こんにちわ!こまたろです( ゚Д゚)!!
ちまたではRTX 5000シリーズの話題でもちきりですが、Intelからこそっと(?)登場したArc B580についてレビューしていきます!
目次
Arc B580のスペックは?
※横スクロールできます
GPU | Arc B580 | Arc B570 | RTX 4060 | RTX 4060 Ti | |
---|---|---|---|---|---|
世代 | 最新 | 最新 | 旧世代 | 旧世代 | |
ベースクロック | 2670 MHz | 2500 MHz | 1830 MHz | 2310 MHz | |
ブーストクロック | 2850 MHz | 2750 MHz | 2460 MHz | 2540 MHz | |
メモリスピード | 19.0 Gbps | 19.0 Gbps | 17.0 Gbps | 18.0 Gbps | |
メモリ量 | GDDR6 12GB | GDDR6 10GB | GDDR6 8GB | GDDR6 8/16GB | |
メモリバス帯域幅 | 456 GB/s | 380 GB/s | 272 GB/s | 288 GB/s | |
TDP | 190W | 150W | 115W | 160/165W | |
電源コネクタ | 8Pin×1より | 8Pin×1より | 8Pin×1より | 8pin × 1 12VHPWR ×1 |
Arc B580はIntelの初グラフィックボードであるArc Aシリーズの後継。つまり2世代目のグラボになります。
Arc B570もリリースされていますが、注目されているのはB580。
ミドルスペックのグラフィックボードでライバルはRTX 4060となっており、性能が上というアピールになっています。
確かにスペックを比較すると、ベースもブーストクロックも、メモリ周りのスペックもすべてRTX 4060より上で、
どちらかというとRTX 4060 Tiに近しい気がします。
Arc シリーズのデメリットはNVidiaのDLSSが利用できない点ですが、
代わりにAMDのFSRやIntel独自のXeSSアップスケーリングを利用することはできます。
今回使用したArc B580
今回利用したのはASRock STEEL LEGENDです。
Arc B580では少しだけ高めのグラフィックボードになります。
最近のSTEEL LEGENDはホワイト基調となっており、グラフィックボードも例外なくホワイト。
正直高級質感という感じはしなかったのですが、白色のゲーミングPCを組み立てるには良い色彩です。
比較的大型で3連ファンとなっているのでケースは選びますね。
出力はHDMIx1のDisplay Portx3で一般的。
B580のリファレンスモデルは電源は8pinひとつですが、こちらは2つ必要になっているので注意。
ゲーム性能検証
それではここから実際のゲームをつかって計測していきます。
- RTX 4060/4060 Tiとの性能差は?
- ゲームが止まったり、最適化不足のゲームはあったりするのか?
Arc B580がライバルとするRTX 4060との性能差はもちろんですが、何より安定してゲームができるのか?が一番気になるところ。
新進気鋭のグラフィックボードだとソフト側の最適化不足とかもあって安定しないこともあるので。。。
そういう意味でこまたろはArc Aは購入を見送ったのですが。
検証のCPUはゲーム性能では最強のRyzen 7 9800X3Dを利用します。
サイバーパンク2077
こちらもロングランヒットになっているサイバーパンク2077です。
今もなおグラフィック周りのアップデートはされており、
DLSS3やFSR3ほかIntel XeSSにも対応をすべてを網羅しています。
RTX 4060 | RTX 4060 Ti | Arc B580 | |
---|---|---|---|
フルHD低 | 193.54 | 238.91 | 182.95 |
フルHD ウルトラ | 135.69 | 153.71 | 139.30 |
フルHD レイトレウルトラ | 86.99 | 100.97 | 89.37 |
WQHD低 | 146.94 | 173.68 | 154.51 |
WQHD ウルトラ | 91.92 | 107.91 | 108.54 |
WQHD レイトレウルトラ | 56.60 | 72.21 | 67.60 |
4K最低 | 81.92 | 102.55 | 99.02 |
4K ウルトラ | 44.09 | 54.51 | 64.26 |
4K レイトレウルトラ | 33.21 | 40.96 | 39.35 |
まずはIntelのXeSSを利用した時の比較です。
やや例外ではあるものの、確かにRTX 4060を10fps前後は上回る結果をだしており、
設定によってはRTX 4060 Tiに肉薄、超えるケースも。
RTX 4060 | RTX 4060 Ti | Arc B580 | |
---|---|---|---|
フルHD低 | 309.80 | 361.45 | 313.64 |
フルHD ウルトラ | 211.32 | 256.09 | 232.47 |
フルHD レイトレウルトラ | 145.23 | 183.31 | 151.68 |
WQHD低 | 216.15 | 261.91 | 241.09 |
WQHD ウルトラ | 138.15 | 168.19 | 173.85 |
WQHD レイトレウルトラ | 91.07 | 127.62 | 109.27 |
4K低 | 111.24 | 140.16 | 135.55 |
4K ウルトラ | 63.45 | 78.62 | 91.55 |
4K レイトレウルトラ | 45.11 | 55.90 | 59.11 |
続いてはどのグラボでも使えるFSR3でも見ていきます。
こちらもXeSSと同様の傾向で、常にRTX 4060を5~20fpsは上回っており、時にはRTX 4060 Tiをも超えるフレームレートがでることも。
性能的にはかなりイイ感じで、もちろんエラーなどで止まることもありませんでした。
CoD:BO6
続いても人気のシリーズCall of DutyからBlack Ops 6です。
こちらも最新グラフィックにしっかり対応しており、DLSS3/FSR3/XeSSのいずれにも対応しています。
RTX 4060 | RTX 4060 Ti | Arc B580 | |
---|---|---|---|
フルHD最低 | 185 | 228 | 191 |
フルHD極 | 111 | 138 | 122 |
WQHD最低 | 144 | 174 | 154 |
WQHD極 | 98 | 112 | 102 |
4K最低 | 91 | 106 | 104 |
4K極 | 63 | 71 | 72 |
まずはXeSSから。
このゲームでもサイバーパンクと傾向はまったくおなじで、Arc B580が常にRTX 4060を最大10fpsほどは上回る結果に。
ただRTX 4060 Tiには先ほどよりもフレームレート差が大きくなっています。
次はFSR3。
基本的にはRTX 4060以上RTX 4060 Ti以下という結果ではあるのですが、
設定によってRTX 4060 Tiのフレームレートを上回る結果が出ることも。
メモリ量、メモリ帯域がRTX 4060 Tiより高いせいなのか?クロックが高いからか?
いずれにせよ時にはRTX 4060 Tiを超えることもある、かなり上々の結果です。
Black Myth:Wukong
続いては全世界で大ヒットした中国の初AAAタイトル「黒神話:悟空」です。
このゲームもグラフィック対応は進んでおり、DLSS3/FSR3/XeSSのすべてに対応しています。
RTX 4060 | RTX 4060 Ti | Arc B580 | |
---|---|---|---|
フルHD低 | 120 | 155 | 114 |
フルHD最高 | 35 | 47 | 34 |
WQHD低 | 104 | 121 | 94 |
WQHD最高 | 34 | 37 | 31 |
4K低 | 65 | 78 | 65 |
4K最高 | 25 | 29 | 24 |
まずはXeSSですが今までと傾向が違い、Arc B580のパフォーマンスがややよくありません。
RTX 4060に10fpsほど差をつけられて下回ることもあり、RTX 4060 Tiには大差で負けています。
RTX 4060 | RTX 4060 Ti | Arc B580 | |
---|---|---|---|
フルHD低 | 119 | 159 | 161 |
フルHD最高 | 34 | 46 | 59 |
WQHD低 | 109 | 126 | 130 |
WQHD最高 | 33 | 40 | 52 |
4K低 | 68 | 81 | 87 |
4K最高 | 25 | 30 | 40 |
ところがFSR3になると、また様相が変わってきてArc B580が最もフレームレートが出ている結果に。
RTX 4060 Tiに4~10fpsほどは上回る好成績となっています。
Intel自身が提供するXeSSでは負けて、AMDのFSR3では勝つという(汗)
ムラがある結果ですが、それでもArc B580はエラーもなく高い性能を発揮しているのは間違いないでしょう。
ヘルダイバー2
続いても人気のゲームであるヘルダイバー2です。
今までと違い、グラフィック周りは結構保守的でDLSS、FSR、XeSSのいずれにも対応していません。
RTX 4060 | RTX 4060 Ti | Arc B580 | |
---|---|---|---|
フルHD低 | 145 | 173 | 145 |
フルHDウルトラ | 73 | 87 | 76 |
WQHD低 | 71 | 122 | 102 |
WQHDウルトラ | 53 | 64 | 60 |
4K低 | 40 | 65 | 61 |
4Kウルトラ | 28 | 36 | 37 |
アップスケーリング技術は何も利用できませんが、Arc B580のフレームレートは上々で、
RTX 4060を上回り、RTX 4060 Tiには少しだけ下回る良い塩梅の結果です。
エラー落ちもなく安定しており、ここでもRTX 4060より性能が上であることを証明しています。
バルダーズゲート3
世界的に人気になっているバルダーズゲート3です。
最近のゲームとしてはグラフィック設定はシンプルで、DLSS2とFSR2のみ対応で、XeSSには対応していません。
RTX 4060 | RTX 4060 Ti | Arc B580 | |
---|---|---|---|
フルHD低 | 134 | 178 | 117 |
フルHDウルトラ | 103 | 132 | 90 |
WQHD低 | 109 | 145 | 102 |
WQHDウルトラ | 83 | 110 | 80 |
4K低 | 71 | 91 | 67 |
4Kウルトラ | 56 | 72 | 56 |
XeSSはなく、DLSSはArc B580には使えませんのでFSR2.2を使って計測します。
このゲームではArc B580がやや冴えない結果で、RTX 4060に最大で17fpsくらいは下回っています。
FSRだからというよりは黒神話:悟空のXeSSも結果はさえなかったので、
一部設定やゲームではArc B580のパフォーマンスが発揮できないことがあるようですね。
パルワールド
続いては色々と話題になったパルワールドです。
アーリーアクセス版で常にアップデートがありますが、グラフィック周りはやや保守的で、
FSR系やDLSS3、XeSSには対応していません。
RTX 4060 | RTX 4060 Ti | Arc B580 | |
---|---|---|---|
フルHD低 | 120 | 120 | 120 |
フルHD最高 | 98 | 117 | 75 |
WQHD低 | 120 | 120 | 120 |
WQHD最高 | 62 | 80 | 63 |
4K低 | 109 | 119 | 97 |
4K最高 | 34 | 42 | 33 |
Arc B580はDLSSが使えませんので、Unreal Engineが提供しているTSRアップスケーリングにて計測。
バルダーズゲート3と同様、このゲームではArc B580のパフォーマンスがさえません。
RTX 4060に最大10fps以上差をつけられることもあります。
しかもRTX系はDLSSが利用でき、そちらだとさらにフレームレートがアップしているので、
このゲームではArc B580の完敗といってよいでしょう。
PATH OF EXILE 2
続いては人気のハクスラで最新のゲームである「PATH OF EXILE 2」です。
アーリーアクセスで今後グラフィック周りのアップデートもおこるかとおもいますが、現在DLSS、FSR、XeSSのすべてに対応しています。
RTX 4060 | RTX 4060 Ti | Arc B580 | |
---|---|---|---|
フルHD低 | 128 | 142 | 118 |
フルHDウルトラ | 101 | 113 | 81 |
WQHD低 | 112 | 124 | 95 |
WQHDウルトラ | 78 | 90 | 64 |
4K低 | 92 | 101 | 74 |
4Kウルトラ | 52 | 61 | 38 |
まずはFSR利用時です。
このゲームでもArc B580はパフォーマンスがわるいです。
RTX 4060に最大20fpsは下回る設定もあり、惨敗と言ってよいでしょう。
アーリーアクセスに弱い傾向にあるのか?
RTX 4060 | RTX 4060 Ti | Arc B580 | |
---|---|---|---|
フルHD低 | 127 | 141 | 118 |
フルHDウルトラ | 101 | 114 | 86 |
WQHD低 | 111 | 120 | 96 |
WQHDウルトラ | 84 | 92 | 67 |
4K低 | 88 | 99 | 76 |
4Kウルトラ | 55 | 65 | 43 |
XeSSに関しても同様の傾向で、Arc B580はRTX 4060に下回る結果となっています。
FSRでも同様なのでXeSSの最適化不足っていうよりは、ゲームとの相性の問題という気もします。
いずれにせよArc B580のパフォーマンスを発揮できないゲームが結構ありますね。
Delta Force
続いても最新作のDelta Forceです。
バトルフィールド風、タルコフ風、ストーリーモードを用意するという意欲作で、
アーリーアクセスではありますが、DLSS、FSR、XeSSとすべてのアップスケーリングに対応しており、
グラフィック周りはしっかりしている印象です。
RTX 4060 | RTX 4060 Ti | Arc B580 | |
---|---|---|---|
フルHD低 | 323 | 392 | 280 |
フルHD最高 | 149 | 212 | 157 |
WQHD低 | 227 | 281 | 215 |
WQHD最高 | 108 | 113 | 124 |
4K低 | 122 | 158 | 131 |
4K最高 | 59 | 68 | 78 |
まずはFSR利用時です。
この設定では結果がバラバラですが、一部設定を除けばArc B580がRTX 4060をやや上回る結果となっています。
特に高解像度、高画質になるとRTX 4060とのフレームレートが開く傾向にあり、メモリの帯域幅が効いているのかもしれません。
RTX 4060 | RTX 4060 Ti | Arc B580 | |
---|---|---|---|
フルHD低 | 286 | 322 | 271 |
フルHD最高 | 145 | 196 | 152 |
WQHD低 | 201 | 234 | 196 |
WQHD最高 | 109 | 140 | 116 |
4K低 | 110 | 131 | 113 |
4K最高 | 63 | 78 | 71 |
続いてはXeSSです。
ここでもFSRと同様の傾向で、一部を除きArc B580がRTX 4060を上回る結果となっています。
とはいえフレームレート差が凄くあるわけでもないので、コスパ的には微妙かもしれません。
動画編集性能
続いては動画編集性能についても軽くみていこうとおもいます。
利用したのはAdobe Premiereです。
RTX 4060 | RTX 4060 Ti | Arc B580 | |
---|---|---|---|
H.264 フルHD高画質 | 7:12 | 6:11 | 7:41 |
H.264 4K高画質 | 40:21 | 36:22 | 20:26 |
H.265 フルHD | 6:49 | 6:21 | 6:51 |
H.265 4K | 38:36 | 40:48 | 20:10 |
H264およびH265モードでの結果です。
フルHDでは遅いのですが、特記すべきは4KでのArc B580の高速さ。
RTX 系に20分近く、約半分でエンコードを終える驚異のスピードでびっくりしました。
とはいえ今回はひとつのソフトウェアだけの編集結果なので、一概に編集に良いとは断定できませんが、
すくなくとも動画編集用途でも普通に使えそうです。
消費電力比較
最後に簡単ではありますが、FFベンチマークを利用したときの各グラボの消費電力比較です。
RTX 4060 | RTX 4060 Ti | Arc B580 | |
---|---|---|---|
最小消費電力 | 12.456 | 8.341 | 18.893 |
最大消費電力 | 118.654 | 146.230 | 134.274 |
平均消費電力 | 108.875 | 123.945 | 113.594 |
RTX 4060とRTX 4060 Tiの間を狙いすましたかのような丁度良い消費電力結果。
RTX 4060のゲーム性能より上であっても消費電力もあがっているのでワットパフォーマンスが優っているというわけではなく、
またゲームによって下回ることもあることを考えればArc B580のワットパフォーマンスはあと一歩という感じでしょうか。
Arc B580のベンチマーク総評
- ゲームによってRTX 4060/4060 Tiを超えることがある
- エラー落ちもなく十分ゲーミングPCとして利用できる
- XeSSがなくてもFSRが利用できれば利便性はそこまで落ちない
- ゲームによってパフォーマンスが落ちる
- XeSSを利用しても特にArcが強いとかはない
- コスパ、ワッパともにあと一歩か
今回初めてIntel Arcを利用しましたが、どのようなゲームでも安定しており問題なくゲーミングPCとして活躍できる性能を有していると感じました。
ただ確かにRTX 4060を超える性能は示せていたのですが、ゲームによっては下回ることもあり、
また消費電力もRTX 4060よりも高いですから、少々煮え切らない結果でもあるかなあというところ。
価格も高めなのであえてArc B580を買うかなあというのは正直なところです。
FSR/XeSS対応ゲームも増えてきていますが、DLSSも利用できるRTX系のほうがやはり魅力度は高いかも。
ただ第2世代で十分戦えるグラフィックボードをリリースしてきたのは好印象で、
第3世代はかなり期待できるかもしれません。