こんにちわ!こまたろです( ゚Д゚)!!
AMD Radeonの「RDNA2」アーキテクチャを採用したRX6000シリーズから、
RX6600のベンチマークをしました!
ゲーム性能やクリエイティブ性能について解説します。
目次
RX6600のスペックや価格は?
RX6600はRX6000シリーズでは最も下位モデルで(2021年10月現在)
ミドルクラスの性能に位置しています。
※横スクロールできます
GPU | RX6700XT | RX5700XT | RX5700 | RX6600XT | RX5600XT | RX6600 |
---|---|---|---|---|---|---|
世代 | 最新 | 1世代前 | 1世代前 | 最新 | 1世代前 | 最新 |
ストリーミングプロセッサ数 | 2560 | 2560 | 2304 | 2048 | 2304 | 1792 |
Ray Accelerator数 | 40 | – | – | 32 | – | 28 |
Infinity Cache | 96MB | – | – | 32 MB | – | 32MB |
ゲーム周波数 | 2424 MHz | 1755 MHz | 1625 MHz | 2359 MHz | 1375 MHz | 2044 MHz |
ブースト周波数 | 2581 MHz | 1905 MHz | 1725 MHz | 2589 MHz | 1560 MHz | 2491 MHz |
メモリスピード | 16 Gbps | 14 Gbps | 14 Gbps | 16 Gbps | 12 Gbps | 14 Gbps |
メモリ量 | 12GB GDDR6 | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR6 | 6GB GDDR6 | 8GB GDDR6 |
メモリバス帯域幅 | 384 GB/s | 448 GB/s | 448 GB/s | 256 GB/s | 336 GB/s | 224 GB/s |
TDP | 230 W | 225 W | 180 W | 160 W | 150 W | 132 W |
電源コネクタ | 8 pin + 6 pin | 8 pin + 6 pin | 8 pin + 6 pin | 8pin × 1 | 8pin × 1 | 8pin × 1 |
- 前世代から大幅にクロックが増加
- レイトレーシング用アクセラレータ新搭載
- Infinity Cacheを新搭載(省電力、低遅延に貢献)
- RTX3060に比べて省電力
RDNA2に由来するレイトレ性能の強化や、クロック増加など変更点は多いですが、
RX6600で最も注目したいのは省電力であることだと思います。
昨今のグラボは特に消費電力が高く、排熱問題や小型PCの組み込みにくさなど大変。
ただRX6600は135WのTDPとなっており、ライバルRTX3060の170Wと比べると大分低いです。
消費電力は抑えられてるが、RTX3060との性能差はどのくらいか?が重要ポイントになるでしょう。
また新しく登場したRTX3050も価格帯的にライバルとなります。
RTX 3060のゲーム性能をベンチマーク!買いか?RTX 3050のゲーム性能をベンチマーク!【凡庸?汎用?】今回使用したRX6600
今回使用したのは玄人志向の「RD-RX6600-E8GB/DF」です。
RX6600の中では最も安いモデル(2021年10月)
最近のグラボは装飾や質感も高級なものが増えてきたので、
正直なところちょっとチープな気も・・・する。
でもカード長200mmなので、かなり取り回しが楽だと思います。
補助電源は8pin x1。
出力ポートはHDMI x1 DisplayPort x3。最近はほぼすべてのグラボがこの構成ですよね。
ということで早速検証に入っていきましょう。
- メインターゲットのフルHDの性能
- RTX3060との性能差(一部RTX2060も)
- FSR利用時におけるFPS値、および高解像度の性能
- ハードウェアエンコードによる動画編集のパフォーマンス
- 消費電力はどのくらい低いのか
長らくRTX系のDLSSが大きなアドバンテージでしたが、
AMD開発のFSRも徐々にゲーム対応が増えてきており、
FSR利用によるRTX3060とRX6600のパフォーマンスにも注目です。
利用することでより高解像度・高画質・高FPSに遊べます。
GeforceのRTX2000、3000シリーズのみ利用可能です。
主なDLSS対応ゲーム一覧(Nvidia公式サイト)
低解像度にして負荷を下げる代わりにのアップスケーリングで解像度の劣化を防ぎ、結果として高FPS値を実現する。
こちらもソフト側の対応が必要です。GeForce、Radeonの両方で利用可能。
主なFSR対応ゲーム一覧(AMD公式サイト)
なお使用したCPUはゲーム性能が高いRyzen 5 5600Xです。
Ryzen5 5600Xの性能ベンチマーク!ゲーム・動画編集Apex Legends
まずは長らくロングセラーとなっているゲームから見ていきます。
人気FPSのApex Legendsです。
こちらはCPU性能の影響は軽微で、グラボ性能がもろに影響しやすいゲームです。
んっ?
思ったより低パフォーマンス。
RTX3060とは20~50fps(最大24.2%低い)差と結構大きい差となっています。
特に高画質時の性能差は大きいですね。
またRTX2060にも全体的に負けており、ゲーム性能としてはパッとしません。
フォートナイト
続いても人気FPSのフォートナイトです。
ベータ版のDirectX 12がありますが、今回はDirectX 11にて計測しています。
わりと低負荷なゲームですので4Kも計測しました。
こちらも同様にパッとしないというか、むしろかなり悪い。
RTX3060には最大2倍以上のFPS差。
ゲーム側の最適化不足なのかは不明ですが、RTX2060にも惨敗の状態です。
さらにこのゲームではDLSSに対応しており、RTX系はさらにFPSを向上されることが可能ですので、
RX6600の良いところが見当たりません。
Escape From Tarkov
β版でありながら日本でもどんどん人気になっているハードコアFPSです。
今のところ上限値は144fpsとなっていますが、
GeForceは上限を撤廃する設定があります。
やはりRTX3060との性能差は大きい結果になりました。
低画質領域では上限がネックになっていますし、
RX6600では中画質で30fpsほど落ちています。
高画質も同様の傾向で、快適に遊べる画質設定に差がでています。
4KでもRTX3060なら最低画質で100fps確保できるているのでFPSゲームとしては可かなという感じですが、
RX6600では75fps付近なので、ベストという結果ではありません。
VALHEIM
最後は累計500万本突破した北欧サバイバルゲームのヴァルヘイムです。
昨今のゲームでは中級程度の負荷といったところ。
こちらは最新APIのVulkanでも計測しています。
こちらも今までと同様の結果ですね。。。
RTX3060に対して最低画質では約60fps(46.8%)、最高設定で約16fps(28.9%)ほど低く、
RTX2060と比較しても見劣りしています。
VulkanベースではRX6600のFPSは向上しているものの、
RTX3060も大幅に向上し、結果最大で100fpsほど差が開くという。。。
もはや一つ下位クラスのグラボか?と思わせてしまう結果です。
サイバーパンク2077
色んな意味で話題になりました人気ゲームです。
DLSSやレイトレに対応しており、NVidiaロゴが出るRTX3000系に有利なゲームに見受けられます。
かなり動作スペックが高いゲームです。
今までのゲームと比べればFPS差は小さい結果となりました。
やはりRTX3060に対して10fpsほどのダウンに留まっていますので、
消費電力を鑑みれば十分OKな結果だと思います。
ただ、このゲームもDLSSに対応しており、
FidelityFX CASにも対応していますが、RTX3060もRX6600の両方とも利用できることを考えると、
結局伸びしろがあるのはRTX3060ということになってしまいます。
ストリートファイター6
続いては人気シリーズの最新作ストリートファイター6です。
DLSSやFSRといった機能はありません。
それなりには軽いゲームではあるもののやはりFSRが利用できないため、
フルHDといえど高画質だとまあなんとか快適に遊べるといったところでしょうか。
ファイティンググラウンドは60fpsMAX固定ですが、それを下回る心配は少ないため、
フルHDであれば十分遊べる結果となっています。
CoD:MW2
続いては最新ゲームの人気シリーズ、コールオブデューティーからモダンフォーウェア2です。
要求スペックは高く、DLSSやFSRなど最新技術にもしっかり対応しています。
FSRを利用して計測。
比較的要求スペックが高いゲームではあるものの、FSRを利用すれば十分遊べる結果に。
低画質ならWQHDぐらいまでなら144fps前後で十分遊べますし、
高画質ならフルHDでも可能。
Overwatch2
続いては人気のゲームであるOverwatch2も計測しました。
FSRに対応していますので、利用して計測します。
比較的軽いゲームですので低画質領域では4Kゲーミングも可能な結果。
高画質ではさすがにフレームレートが他のグラボより劣っていますが、
フルHDであれば十分高フレームレートで遊べる数値です。
ディアブロ4
最後は最新のゲームであるディアブロ4です。
こちらはDLSSとFSR両方に対応していますが、
RTX系はDLSSをRX系はFSRを利用して比較します。
ディアブロ4はわりと要求スペックが高いゲームですが、
やはりFSRを利用できればフルHDはもちろん、WQHDでも十分快適に遊べるフレームレート。
価格を考えれば十分良いパフォーマンスといえ、
最新ゲームでもFSR対応であればかなり快適に遊べるでしょう。
動画編集性能はどうか?
続いては動画編集性能も見ていきましょう。
最近は動画編集もCPUとGPU両方を使うハードウェアエンコードが当たり前になっており、
グラフィックボードの性能も重要度が増しています。
あくまで参考の参考ぐらいの気持ちでみてください。
Adobe Premiere Pro 2020
有名な編集ソフト「Adobe Premiere Pro 2020」で計測します。
動画の長さは15分60fps、フルHD・4K動画でH.264/365の4パターンを計測。
Adobe Premiereに関してはRX6600は見劣りする結果となりました。
RTX3060に対してフルHDで2~3分、4Kで2分どの遅いエンコード時間です。
微々たる差に感じる方もいるかもしれませんが、
より複雑で長尺の動画編集になると、この差は開く可能性があることに注意が必要です。
Aviutl
もう一つ、無料ではかなり有名な「Aviutl」でも計測しました。
こちらもAdobe Premiereと同様にRX6600はRTX3060より下。
約1分半強ほど遅いエンコード時間です。
CPUの組み合わせ如何では結果は変わるかもしれませんが、
少なくとも今回の2つの動画編集ソフトではRTX系のほうが高パフォーマンスの結果となっています。
消費電力について
ゲーム・動画編集性能に関してみてきましたが、
こまたろ的には「想像よりも性能が悪い」印象でした。
ただ消費電力がどのくらい低いかによっては、その低さもある程度許容できるかもしれません。
そこで消費電力をFFベンチマークを使ってみていきます。
なおマザーボードのBIOSはいじっておらず、初期設定のまま計測しています。
RadeonSowtwareはゲーミングモードです。
※横スクロールできます
GPU | RTX3060ti | RTX3060 | RX6600 |
---|---|---|---|
最小電力(W) | 11.367 | 10.334 | 3.000 |
最大電力(W) | 224.306 | 169.638 | 100.000 |
平均電力(W) | 170.823 | 142.900 | 87.406 |
これは驚きw
平均で55.5W差と約63.3%ほどRX6600は省電力。
どんだけ低いんだよ!って突っ込みいれました。どうやら省電力なのはうそじゃないようですね。
最大電力も70Wほどの差、アイドリング時はなんと3Wとめちゃエコやん。
レジ袋よりRX6600のほうがよっぽど環境に配慮しているかもしれません(違うだろ
これだけ消費電力が低ければ、ある程度のパフォーマンス差は仕方ない気もしますね。
個人的にはもっと消費電力を挙げて性能を向上されたほうがニーズはあると思ったんですが、
RTX系の弱点を突いたと考えれば良い設定なのかもなあ。
RX6600はどんな人におすすめ?
- フルHDでは最新ゲームも快適に遊べる
- FSR対応ゲームなら高解像度を狙えることも
- 消費電力が低いので小型PCを組むのに最適
- 大容量電源に買い替え無くても換装いけそう
- 単純な性能ではRTX3060に大きく負けてる
- DLSSとFSRの両方に対応できるRTX系には見劣りか
総括すると性能を求めるか、エコを求めるかを迫られるグラボではないでしょうか。
単純な性能では一部性能差がそこまでではないゲームはあるものの、
多くのゲームでRTX3060に大差でパフォーマンスが低くなっており、
FPSや画質、解像度を重視するユーザーならRX6600はお勧めしにくい印象です。
ただ消費電力がRTX3060の半分以下という驚異のエコ設定なので、
このFPSの差は納得できる部分があります。
(ゲームによってはもちろん半分以下ではないだろうが低いことは確か)
また今後のドライバー更新などで、もしかしたら調整や性能アップもあるかもしれません。
いずれにせよ現時点では単純に性能を求める人にはおすすめできず、
グラボを換装したいが、電源は載せ替えたくない人(公式では450W以上推奨)や、
小型PCを組むうえで排熱に苦労しないグラボを探している人など、
消費電力の重要度が高い目的の人にはおすすめできます。
性能が低いといってもフルHDでは十分快適ですし、
FSR利用があれば思いのほか高解像度でも遊ぶこともできます。
なによりRTX3000系では実現できていない消費電力の低さは、
選択肢の理由としては十分ありでしょう。
SDGsが謳われる昨今、グラボ選定から貢献していきましょう!