【電力↑↑】Ryzen 9 9950Xを性能レビュー！ベンチマーク比較

こんにちは！こまたろです( ﾟДﾟ)！

いよいよRyzen最新世代Zen5アーキテクチャ採用のRyzen 9000シリーズが発売されました。

今回はその中の最上位であるRyzen 9 9950Xについて性能をレビューしていきます。

Ryzen 9 9950Xの特徴とは？

現在日本で新品購入しやすいハイクラス帯のCPU一覧です。

前世代のRyzen 9 9950Xから比較すると、

とZen5アーキテクチャは大きい変更ですが、全体的に見ればそこまで凄い変化ではないのかなーという感じ。

今回もCCDx2の構成は変わらないので、やはり処理によってはRyzen 9の弱点であるCCDまたぎが発生し、

処理の遅延（レイテンシ）が発生する点は前世代と同じです。

そのため、CCDへの処理の割り振りの最適化がRyzen 9 9950Xのパフォーマンスを左右するので、

BIOSの最新バージョン更新およびAMDチップセットドライバーの最新版更新は必須です。

やり方はASCIIの加藤勝明氏の記事がわかりやすいかとおもいます。

またAMDがいうには定格は5600MHzのメモリとなっていますが、

パフォーマンスに最適なのは6000MHzだそうです。

が、それなら初めから定格6000MHzにしてほしいし、他のCPUも同じような話にしないと不公平感があるので、今回は5600MHzでテストしています。

こちらがRyzen 9 9950Xのパッケージ。

前々世代が丸、前世代が四角、そして今回は四角を補足したオレンジのアクセントに進化？しています。

サステナブルを意識してなのか、以前よりも厚さもなく全体的にシンプルになっている箱仕様です。

CPU本体は前世代と基本的には変わっていませんが、ややダイの部分が大きくなっているようにもみえます。

なお純正クーラーは付属していませんので、別途用意必要あり。

ベンチマークソフトで性能を見る

それではRyzen 9 9950Xの性能をチェックしていみましょう！

今回グラフィックボードは最新世代の最上位RTX 4090、メモリはDDR5の5600MHzを利用しています。

現時点ではRyzen 9000シリーズの最高峰であるRyzen 9 9950Xですから、

ライバルもIntelならCore i9 14900KF、AMDならゲーム性能トップクラスのRyzen 9 7950X3Dと、

最高クラスのCPUが比較対象。

特に3D V-cache系はゲーム性能が高いので、非3D V-cacheのRyzen 9 9950Xのパフォーマンスが気になります。

FireStrike

まずはDirectX 11ベースのゲーム性能を測れるFireStrikeです。

Ryzen 9 7950X3Dよりは約3.2％ほどと上回ることができていますが、

如何せんRyzen 7 7800X3DやRyzen 7 9700XのRyzen 7勢が凄いので霞んでしまいますね。。。

このベンチマークはCore i9 14900KFはさえないので圧勝しています。

4Kになるとほぼみんな横一線という感じなっていますが、ややCore i9 14900KFより下回る結果に。

今のところ最新世代すごいぜ！って感じはしませんね。

TimeSpy

続いてはDirectX 12ベースのゲーム性能を測るTime Spyです。

最近のゲームはDX12ベースで開発されていることが多いので、

どちらこといえばこちらのスコアのほうが重要です。

とにかくIntel勢がとにかく強い。

Ryzen 9 9950XはむしろFireStrikeより冴えない結果で、Ryzen 9 7950X3Dを下回っています。

ただ4Kになると様相が一気に変わって、なんとRyzen 9 9950Xがトップスコアに。

もちろんIntel勢も高いままですが、それより高く、さらにRyzen 9 7950X3Dより高いスコアでトップまで行くのは凄いですね。

4Kだと輝く感じ？

Apex Legends

ここからは実際のゲームでフレームレートを見ていきます。

まずはロングランヒット中のApex Legendsです。

このゲームはグラフィックボード性能の影響がかなり強いのと、

既にリリースから時間も経っており、ゲーム負荷はわりと低いほうのゲームとなっています。

そのためRTX 4090は性能が高すぎるので4Kのみ測定。

RTX 4090では違いが見えにくいゲームですが、それでも最高負荷の極み設定では違いが。

一番はCore i7 14700KFで次点がCore i7 14700FとIntel Core i7が強い。

Ryzen 9 9950XはCore i9 14900KFとRyzen 9 7950X3Dと同等のフレームレートなので、

悪くない結果ではあるのですが、最新世代という点を考えると物足りませんね。

フォートナイト

続いてもロングランヒット中の大人気ゲームです。

細かなグラフィック改善がおこなわれており、正式に対応したDX 12かつDLSSにて計測していきます。

このゲームでは解像度と画質設定によって優劣が変わる結果になっていますが、

フルHDやWQHDの低画質でRyzen 9 9950Xのフレームレートが高いです。

逆に4Kはあまりフレームレートが出ていない結果。うーん、さっきのベンチマークソフトと違います(笑)

まあ全体をみてもトップのフレームレートを出したのはフルHD低画質のみで、

そのほかは他のCPUより下回っていますので、ゲーム性能トップとはいえないです。

モンスターハンターサンブレイク

続いても人気のモンハンシリーズのサンブレイクです。 DLSSを利用して計測します。

このゲームは基本的にはIntel勢が強いゲームで、実際どの設定でもCore i7系のフレームレートが際立っています。

またコアスレッド数が多すぎるとフレームレートが出ない傾向もあって、

Ryzen 9 9950Xのフレームレートはかなり低いです。

最新世代の最上位ということを踏まえればかなり期待外れの結果といえます。

サイバーパンク2077

こちらもロングランヒットになっているサイバーパンク2077です。

DLSSやFSRなど色々な機能に対応しており、加えてRTX4000シリーズの真骨頂であるDLSS3にも対応しています。

比較的要求スペックが高いゲームであり、CPU性能も大切になってきます。

DLSSを利用した結果です。

Ryzen 9 9950XはCore i9 14900KFとは一進一退という感じで5～10fpsくらい上下するという感じ。

対してRyzen 7 7950X3Dよりは常に数fps下回っている状態で、やはりゲーム性能最強とはいえず。

続いてはRTX 4090の真骨頂であるDLSS3利用時も見ていきます。

DLSS3利用時は今までと傾向が少し変わり、高負荷になるほどRyzen 9 9950Xが強くなっています。

特に4K解像度になるとRyzen 9 7950X3DやCore i9 14900KFに10fps以上高いこともあるので、

ここはゲーム性能の高さを感じることができました。

ヘルダイバー2

続いては比較的新しいゲーム、TPS視点に生まれ変わったヘルダイバー2です。

このゲームはDLSSやFSRといったアップスケーリング技術は対応しておらず、わりとシンプルな描画設定です。

このゲームも画質と解像度によって結果はまちまちですが、

やはり4KになるとRyzen 9 9950Xのフレームレートの伸びは良い結果になっています。

ただ最強か？といわれるとIntel系が強く、また低負荷になるほどRyzen 7 7950X3Dのほうが、

圧倒的にフレームレートが高いので、煮え切らない結果です。

バルダーズゲート3

世界的に人気になっているバルダーズゲート3です。

最近のゲームとしてはグラフィック設定はシンプルですが、FSRとDLSSには対応しています。

今回はFSR2.2を利用して計測比較しています。

このゲームは傾向がはっきりしていて、Ryzen 7 7800X3DやRyzen 9 7950X3Dの3D V-cache組が圧倒的にフレームレートを出しています。

Ryzen 9 9950Xは対Core i9 14900KFは数fpsは上回ることが多いものの、

Ryzen 9 7950X3Dからは20～30fpsは下回るという完敗状態。

Black Myth:Wukong

続いては全世界で大ヒットしている中国のAAAタイトル「黒神話:悟空」です。

ソウルライク＋モンハンのようなゲームで、CoDシリーズ同様、最新アップスケーリング技術に対応した、描画にかなりこだわったゲームタイトルとなっています。

ただCPU性能というよりはグラフィックボード性能の影響を受けやすいゲームです。

ここではDLSS3およびFSR3時を計測していきます。

まずはDLSS3から。

そこまでCPUによるフレームレート差がでていないものの、

Core i9 14900KFとRyzen 9 7950X3Dがほぼ互角で、Ryzen 9 9950Xは常に下回る結果。

やはりゲーム性能が一歩およびません。

ただFSR3になると傾向が変わって、

今度はRyzen 9 7950X3Dのフレームレートの伸びは悪く、Ryzen 9 9950Xはほぼ上回ることが多くなっています。

ただCore i9 14900KFは変わらずで、やはり少しだけRyzen 9 9950Xは届きません。

悪くはないフレームレートですが最強とは言えないですね。

CoD:MW3

最後は人気のシリーズCall of DutyからModern Warfare 3です。

要求スペックも高く、数々のアップスケーリング技術にも対応しています。

こちらもDLSS3やFSR3を利用することができますので、そちらで計測していきます。

まずはDLSS3からですが、これは相当はっきりと傾向が出ており、

Ryzen勢が圧倒的に強いパフォーマンスを発揮。

Core i9 14900KFに対しては大きくフレームレートを上回っています。

ただRyzen 9 7950X3Dとは互角という感じで、どうしても突き抜けませんねえ。

FSR3ではどうかというと、

ここでも基本Ryzen勢の優位性は変化しませんが、

解像度と画質調整によってRyzenの中で優劣が変わる結果です。

ただバランス的にはRyzen 9 7950X3Dが安定してフレームレートが高いかなというところ。

Ryzen 9 9950Xはムラのあるフレームレートで、今一歩煮え切りません。

動画編集・3Dレンダリング性能はどうか？

続いてはクリエイティブ性能を見ていきましょう。

マルチタスク性能が高いIntelのほうが有利な印象ですが、はたして。

Blender

まずは3Dレンダリング性能を測るBlenderベンチマークから。

ここは予想通りの結果。3Dレンダリングはマルチタスク性能がものをいいますから、

コアスレッド数が多いCPUのスコアは高い。

そしてその中でもRyzen 9 9950Xのスコアは断トツトップ。

Ryzen 9 7950X3Dに対して13.8%という大幅アップで、ここは最新世代の強さと感じられましたね！

Adobe Premiere Pro

続いては動画編集性能として有名なソフトAdobe Premiereを利用してエンコードしてみます。

ハードウェアエンコードにはRTX 4090を利用、一般的なH264/265方式を使います。

まずはソフトウェアエンコードの結果ですが、

CCDが2つあり、処理によるCCDまたぎが発生しやすいと言われるエンコードでは、

Ryzen 9 7950X3Dは思ったより良い結果は出ていません。

ただRyzen 9 9950Xは最適化の影響もあるのか、中々の好成績でRyzen 7系よりも早い結果は残せています。

この点は最新世代の良さが見えますが、やはりIntel系がAdobeとは相性がよく、

Core i9 14900KFがさらに早いので最強とはなりません。

続いてはRTX 4090とのハードウェアエンコード。

ここではCCDまたぎが発生しデータ遅延が起こりやすいRyzen 9の弱点を賄えなかったか、

Ryzen 9 9950XもRyzen 9 7950X3Dと同様エンコード時間は長く、Core i9はもちろん、

Ryzen 7系よりも大分遅いです。

HandBrake

もうひとつ無料ソフトで有名なHandBrakeでもエンコード時間をみます。

4K動画をフルHDにエンコードする際の時間です。

このソフトではRyzen 9 9950Xが最も早い結果に。

Ryzen 9 7950X3DではわずかにCore i9より遅かったのですが、

Ryzen 9 9950Xはかなりの差をつけて早くなっています。

使う動画編集ソフトによってはRyzen 9 9950Xの強さが出るケースもあるようです。

ゲーム配信性能は？

続いてはゲーム配信もみていきましょう。

今回はメジャーなOBSを利用して実際のフレームレートをみていきます。

グラボはRTX 4090とよりリアルな構成としてRTX 4070 SUPERを、

ゲームは高負荷なサイバーパンク2077、平均フレームレートと1%のLowフレームレートをみていきます。

RTX 4090を利用し4K配信をした場合の結果です。

ゲーム性能が高いRyzen 9 7950X3Dですが、実はゲーム配信は結構弱点となっており、

高画質ではフレームレートの落ちが激しく安定した配信ができません。

ですがRyzen 9 9950Xは前世代よりも圧倒的に配信の安定性がアップしているようです。

フレームレートの落ちもすくなく上々の結果。

ただIntel系の配信安定性はさらにその上をいっており、

20～30fpsは高いフレームレートで安定できるので、配信性能最強とまでは言えません。

全般性能もチェック

ベンチマークソフトにはなりますが、一般的な性能も比較しておきましょう。

使うのはPCMark10です。一般性能、オフィスユース、クリエイティブ性能をみることができます。

全体的にRyzen 9 9950Xが高いスコアになっており、アプリ起動やビデオチャット、WEBブラウジング、

オフィスソフトの快適性はいずれもIntelやRyzen 7 7950X3Dよりも高い結果になっています。

消費電力はどうか？

さてここまでゲーム・クリエイティブ性能を見てきましたが、

続いては消費電力です。

Ryzen 9000シリーズは全体的に省電力を意識した初期設定になっているのですが、

Ryzen 9 9950Xに関してはその限りではないです。

ゲーム時の消費電力

まずはゲームを想定したFFベンチマーク(RTX 4090利用)作動時の消費電力です。

参考までに360mm簡易水冷クーラーで冷却した場合の温度も掲載します。

一言、消費電力がヤバいです。

とにかく消費電力が高いと言われるCore i9 14900KFよりも高くて、

最大は2Wと程ですが平均では10Wも高め。

Ryzen 9 7950X3Dには最大10W、平均は40Ｗも高いのでこれはあまりよくありません。

360mm簡易水冷クーラーであれば十分冷やせるレベルではあるものの、

ワットパフォーマンスとしてはそこまで良いわけではなさそうです。

3Dレンダリング時の消費電力

次はクリエイティブ作業を模擬し、Blenderのベンチマーク時の消費電力です。

CPU性能をフル活用しやすい3Dレンダリングはゲームとは様相が変わってきて、

やはりCore i9 14900KFがRyzen 9 9950Xよりもかなり消費電力が高いです。

ただやはりRyzen 7 7950X3Dよりは最大で50W、平均は60Wも高いです。

総じてレンダリングもアップしていますので、ワットパフォーマンスが悪化ということではないですが、

取り扱いは難しそうです。

Ryzen 9 9950Xのベンチマーク総評

総合すると期待するほどの圧倒的な性能向上を感じることはなかったかなーと思います。

3Dレンダリング性能は前世代より圧倒的に進化したなと思いましたが、

ゲーム性能では絶対にCore i9やRyzen 7 7950X3Dを上回るという感じではなく、

たまにハマるゲームと設定で圧倒するという状態なので、ゲーム最強！という感じではなく。

またゲーム配信や動画編集などクリエイティブ用途もRyzen 7 7950X3Dよりパワーアップしていますが、

Core i9 14900KFのほうが上のことが多いので、やはりクリエイティブ最強ともいえません。

また一番気になるのは消費電力の高さで、Ryzen 9 7950X3Dから比べれば大幅に悪くなっており、

冷却および電源システムに対するコストは高くなるかと思います。

そのわりにパフォーマンスで圧倒しているというわけでもないため、微妙。

全体的にパフォーマンスが悪いわけではないのですが、最新世代としては期待外れかもしれません。

やはりみんなが待っているRyzen 9 9950X3Dの登場に期待してしまいます。

Ryzen 9 9950X搭載おすすめゲーミングPC

(セブン)ZEFT R59U

Ryzen 9000シリーズ最上位らしく、最強のグラボRTX 4090と組み合わせたゲーミングPCです。

今回のベンチマークでも明らかのように十分ハイレベルな性能になっており、

4Kでも高画質高フレームレートを安定して狙える性能。

さらにSEVENらしくそのほかのスペックも最強仕様で、ハイエンドケース、電源、マザーボード、簡易水冷クーラーはもちろん、

DDR5 6400MHzのOC仕様でRyzen 9 9950Xの性能を100%以上引き出す仕様なうえ、容量は64GBと高水準。
SSDもGen4 NVMe SSDを含む計4TBの業界最高水準と、最強オンパレード仕様です。

価格設定はもちろん高いですが、性能コスパを考えればむしろお得です。

(セブン)EFFA G06J

おなじくSEVENから一つ下の準最強グラボであるRTX 4080 SUPERと組み合わせたゲーミングPCです。

RTX 4090よりはゲーム性能は落ちますが、それでも4K高画質高フレームレートを狙える性能はもっており、

Ryzen 9 9950Xとのバランスも良いです。

ハイエンドケース、マザーボード、簡易水冷クーラーはもちろん、

やはりGen4 NVMe SSDを含む計4TBの業界最高水準とそのほかのスペックも高水準仕様。