こんにちは!こまたろです( ゚Д゚)!
Vega Graphicsが内蔵されたRyzen Gシリーズ。
ようやくZen2ベースのRyzen PROシリーズがリリースされましたね!
今回はPROシリーズのエントリーCPU、Ryzen3 PRO 4350Gをベンチマークしていました。
目次
Ryzen3 PRO 4350Gの特徴とは?
※横スクロールできます
CPU/APU | Ryzen™ 5 PRO 4650G | Ryzen™ 5 3400G | Ryzen™ 5 2400G | Ryzen™ 3 PRO 4350G | Ryzen™ 3 3200G | Athlon 3000G | Athlon™ 200GE |
---|---|---|---|---|---|---|---|
世代 | 最新 | 1世代前世代 | 2世代前 | 最新 | 1世代前 | 2世代前 | 2世代前 |
コア数 | 6 | 4 | 4 | 4 | 4 | 2 | 2 |
スレッド数 | 12 | 8 | 8 | 8 | 4 | 4 | 4 |
ベース周波数 | 3.7GHz | 3.7GHz | 3.6GHz | 3.8GHz | 3.6GHz | 3.5GHz | 3.2GHz |
ターボ・ブースト | 4.2GHz | 4.2GHz | 3.9GHz | 4.0GHz | 4.0GHz | なし | なし |
(L3)キャッシュ | 8MB | 4MB | 4MB | 4MB | 4MB | 4MB | 4MB |
最大メモリー速度対応 | DDR4-3200 | DDR4-2933 | DDR4-2933 | DDR4-3200 | DDR4-2933 | DDR4-2666 | DDR4-2666 |
内蔵グラフィック | Radeon Graphics 7 | Radeon™ Vega11 Graphics(11CU) | Radeon™ Vega11 Graphics(11CU) | Radeon Graphics 6 | Radeon™ Vega 8 Graphics(8CU) | Radeon™ Vega 3 Graphics(3CU) | Radeon™ Vega 3 Graphics(3CU) |
グラフィック周波数 | 1900 MHz | 1400 MHz | 1250 MHz | 1700 MHz | 1250 MHz | 1100 MHz | 1000 MHz |
TDP | 65W | 65W | 65W | 65W | 65W | 35W | 35W |
小売り価格 | 34,000円 | 19,977円 | ほぼ取り扱い無し | 23,000円 | 12,574円 | 7,237円 | 5,250円 |
特徴としては、
- 第3世代RyzenのZen2アーキテクチャ採用
- 前世代からスレッド数が倍に
- 現在のところバルク品(箱、クーラー付属なし)のみ
- 公式では対応チップセットは500番台
といったものがあげられます。
同シリーズではRyzen7 PRO 4750GとRyzen5 PRO 4650Gもリリースされています。
Ryzen 5 PRO 4650Gの性能は?ゲーム・動画編集は?7nmプロセスのZen2になったことで、
Ryzen3 3300X/3100のようにメモリは3200MHz、コアスレッドが同じになっています。
加えてRyzen3 3200Gに対してベースクロックが高くなっているのも嬉しいポイントです。
ただしL3キャッシュはRyzen3 3300X/3100の16MBに対して4MBと少ないのが気になるところ。
またRadeon Graphicsはグラフィックメモリが512MBしかないのも気になります。
なお現在PROシリーズはバルク品のみの販売となっており、
CPUクーラーは付属しません。
別途用意が必要なので、この点は注意が必要です。
ベンチマークソフトで性能を見る
それではRyzen3 PRO 4350Gの性能をみていきましょう。
主に前世代のRyzen5 3400Gと比べていきます。
まずは基本的なベンチマークを回していきます。
今回は内蔵グラフィックの力を見たいため、グラボは利用していません。
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CPU/APU | Ryzen™ 5 3600 | Ryzen™ 5 PRO 4650G | Ryzen™ 5 3400G(boost ON) | Ryzen™ 5 3400G | Ryzen™ 3 PRO 4350G | Ryzen™ 5 2400G | Athlon™ 200GE |
---|---|---|---|---|---|---|---|
CPU(Multi) | 1561 | 1530 | 838 | 800 | 992 | 768 | 355 |
CPU(Single) | 194 | 192 | 159 | 149 | 181 | 143 | 125 |
OpenGL fps | 比較対象外 | 71.41 | 68.75 | 66.93 | 67.48 | 64.66 | 35.61 |
まずはCINEベンチです。
同じ4コア8スレッドのRyzen5 3400Gに対して、
マルチスコアは18.4%、シングルは13.8%と、
やはりZen2アーキテクチャになったことは大きいですね!
価格は若干高くなっていますが、見合う性能アップはありそうです。
FireStrike
DirectX 11ベースの定番ベンチマークソフトから。
Ryzen5 3400Gに対してトータルで6.2%ダウンと、
ゲーミング性能としてはやや届かない結果となりました。
CPUスコアのPhysicsは10.6%差で勝っているものの、
GPUスコアのGraphicsは8.6%ダウンとなっており、
結果的にCPUとGPUの統合テストでも負けてします。
Night Raid
ではDirectX 12ベースではどうでしょうか?
こちらに関しては若干ながら、
Ryzen5 3400GよりRyzen3 PRO 4350Gが優秀な結果となりました。
グラフィックス性能は相変わらず負けていますが、差が5.6%となっており、
DirectX11ほどの差にはなっていません。
CPUスコアで差をつけて、トータルスコアでなんか勝利・・・という感じでしょうか。
PC Mark10
続いてはゲーム以外の性能も含めたベンチマーク、PC Mark10です。
Ryzen3 PRO 4350GはゲーミングPCというよりも、
オフィス利用、その他PC作業用がメインという構想のCPUですので、
本スコアは重要です。
こちらに関してはRyzen3 PRO 4350Gの優秀さがでましたね!
Ryzen5 3400Gに対して、全てのスコアで勝っておりトータルでは17%向上と大差です。
特にWEB閲覧、動画視聴、ビデオ会議、アプリ起動といった、
ゲーム以外の用途では大きく差がついており、CPU性能大幅な向上は間違いないでしょう。
消費電力について
参考までに消費電力もみておきましょう。
FFベンチマークを完走した際の、CPU電圧です。
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CPU/APU | Core i9 10900K | Core i5 10400 | Core i5 9400F | Core i3 10100 | Ryzen9 5900X | Ryzen7 3700X | Ryzen5 5600X | Ryzen5 3600 | Ryzen5 3500 | Ryzen3 3300X | Ryzen3 3100 | Ryzen5 1600AF | Ryzen5 PRO 4650G | Ryzen3 PRO 4350G | Ryzen5 3400G |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最小電力(W) | 7.901 | 5.794 | 5.146 | 7.468 | 41.391 | 25.485 | 32.132 | 19.568 | 18.159 | 17.335 | 18.933 | 12.473 | 6.338 | 5.651 | 2.457 |
最大電力(W) | 113.383 | 46.345 | 70.674 | 35.184 | 110.59 | 51.801 | 64.014 | 76.372 | 53.985 | 49.354 | 43.293 | 45.307 | 33.069 | 28.050 | 36.097 |
平均電力(W) | 67.585 | 17.809 | 29.204 | 18.969 | 97.681 | 44.282 | 53.115 | 43.372 | 42.214 | 39.919 | 32.128 | 36.822 | 27.328 | 21.962 | 17.770 |
従来の第3世代Ryzen(PROシリーズ以外)と比べると、
省電力は高い結果となっています。
アイドル、最高電圧、平均全てにおいて、
同コアスレッドのRyzen3 3300X/3100よりも低いです。
CPU性能を保ちつつこの省電力性はうれしいですね。
小型PCなどへの相性は抜群です。
本PROシリーズであるRenoirはノートPC向けも活況ですので、
その特性もしっかり組んでいるようです。
フォートナイト
ここからはゲームにて実測します。
まずは人気バトロワゲームのフォートナイトです。
フルHD、DirectX 11ベースでの比較です。
最大で8fpsほどRyzen5 3400Gに負けた結果となりました。
とはいえ、正直どんぶりの背比べというところでしょうか。
思ったほど上位のRyzen5 PRO 4650Gとの差もありませんし、
およそ60fps、120fps、144fps固定で遊べることに変わりないので、
価格を考えれば4350G悪くないです。
Apex Legends
もう一つ人気なバトロワゲームです。
こちらに関しては、Ryzen5 3400Gとの差が10fpsほどと、
少し差が開いた印象です。
もともとグラフィックメモリ利用も多いゲームなので、512MBしかないのがキツイと思っているのですが、
その影響なのかな。
VALORANT
こちらも話題のゲームです。
5vs5の対戦FPSになります。
かなり軽いゲームに相当し、大抵のグラボで余裕で遊ぶことができます。
(本データはGPU別のFPS値となっています)
このゲームではRyzen5 3400GおよびPRO 4650Gともあまり差がありませんでした。
2~4fps値は低いものの、この程度の差であれば問題ありません。
むしろ価格が安い分、コスパが高い結果となっています。
SATISFACTORY
続いては大人気惑星開拓ゲームのSATSIFACTORYです。
中程度の負荷となるゲームですが、
最低画質設定では比較的グラフィック性能が低めでも遊べます。
結果としては少しだけ差がついたものの、やはり差はかなり少ない結果となりました。
他のゲームでもそうですが、基本的にRyzen5 3400Gとの差はすくなく、
かつ上位のRyzen5 PRO 4350Gとの差も少ない結果となっており、
ゲーミングPCとしての能力では、大差がありません。
CPUを選び分けるとすれば、ゲーム以外での用途が重要になってくるでしょう。
動画編集・ゲーム配信性能はどうか?
ということでゲーム+αの用途として、動画編集およびゲーム配信をみていきます。
今まで、動画編集・ゲーム配信というと、
ハイクラスCPU+グラボというのが通常でしたが、
最近はミドルクラスCPUでも十分にできるようになってきました。
Ryzen3 PRO 4350Gと同コアスレッドRyzen3 3100/3300Xもこれらの仕事をある程度こなせます。
Ryzen 3 3100を性能比較!ゲーム・動画編集は?Ryzen 3 3300Xを性能比較!ゲーム・動画編集は?4350Gはどうか?気になるところです。
動画編集速度
あくまで参考の参考ぐらいの気持ちでみてください。
今回は有名な編集ソフト「Adobe Premiere Pro 2020」で計測します。
動画の長さは15分60fps、フルHDにてH.264/365の4パターンを計測。
またGPUと負荷分散するハードウェアエンコードでも計測しました。
グラボはもちろん利用していません。
動画のクオリティについては、私のYoutubeチャンネルくらいと考えてください。
結論を言えば、動画編集としては微妙というところです。
Ryzen5 PRO 4650GやRyzen5 3400G対しては決して劣っていませんが、
第3世代Ryzenと比べると、大きく劣っています。
またGPUパワーも使うハードウェアエンコードでは、3400Gと同等になっており、
価格を考えれば、動画編集マシンとしてはコスパが悪いと思います。
動画編集はメモリの性能も重要になってくるので、
CPUのキャッシュメモリ、およびGPUのグラフィックメモリ少なさが、
足をひっぱっているのかなあと思います。
ゲーム配信能力は?
ゲーム配信もコアスレッド数がものを言う領域です。
今回は比較的軽いゲームであるSATSIFACTORYにて実際にYoutube配信してみました。
OBSを利用し、フルHD60fps/最低画質/4500 kbps/ソフトウェアエンコード設定です。
ハードウェアエンコードではカクついてまともに配信できませんでした。
おそらくグラボはゲームで手一杯ということでしょう。
まずは録画無しで実施したときの配信動画です。
配信自体は全く問題なくできました。
FPS値自体はグラフィック性能の関係もあり、30~50fps後半といったところですが、
カクつくこともなく、快適に配信することができます。
しかしながら録画ありの状態ですと若干パワー不足を感じます。
カクつきなく、録画ファイル自体もまったく問題はないものの、
FPS値がRyzen5 PRO 4650Gと比べると低くなっており、
少しコアスレッド数の少なさが影響したかなとおもいます。
とはいえSATSIFACTORYよりも軽い、フォートナイトやVALORANTなど、
ゲームを選べば配信することは十分可能です。
グラボ無しでここまでいければ、及第点といえます。
Ryzen5 PRO 4650Gはどういった人におすすめ?
- ゲーム以外の用途が前世代よりかなりパワーアップ
- 省電力で小型PCとの相性が良い
- ゲームにおいてはRyzen5 PRO 4650Gとそこまで大差ない
- グラフィック能力は前世代から多少の向上に留まる
- CPUクーラーが無いので、別途用意で費用が増える
- 動画編集用途などは難しそう
CPU性能としては前世代からかなり伸びており、
ゲーム以外の用途としてはかなり優秀になったとおもいます。
省電力性も保っていますから、超小型PCでオフィス用、リビング用などで組むと良さそうです。
またゲーミング用途としても、価格が高い4650Gと比べてもコスパは高いです。
相変わらずやるゲームは選んでしまいますが、
過度な期待をしなければゲームや配信もおこなうことは可能です。
ただし若干FPS値はグラボ搭載と比べると安定していなかったので、過度な期待は禁物です。