Ryzen5 3400Gをベンチマーク!2400Gとの差はあるのか? | こまたろPC
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Ryzen5 3400Gをベンチマーク!2400Gとの差はあるのか?

こんにちわ!こまたろです( ゚Д゚)

第3世代Ryzenは進化が凄まじく人気沸騰ですが、

同様に安定した人気なのがVegaグラフィックとセットになったAPUである、

RyzenGシリーズです。

新しくRyzen PROシリーズがリリースされ、

今回検証するRyzen5 3400Gは旧世代となりましたが、

相対的に安くなっているため、性能によっては選択肢となりえます。

ということで色々とベンチマークしてみました!

なおさらに旧世代のRyzen5 2400Gの検証はこちらをご参照ください。

Ryzen5 2400Gをベンチマーク!グラボ無しでどこまでゲームはできる?
Ryzen5 3400Gのポイント
  • どこまでゲームができる?グラフィック性能は?
  • 前世代の2400Gとの違いは?
  • OC耐性こそが魅力?

Ryzen5 3400Gとは?

ノーパソで既にあったコードネームPicassoで開発され、

話題の第3世代RyzenのZen2アーキテクチャではなく、

第2世代Ryzenと同じ、Zen+になります。

なので第3世代Ryzenのような目新しさはなく、思ったほど違いがありません。

※横スクロールできます

CPU/APU Ryzen™ 5 PRO 4650G Ryzen™ 5 3400G Ryzen™ 5 2400G Ryzen™ 3 PRO 4350G Ryzen™ 3 3200G Athlon 3000G Athlon™ 200GE
世代 最新 1世代前世代 2世代前 最新 1世代前 2世代前 2世代前
コア数 6 4 4 4 4 2 2
スレッド数 12 8 8 8 4 4 4
ベース周波数 3.7GHz 3.7GHz 3.6GHz 3.8GHz 3.6GHz 3.5GHz 3.2GHz
ターボ・ブースト 4.2GHz 4.2GHz 3.9GHz 4.0GHz 4.0GHz なし なし
(L3)キャッシュ 8MB 4MB 4MB 4MB 4MB 4MB 4MB
最大メモリー速度対応 DDR4-3200 DDR4-2933 DDR4-2933 DDR4-3200 DDR4-2933 DDR4-2666 DDR4-2666
内蔵グラフィック Radeon Graphics 7 Radeon™ Vega11 Graphics(11CU) Radeon™ Vega11 Graphics(11CU) Radeon Graphics 6 Radeon™ Vega 8 Graphics(8CU) Radeon™ Vega 3 Graphics(3CU) Radeon™ Vega 3 Graphics(3CU)
グラフィック周波数 1900 MHz 1400 MHz 1250 MHz 1700 MHz 1250 MHz 1100 MHz 1000 MHz
TDP 65W 65W 65W 65W 65W 35W 35W
小売り価格 34,000円 19,977円 ほぼ取り扱い無し 23,000円 12,574円 7,237円 5,250円

違うのはまずCPUの周波数、ベース・ブーストそれぞれが向上しています。

また3400Gだけですが自動オーバークロック機能「Precision Boost Overdrive」に対応しています。

加えて付属のオリジナルファンも、「Wraith Stealth」よりも強い「Wraith Spire」に変化しています。

3400Gはソルダリング仕様に
加えてCPUの冷却性能をあげるためソルダリング仕様になっています。
そのため前世代よりもトータルで冷却力が強く、特にOCをする場合に力を発揮します。

 

内蔵グラフィックのCUは増加がないものの駆動周波数を向上させています。

ただこの変化がどれほど実際の性能差に出てくるかはわかりません。

なおZen2アーキテクチャになった最新のPROシリーズが発売されました。

Ryzen 5 PRO 4650Gの性能は?ゲーム・動画編集は?Ryzen 3 PRO 4350Gの性能は?ゲーム・動画編集は?

Ryzen5 3400Gをベンチマーク!実力は?

ということで、いよいよベンチマークしていきます。

こちらがRyzen5 3400G。

見た目はほぼ前世代と変わりません。

CINEBENCH R15

まずは基本のCINEBENCHです。

下位のAthlon 200GEやRyzen3 2200G、intel性能も比較のため掲載します。

※横スクロールできます

CPU/APU Ryzen™ 5 3600 Ryzen™ 5 PRO 4650G Ryzen™ 5 3400G(boost ON) Ryzen™ 5 3400G Ryzen™ 3 PRO 4350G Ryzen™ 5 2400G Athlon™ 200GE
CPU(Multi) 1561 1530 838 800 992 768 355
CPU(Single) 194 192 159 149 181 143 125
OpenGL fps 比較対象外 71.41 68.75 66.93 67.48 64.66 35.61

個人的には思ったよりは差がでたなという印象。

シングル、マルチともに順当に2400Gと比べればかなり進化しています。

ただし新PROシリーズと比べるとかなり劣っている感は否めません。

コアスレッド数が同じであるRyzen3 PRO 4350Gにも差が付けられています。

アーキテクチャの問題もありますし、これは仕方ないでしょう。

 

ですがOpenGLでは少し勝っていますから、

グラフィック性能はPROと比べても大差ないかもしれません。

FireStrike

続いてFireStrikeです。

Ryzen5 3400Gが思ったよりも健闘しているのと感じます。

CPU性能を表すPhysicsスコアでは、Ryzen PROシリーズに負けているものの、

グラフィック性能であるGraphicsスコアでは、Ryzen5 PRO 4650Gにも大差なく、

結果的にトータルスコアもRyzen3 PRO 4350Gに勝っています。

Night Raid

続いてはDirectX12ベースでも見てみます。

こちらに関してはトータルでRyzen3 PRO 4350Gに若干、

Ryzen5 PRO 4650Gには19%ほど負けている結果となりました。

このあたりはアーキテクチャの違いが出たかもしれませんね。

とはいえCPUスコアで大きく差が開いたわけで、

グラフィック性能スコアはやはり大差がありません。

PC Mark10

次に日常的なPCの快適さを測るべく、PC Mark10を比較します。

本記事はゲーミングPC性能を中心に検証していますが、

CINEベンチ結果からみても、3400GはCPU性能が結構向上していましたので、

ゲーム以外の快適性も向上しているものと思われます。

約4%ほどですが、一応すべての項目でRyzen5 2400Gより向上しています。

しかし、Ryzen PROシリーズと比べると、

格下のRyzen3 PRO 4350Gにも22%ほど負けてしまっていますから、

CPU性能の違いがモロに出た結果でしょう。

ゲーム以外の快適性を突き詰めるのであれば、やはり新しいPROシリーズに分がありそうです。

消費電力について

参考までに消費電力もみておきましょう。

FFベンチマークを完走した際の、CPU電圧です。

※横スクロールできます

CPU/APU Core i9 10900K Core i5 10400 Core i5 9400F Core i3 10100 Ryzen9 5900X Ryzen7 3700X Ryzen5 5600X Ryzen5 3600 Ryzen5 3500 Ryzen3 3300X Ryzen3 3100 Ryzen5 1600AF Ryzen5 PRO 4650G Ryzen3 PRO 4350G Ryzen5 3400G
最小電力(W) 7.901 5.794 5.146 7.468 41.391 25.485 32.132 19.568 18.159 17.335 18.933 12.473 6.338 5.651 2.457
最大電力(W) 113.383 46.345 70.674 35.184 110.59 51.801 64.014 76.372 53.985 49.354 43.293 45.307 33.069 28.050 36.097
平均電力(W) 67.585 17.809 29.204 18.969 97.681 44.282 53.115 43.372 42.214 39.919 32.128 36.822 27.328 21.962 17.770

アイドリング時の電圧の低さはRyzen5 3400Gがピカイチですね!

Ryzen PRO シリーズの消費電力もかなり低いですが、

平均値ではRyzen5 3400Gのほうが省電力です。

長期間PCをつけっぱなしに~とかいう用途なら3400Gは最適ということになります。

フォートナイト

ライトなバトロワゲームといえばこのゲームでしょう。

このゲームでは解像度変更の自由度が高いので、画質を気にしないのであれば低スペックでもわりと遊べます。

ただフルHDの場合はどうでしょうか?

描写のアップデートもあり、Ryzen5 3400Gでも低画質170fpsが出るようになっています。

以前は80fps台でしたので、ゲーム側の最適化がかなり進んだといえます。

ただしこれはあくまで平均値で、

グラフィック性能を目いっぱい使っているからか、

カクつく場合も見られました。

本当にたまにではありますが、こういった対戦型FPS/TPSゲームでは気になるところです。

安定性を考慮するなら60fps固定にして遊ぶくらいで考えたほうがおすすめ。

 

ただPROシリーズと比較してもFPS値にほとんど違いがなく、

価格を考えれば、Ryzen5 3400Gのコスパはかなり高いことになります。

Apex Legends

こちらも人気のバトロワゲームのApex Legendsです。

バトロワとしては要求スペックはかなり高めです。

テクスチャが最大だとVRAMを8GBも要求するゲームなので、ハイクオリティでやるならハイエンドグラボが必須。

そして結果的にフルHDの場合、最低の画質設定でも60fps安定確保は難しかったです。

また爆発描写や激しい描写のときは、著しくfpsが低下するので、

快適に遊ぶのは難しそうです。

ただしこのゲームでは解像度を調整することでFPSを固定にする機能がありますので、

画質にこだわらなければ、問題なく遊ぶことができました。

 

ここでもやはりRyzen PROシリーズとは大差ありませんね。

ゲーム性能だけみれば、Ryzen5 3400Gでも十分かもしれません。

モンスターハンターワールド

言わずとしれた名作、モンハンの最新作です。

フルHDの場合は、

低画質にしても30fpsを下回り、遊ぶことは難しかったです。

特にグラフィックメモリが4GB必要なのですが、

3400Gには2GBしかないため、メモリ不足になっていることも大きい。

VALORANT

こちらも話題のゲームです。

5vs5の対戦FPSになります。

かなり軽いゲームに相当し、大抵のグラボで余裕で遊ぶことができます。

(本データはGPU別のFPS値となっています)

さすがに軽いだけあって、高画質でも80fps付近と十分快適に遊べました。

残念ながら低画質144fps越えとまではいきませんでしたが、

75Hzモニターくらいであれば利用できそうです。

やはりRyzen PROシリーズとは差がありません。

SATISFACTORY

さらに最近人気の惑星開拓ゲーム、サティスファクトリーです。

スペックとしては中程度という感じです。

60fpsを安定して超えるのは難しかったです。

とはいえまだアーリーアクセス版なので今後改善されそうな予感があるのと、

ゲームがもっさりして遊べない!ということはなかったので、

30fps越えとして割り切れば余裕でゲームができました。

やはりPROシリーズとは差があまりありません。

3400Gの進化はOCにあり!?

全体を通して確かに向上はしているものの、大幅な性能向上はやはり見られないなあという印象。

Vega11のCU数が増えない限りは、多少のベースクロックアップでは影響が少ないということでしょう。

 

ただし、3400Gの変更点は、ソルダリング仕様とwraith spireへの純正クーラーアップグレードによる

冷却性能にあります。

下記は定格運用時の3400G/2400Gにおいて、OCCTのソフトを用いてCPUに100%負荷をかけ、

そのときの温度をみたものです。


↑3400Gの定格運用での温度

↑2400Gの定格運用での温度

3400Gは2400Gよりも最大で17℃ほど低い結果となっています。

動画のほうで検証していますが、概ねソルダリングの効果よりも、

wraith spireの効果がデカいとおもいますが、何にせよ冷却性能がアップしています。

そしてここでポイントになるのがAMDの自動OC機能です。

AMDでは自動OC機能は主に3つあります。

  • Presision boost(1or2)
  • XFR1or2(Extended Frequency Range)
  • Precision boost overdrive

3400G/2400GともにPresision boost2に対応していますが、

この自動PCは熱と消費電力をトリガーとしてOCします。

つまりCPU温度が低いほどOCしやすくなるわけです。

実際Presision boostを作動させると、


↑3400GのPresision boost

↑2400GのPresision boost

2400Gは3650~3700MHzと+100MHz程度であるのに対して、

3400Gは4000MHzと+300MHzもOCできています。

デフォルト構成でPresision boost2の力を引き出すなら3400Gというわけです。

 

ただ結局ゲーム性能で良い影響があるかというと、うーん・・・という感じ。

CINEベンチではboost on時ではスコアが伸びていますが、

ゲーム実測のFPS、また各種PC操作のPC Mark10においても大して差がありません。

やはりCPUのクロック数があがったところで、Vegaグラフィックがパワーアップしないと厳しいということでしょう。

 

またYoutube動画で検証していますが、

別途CPUクーラーを用意した場合の伸びしろは2400Gのほうが上です。

もし2400Gからの買い替えを考えるのであれば、

冷却性能が高いCPUクーラーに変えると、性能アップのお得感があります。

動画編集・ゲーム配信性能はどうか?

最新のCPUですと、コアスレッド数のインフレが起きているので、

下位CPUでもある程度動画編集やゲーム配信がこなせるようになってきました。

Ryzen5 3400GもZen+とはいえ4コア8スレッドありますので、

どこまで快適にこなすことができるか気になるところです。

動画編集速度

編集速度について
使うソフト、動画素材、動画時間、加工方法、エンコード方法などによって、編集時間というのはかなり違ってくるため、
あくまで参考の参考ぐらいの気持ちでみてください。

今回は有名な編集ソフト「Adobe Premiere Pro 2020」で計測します。

動画の長さは15分60fps、フルHDにてH.264/365の4パターンを計測。

またGPUと負荷分散するハードウェアエンコードでも計測しました。

グラボはもちろん利用していません。

動画のクオリティについては、私のYoutubeチャンネルくらいと考えてください。

うーん、、、正直快適とはいえない結果です。

おなじZen+アーキテクチャのRyzen5 1600Fにも15分以上差がでていますし、
(コアスレッド数の違いはあるものの)

ハードウェアエンコードでエンコード時間の短縮はみられますが、

焼け石に水って感じです。

Adobeの最適化の問題もあるかもしれませんが、

PROシリーズも今回はあまり良い結果が出ていなかったので、

ソフトによってはパフォーマンスは期待できないといえます。

ゲーム配信能力は?

ゲーム配信もコアスレッド数がものを言う領域です。

今回は比較的軽いゲームであるSATSIFACTORYにて実際にYoutube配信してみました。

OBSを利用し、フルHD60fps/最低画質/4500 kbps/ソフトウェアエンコード設定です。

ハードウェアエンコードではカクついてまともに配信できませんでした。

おそらくグラボはゲームで手一杯ということでしょう。

 

実際の配信動画です。

配信自体は全く問題なくできました。

FPS値自体はグラフィック性能の関係もあり、30~50fps後半といったところですが、

カクつくこともなく、快適に配信することができます。

動画では録画無しですが、

録画ありの状態でも変わらず快調でした。

Ryzen PROシリーズと比べると、

さすがにコアスレッド数が多いRyzen5 PRO 4650Gのほうが良かったですが、

Ryzen3 PRO 4350Gと同等という感じで、

CPU性能差あれど、グラフィック性能差があまりないために、

PROと比べてもゲーム配信のパフォーマンスにそこまで違いがないなと思います。

Ryzen5 3400Gはどんな人におすすめか?

ここがメリット
  • PROシリーズと比べて価格が安く、ゲームのコスパが高い
  • 低電圧で超小型PCや長時間電源ONとかに向いている
  • ゲームを選べばある程度ゲーム配信もできる
デメリット
  • Zen+なので、今後の正式サポートは期待できない
  • VRAMが少ないので、今後のゲームでは厳しくなりそう

ゲーミングPCという観点だけでみるのであれば、

価格が高いRyzen PROシリーズよりもコスパが良くおすすめできます。

またCPU性能では劣っているものの、普段使いでも問題なく快適に利用できるので、

オフィス利用や、ゲーム以外の用途でも十分コスパ高いです。

どちらかといえばゲーム用途は+αぐらいで考えたほうが良いでしょう。

安定してゲームをやりたいのであれば、やはりグラボ搭載が良いと思います。

 

またコスパは良いのですが、Zen+アーキテクチャはすでに現行を終えており、

新マザボである500番台シリーズでも基本的には正式サポートしていません。
(メーカー努力で対応することもありますが、イレギュラーです)

今後の第4世代Ryzen(Zen3)への交換の拡張性や、

基本的に古いCPUはソフト側のアップデートで、

新CPUとの差が開く傾向にあるので、

割り切って考え、拡張性はいらないので、

安く普段使い+αでゲーム用途と組みたい!ということならおすすめできます。

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