフィックボード性能は同じくらいの性能に構成するのが望ましいです。
BTOパソコンの中にはアンバランスな構成になっているケースもあり注意が必要。
せっかくのグラフィックボードが活かせていないゲーミングPCも存在するんです。
内蔵グラフィックがあっても・・・
CPUにはグラフィックボードが一緒になっているような、
内蔵グラフィックという機能が搭載されているCPUが存在します。
グラフィックボードと働きは一緒で、PCモニターに映像を出力することも可能であり、
グラフィックボード無しでもパソコンとしては利用することが可能です。
ただしゲーミングPCという観点でいうと能力が不十分であることが多く、
BTOにてゲーミングPCを選ぶのであればグラフィックボード搭載は必須と言ってよいです。
ちなみに内蔵グラフィック搭載非搭載関わらず、グラフィックボードは利用できます。
性能と価格、消費電力の関係
基本的に性能の高さと価格・消費電力はトレードオフの関係にあります。
グラフィックボードを動かすには電力が必要ですが、性能が高いほど消費電力が激しくなる傾向にあります。
また性能が高いほど価格が高くなるので、当然ゲーミングPCの価格も高くなります。
さらに消費電力が高いと、そもそも供給するPCの電源パーツもより価格が高い種類が必要になります。
グラフィックボードの種類
グラフィックボードの働きが分かったところで、次は種類のお話です。
製造をしている会社はいくつかありますが、
BTOのゲーミングPCに関わる会社は2つです。
一つがNVidia社もう一つがAMD社です。
AMD社はCPUも製造していますね。
現状ミドルクラス以下のグラフィックボードを攻めており、また独自アップスケーリング技術のXeSSもリリース。
とはいえ今のところはNVidiとAMDのほうが圧倒的優位にたっています。
グラフィックボード名には一定のルールがあり、その名前から性能を見分けることが可能です。
「GeForce」シリーズを展開するNVidia社
ゲーミングPCでは最も主流になっているのがNVidia社が提供する「GeForce」シリーズです。
「GeForce RTX 4060」「GeForce RTX 4080」のような名前で展開されています。
「Quadro」というシリーズもありますが、こちらはCADや動画レンダリングなど業務用のクリエイター向けの製品です。
「GeForce」も「Quadro」もゲームもクリエイティブ作業もできますが、
ゲーミングPCを選ぶのであれば「GeForce」からということになります。
「Radeon」シリーズを展開するAMD社
AMD社はRadeonという冠にてグラフィックボードを提供しています。
「Radeon RX 7900 XT」「Radeon RX 7600」のような名前です。
NVidia GeForce性能の見方
NVidiaではゲーミングPC向けであるGeForceの見方をまとめていきます。
シリーズ名
グラフィックボードの型番の最初のアルファベット単語はシリーズ名を表しています。
「RTX」とか「GTX」といった言葉になっており、
この種類で性能・機能が大別されます。
※横スクロールできます
シリーズ名 | 性能・機能 | 代表的なGPU |
---|---|---|
RTX 4000シリーズ | 最新シリーズ。RTX 3000以下と違う点は、 DLSS3というアップスケーリング技術を利用できること。 対応しているゲームでは基本DLSS2よりもさらにフレームレートが向上する | RTX 4090、RTX4070 SUPER、RTX 4060など |
RTX 3000/2000シリーズ | 機械学習とレイトレーシング用コアを搭載したシリーズ。 DLSS2やレイトレーシングにも対応しているが、 RTX 4000シリーズ登場で、今後は市場から消えていく傾向 | RTX 3080、RTX 3060、RTX 3050など |
GTX | 一つ前のシリーズ。性能はRTXより下。 一部はレイトレーシング対応。 市場で見つけるのが大分難しくなってきた。 | GTX1660 SUPER、GTX 1650など |
GT | 一つ前のシリーズ。GTXより性能が下。 現在はほぼゲーミングPCには搭載されていない | GT1030、GT730 |
上記以外にもシリーズ名はありますが、
現在のゲーミングPCでは「RTX」と「GTX」の2つ覚えておけば十分。
RTX系のほうが最新で高性能となっており、徐々にRTXだけになってきています。
特に最新シリーズであるRTX 4000番台へどんどん主流に変わっています。
世代
4桁の数字の最初の1もしくは2桁はグラフィックボードの世代を表しています。
例えば「RTX 4070」ならRTXの第4世代、「RTX3080」なら「3」でRTXの第3世代、
「RTX2080」なら「2」でRTXの第2世代、「GTX 1080」ならGTXの第10世代となります。
RTXとGTXでは世代カウントが分かれていることに注意。
またGTX 16○○は第11世代ですがなぜか10から16に飛んでいます。
とはいえGTX系はもうGTX16○○シリーズがほとんどなので、これだけ覚えれば十分です。
世代が進むほど高性能となります。
グレード
4桁の数字の最後の2桁はグラフィックボードのグレードを表しています。
数字が高くなるほど高性能なことを意味しています。
例えば「RTX 4080」と「RTX 4070」なら「RTX 4080」のほうが高性能、
「GTX 1660」と「GTX 1650」なら「GTX 1660」のほうが高性能となります。
10単位ずつ増えていきます。
※横スクロールできます
グレード名 | 立ち位置 | 代表的なGPU |
---|---|---|
90 | 最上位で最も高性能 | RTX 4090、RTX 3090 Ti |
80 | ハイクラス向け | RTX 4080 SUPER、RTX 3080 Ti |
70 | ハイクラス入門 | RTX 4070 Ti SUPER、RTX 4070 SUPER |
60 | ミドルクラス | RTX 4060 Ti、RTX 4060、 RTX 3060 |
50 | エントリークラス | RTX 3050 |
現在ゲーミングPC用としては「90」が最高グレードで、「50」が最下位グレードとなります。
ランク、カテゴリー
「Ti」や「SUPER」など最後につくアルファベットはランクやカテゴリーのような意味で、
最近になって追加された型番です。
本来は前述の2桁の数字で表されるグレードだけでしたが、
さらに同グレードで性能の違う製品をより細分化するために追加されました。
※横スクロールできます
ランク | 性能 | 代表的なGPU |
---|---|---|
Ti | 同グレードで最も高性能 | RTX 4070 Ti、RTX 3080 Tiなど |
無印(アルファベット無し) | グレード標準版 | RTX 4080、RTX 4070など |
SUPER | 一部スペックをアップした特別版 無印より上でTiより下であることが多い | RTX2060 SUPER、GTX1660 SUPER |
Ti SUPER | RTX 4000シリーズから追加。 RTX 4000シリーズからはSUPERが付けば、無印orTiより性能が高い | RTX 4070 Ti SUPER |
このアルファベットは現在上記の3つだけ存在し、
RTX 3000シリーズまでは、およそ性能は「Ti」> 「SUPER」> 「アルファベット無し」と考えれば良いです。
ただRTX 4000シリーズからは基準が変わっており、
「Ti」にも無印にもパワーアップ版には「SUPER」が付くように。
なので単純にSUPERが付いている場合は、ついてないバージョンより性能が高いと覚えてください。
例 RTX 4070 Ti SUPER > RTX 4070 Ti、RTX 4070 SUPER > RTX 4070
AMD Radeon性能の見方
AMD社のゲーミングPC向けであるRadeonの見方をまとめていきます。
シリーズ名はRXだけでOK
Radeonも最初のアルファベットはシリーズ名を表していますが、
GeForceと違い、現在のゲーミングPC用主流は「RX」だけです。
世代
最初の2桁の数字、もしくは1桁目の数字は世代を合わしています。
少しややこしいのは、世代の数字は綺麗にそろっておらず、
4桁の数字がより最新世代、3桁で構成されている場合は旧世代となります。
例えば「RX 5800」と「RX580」は同じ「5」ですが、
「RX 5800」は数字が4桁、「RX580」は数字が3桁ですので「RX 5800」が最新です。
ただ現在BTOで使われているRadeonは数字4桁だけなので、
あまり気にする必要はありません。
グレード
数字後半の2桁、もしくは3桁はグレードのような意味で、
数字が高くなるほど高性能という意味になります。GeForceと同じです。
現在のBTOでは数字4桁のRadeonが主流ですから、最後の数字3桁だけみればOKです。
※横スクロールできます
グレード名 | 立ち位置 | 代表的なGPU |
---|---|---|
900 | 最上位で最も高性能 | RX 7900 XTX、RX 7900 XT |
800 | ハイクラス向け | RX 7800 XT、RX 6800 XT |
700 | ハイクラス入門 | RX 7700 XT、RX 6700 XT |
600 | ミドルクラス | RX 7600 XT、RX 7600 |
500 | エントリークラス | RX 6500 XT |
ランク、カテゴリー
最後のアルファベットはランクやカテゴリーのような意味で、
同じグレードでもより性能を細分化するために設けられています。
この点はGeForceとおなじです。
ただRadeonは「XT」だけ覚えれば良く、
「XT」のほうがアルファベット無しより高性能となります。
例外として最高クラスであるRTX 7900だけXTのさらに上XTXが存在しています。
DLSSやFSR、レイトレーシングについて
GeForceとRadeonの性能の見分け方について述べてきましたが、
グラフィックボードには単純なグラフィック処理性能だけでなく、
機能にも様々な違いがあります。
その中でも特にゲームのフレームレートや解像度の高さ、画質の良さに影響するのが、
DLSSとFSR、そしてレイトレーシングです。
DLSS/FSR/XeSS
名前や細かな技術仕様は違うものの、基本的にはアップスケーリング技術の一種で、
要は機能を利用するとさらにフレームレートが向上したり、解像度・画質をあげてもフレームレートを維持できるようになります。
そのため解像度・画質・フレームレートのいずれか、またはすべてにこだわりたい場合は重要な要素。
利用するにはゲーム側が対応している必要がありますが、昨今のPCゲームではかなりの確率で対応しており、
特に意識しなくても「あ、利用できるじゃん」って感じまで普及しています。
結果は同じでも画質の見え方には違いがあり、基本DLSSのほうがFSRやXeSSよりは綺麗に描画して見えますが、
GeForce RTX系でしかDLSSが利用できない難点があります。
逆にFSRやXeSSは一定条件を満たせばNVidiaでもAMDでもIntel Arcでも利用できます。
前述の高負荷であるレイトレはFPS低下が大きいですが、このDLSSと組み合わせることでFPSをある程度確保できます。
利用にはソフト側の対応が必要で、昨今だとフォートナイトやモンハンなどが対応しています。
利用できるのはRTX2000/3000/4000シリーズのみです。
なお新しくDLSS3が登場し、こちらはCPU負荷を最小で飛躍的に高フレームレートを出すことが可能。RTX 4000のみ対応
主なDLSS対応ゲーム一覧(Nvidia公式サイト)
低解像度にして負荷を下げる代わりにのアップスケーリングで解像度の劣化を防ぎ、結果として高FPS値を実現する。
こちらもソフト側の対応が必要です。GeForce、Radeonの両方で利用可能。
DLSS3に対抗したFSR3がリリーズ。技術仕様は違うが同じくフレーム補完をしてレート向上を図る
主なFSR対応ゲーム一覧(AMD公式サイト)
DLSS3/FSR3
DLSSおよびFSRをさらにパワーアップしたアップスケーリング技術。
技術仕様の違いはあるものの、両者ともフレーム補完をおこなうことでさらにフレームレートが向上を狙う技術です。
DLSS3はRTX 4000シリーズしか利用できないのに対し、FSR3は条件を満たせばどのグラボも利用できるのが強み。
両者ともやはりゲーム側の対応が必要ですが、すこしずつ対応ゲームは増えています。
技術的にはFSR3のほうが描画綺麗に見え、DLSS3のほうがフレームレートが出るとされていますが、
実際のゲームを見てみると、正直その通りではないケースも。
いずれにしてもこの機能を利用できるグラボのほうが、今後も長く活躍できます。
レイトレーシングとは
簡単に言えばより綺麗に描画できるようになるのがレイトレーシングです。
特に高解像度や高画質でゲームをプレイしたい人には親和性の高い機能と言えます。
ただしグラフィックボードへの負荷が高くなるため、フレームレートは落ちます。
なので前述のDLSSやFSRと一緒に利用するか、
TPS/FPSゲームでフレームレート重視のプレイヤーは利用しないことが多いです。
レイトレーシングもゲーム側の対応が必要です。
ただしゲーム側が対応、および高負荷である点に留意。
昨今ではフォートナイトやCODなど人気タイトルもレイトレ対応となってきています。
利用するにはGTX16シリーズ一部/RTX2000/3000/4000シリーズ、RX 6000/7000シリーズではDirectX 12 Ultimate機能でレイトレができます。
ゲームによって違う負荷
PS5やNintendo Switchなど家庭用ゲームだと意識しませんが、
PCゲームはゲームによってグラフィックボードへの負荷全然違い、
そのゲームが必要なグラフィックボードの性能目安を、
「最低スペック」とか「推奨スペック」などで確認することができます。
PCゲームには基本的に示されていますが、正直わかり難い部分も多く、
さらに実際どのくらいのフレームレートで遊べるのか、
どのくらいの解像度や画質で遊べるかを正確に測ることはできません。
そのためグラフィックボードの性能レビューを参考にしたり、
目的のゲームでフレームレートを計測している情報を探すしかありません。
当サイトでもグラフィックボードを色々なゲームで検証しており、
一つの参考になるかと思います。
またBTOゲーミングPCに対しても人気ゲームのフレームレート目安を示していますので、
参考にしてください。
BTOメーカーはどこも同じグラフィックボード
NVidia社の「GeForce」、AMD社の「Radeon」がゲーミングPCで使われるグラフィックボードで、
BTO各社ごとのCPUは存在していません。
そのためこの2種類の性能が見分けられれば、どのBTOパソコンのグラフィック性能も推し量ることが可能です。
ではどのBTOゲーミングPCが良いのか?は、
同じグラフィックボードやスペックで比較したときの価格、BTOの知名度・サポート体制、デザインなどで、
判断していくことになります。
各社の特徴とおすすめなBTOパソコンについても解説していますので、
気になる方はそちらを参考にしてください。