こんにちは!こまたろです( ゚Д゚)!
ついにAMDの第4世代シリーズにRadeon Graphicsとセットになった、
APUがリリースされました!
今回はミドルクラスの「Ryzen 5 5600G」をレビューしていきます。
目次
Ryzen 5 5600Gの特徴とは?
Ryzen 5 5600Gは(6コア12スレッド)はコンシューマー向けで、
第4世代RyzenのCPU(厳密にはAPU)になります。
CPU/APU | Ryzen™ 9 5950X | Ryzen™ 9 3950X | Ryzen™ 9 5900X | Ryzen™ 9 3900XT | Ryzen™ 9 3900X | Ryzen™ 7 5800X | Ryzen™ 7 3800XT | Ryzen™ 7 3800X | Ryzen™ 7 5700G | Ryzen™ 7 3700X | Ryzen™ 5 5600X | Ryzen™ 5 5600G |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
世代 | 最新世代 | 1世代前 | 最新世代 | 1世代前 | 1世代前 | 最新世代 | 1世代前 | 1世代前 | 最新世代 | 1世代前 | 最新世代 | 最新世代 |
コア数 | 16 | 16 | 12 | 12 | 12 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | 6 | 6 |
スレッド数 | 32 | 32 | 24 | 24 | 24 | 16 | 16 | 16 | 16 | 16 | 12 | 12 |
ベース周波数 | 3.40GHz | 3.50GHz | 3.70GHz | 3.80GHz | 3.80GHz | 3.80GHz | 3.90GHz | 3.90GHz | 3.80GHz | 3.60GHz | 3.70GHz | 3.90GHz |
ターボ・ブースト | 4.90GHz | 4.70GHz | 4.80GHz | 4.70GHz | 4.60GHz | 4.70GHz | 4.70GHz | 4.50GHz | 4.60GHz | 4.40GHz | 4.60GHz | 4.40GHz |
(L3)キャッシュ | 64MB | 64MB | 64MB | 64MB | 64MB | 32MB | 32MB | 32MB | 16MB | 32MB | 32MB | 16MB |
最大メモリー速度対応 | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 |
内蔵グラフィック | – | – | – | – | – | – | – | – | Raden Graphics Vega 8 | – | – | Raden Graphics Vega 7 |
TDP | 105W | 105W | 105W | 105W | 105W | 105W | 105W | 105W | 65W | 65W | 65W | 65W |
小売り価格 | 92,855円 | 97,680円 | 69,980円 | 76,097円 | 56,480円 | 50,980円 | 41,980円 | 40,980円 | 51,800円 | 35,878円 | 35,480円 | 31,980円 |
単純な比較はできないですが、第4世代Ryzenの中では、Ryzen 5 5600Xと同列で、
現段階では最も下位に位置するCPUとなります(2021年9月現在)
※横スクロールできます
CPU/APU | Ryzen™ 7 5700G | Ryzen™ 7 PRO 4750G | Ryzen™ 5 5600G | Ryzen™ 5 PRO 4650G | Core™ i7-11700K | Core™ i5-11400 |
---|---|---|---|---|---|---|
世代 | 最新世代 | 1世代前 | 最新世代 | 1世代前 | 最新世代 | 最新世代 |
コア数 | 8 | 8 | 6 | 6 | 8 | 6 |
スレッド数 | 16 | 16 | 12 | 12 | 16 | 12 |
ベース周波数 | 3.80GHz | 3.60GHz | 3.90GHz | 3.70GHz | 3.60GHz | 2.60GHz |
ターボ・ブースト | 4.60GHz | 4.40GHz | 4.40GHz | 4.20GHz | 5.00GHz | 4.40GHz |
(L3)キャッシュ | 16 MB | 8 MB | 16 MB | 8 MB | 16 MB | 12 MB |
最大メモリー速度対応 | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 |
内蔵グラフィック | Raden Graphics Vega 8 (2000MHz) | Raden Graphics Vega 8 (2100MHz) | Raden Graphics Vega 7 (1900MHz) | Raden Graphics Vega 7 (1900MHz) | UHD Graphics 750 | UHD Graphics 730 |
TDP | 65W | 65W | 65W | 65W | 125W | 65W |
小売り価格 | 51,800円 | 新規販売無し | 36,800円 | 新規販売無し | 45,793円 | 26,061円 |
ただしRyzen 5 5600GはRadeon GraphicsとセットになったAPUになるので、
Ryzen 5 3600の後継ではなくRyzen 5 PRO 4650Gの後継となります。
前世代からの主な変更点として、
- Zen2からZen3のアーキテクチャへ
- L3キャッシュが8MBから16MBへ
- Raden Graphicsは変わらず、クロック周波数も同じ
- TDPは65Wで変わらず
- バルク品ではなくリテール品で買いやすい
- 電力の最適化
といった点があげられます。
Radeon Graphicsに変更がない!というのが非常に残念ではありますが、
現状買うことが難しいRyzen 5 PRO 4650Gを考えれば、
新たなAPU候補として期待できる存在かと思います。
またアーキテクチャもZen3ベースで、L3キャッシュも増えていますので、
ゲーム性能以外の要素でパワーアップしていそうです。
なお同じくリリースされたRyzen 7 5700Gは別記事で検証しています。
Ryzen7 5700Gの性能ベンチマーク!ゲーム・動画編集は?Ryzen 5 PRO 4650Gの性能は?ゲーム・動画編集は?CPU形状に大幅な変更はありません。
500または400シリーズチップセットのマザーボードで動作します。
純正クーラーとして下位に位置する「Wraith Stealth」が付属しています。
冷却性能は限定的ですが、「これでも十分だよ」という意思の表れか?
後程性能が十分か検証します。
内蔵グラフィックス性能は?
Gシリーズと言えばやはりRadeon Graphicsがセットなので、
別途グラフィックボードを用意しないで、CPU単体で使うのがスタンダードかとおもいます。
まずは単純にCPU単体でどの程度の性能があるのか?を見ていきましょう。
基本的なゲーム性能のベンチマーク
まずはCINEベンチをみていきます。
Intelは参考としてCore i7 11700Kとも比較します。
※横スクロールできます
CPU/APU | Ryzen7 5700G | Ryzen5 5600G | Ryzen5 5600X | Ryzen5 PRO 4650G | Ryzen5 3600 | Core i7 11700K |
---|---|---|---|---|---|---|
CPU(Multi) | 2062 | 1574 | 1799 | 1530 | 1551 | 2125 |
CPU(Single) | 229 | 228 | 256 | 192 | 194 | 206 |
OpenGL | 78.81fps | 75.88fps | – | 71.41fps | – | 69.52fps |
マルチスコアに関しては思ったほど伸びてないですね。
Ryzen 5 4650Gから比べると、2.8%ほど。
ただしシングルスコアの伸びはさすがZen3ベースなのか、大幅アップ(約18.7%アップ)。
なんとIntelのCore i7 11700K
前世代の弱点はしっかり補強されていますね。
ただし同じ6コア12スレッドであるRyzen 5 5600Xと比べると、
シングル、マルチともに負けています(シングル12.3%減、マルチ14.3%減)。
5000Gシリーズ(Cezanne)はそもそもCPU部分だけがZen3に置き換わっただけで、
大部分は4000Gシリーズとほぼ同じであることが原因かも。
思ったより5600Xと5600Gには性能差がありそうです。
またグラフィック性能であるOpenGLについては、
4650Gから6.3%ほどアップしており、Radeon Graphicsに変更はなくとも、
キャッシュ周りなど含むCPU側の変更はプラスになっているようですね。
Intelの内蔵グラフィックと比べてもやはり高い性能であることがわかります。
FireStrike
続いてはDirectX 11ベースの定番ベンチマークソフトから。
CPU性能には違いがあれど、GPUセットでのCombinedや、
TOTALスコアではほぼほぼRyzen 5 4650Gと同等のスコアといったところ。
さすがにIntel+内蔵グラフィックよりはパフォーマンスが上ですが、
ゲーム性能の変化はなさそうに見えます。
Night Raid
ではDirectX 12ベースではどうでしょうか?
こちらに至ってはベンチマークの最適化なのか何なのか、
Ryzen 5 4650Gよりも低いスコアになってしまいました。
ただスコアは計測ごとに結構上下するので、こちらもほぼほぼ同等の性能と言ってよさそうです。
内蔵グラフィックのゲーム実測
ベンチマークソフトを比較すると、やはりゲーム性能においては目立った変化は見られない模様。
ただしZen3ベースのCPUアーキテクチャになったことで、ゲーム実測では変化があるかもしれません。
そこで内蔵グラフィックでどこまで遊べるのか?もふまえながら、
いくつかのゲームを計測しました。
- 内蔵グラフィックでどこまで遊べるか?
- 前世代とのゲーム性能の比較
- Intel内蔵グラフィックとの比較
- FSRの計測
内蔵グラフィックでどこまで遊べるか?
大幅なゲーム性能の変化はないため前世代のGシリーズ同様に、
要求スペックが低いゲームであれば低画質にてかなり高FPSで遊べそうです。
代表的なゲームとしてはフォートナイトやVALORANT、DOTA2クラスであれば、
最低画質144fps以上確保できるので、ゲーミングモニター利用も視野に入ってきます。
ですが要求スペックが高めのApex LegendsやVALHEIMになってくると厳しい。。。
従来のGシリーズ通り、遊べるゲームは限られています。
他のCPUに比べてゲーム性能はどうか?
Ryzen 5 4650Gと比較するとおおむね同じようなFPS値になっております。
ただしフォートナイトの低画質ではRyzen 5 4650Gのほうが、
VALORANTではRyzen 5 5600Gのほうが結果が上であることから、
ゲーム側のZen3とZen2に対する最適化の違いによって、
FPS値に違いが出てくることはありそうです。
基本的には新しいアーキテクチャにゲームは対応していくので、
今後の要求スペックが軽いゲームに対してはRyzen 5 5600Gのほうが良いかもしれません。
また相変わらずIntelの内蔵グラフィックはお話にならないというか、
圧倒的にRyzen 5 5600Gのほうが上の数値となっており、
ゲームを前提にしたグラフィックボード無し構成ならRyzen Gシリーズ一択といったところでしょう。
FSRはどうか?
さてAMDはNVidiaのDLSSの対抗技術?としてFSRという機能をリリーズしました。
低解像度にして負荷を下げる代わりにのアップスケーリングで解像度の劣化を防ぎ、結果として高FPS値を実現する。
こちらもソフト側の対応が必要です。
最近ではDLSS3に対抗するフレームレート補完技術FSR3がリリースされています。
主なFSR対応ゲーム一覧(AMD公式サイト)
(違かったらごめんなさい・・・)
なんにせよRyzen Gシリーズはこの機能を利用できます。
現在対応ゲームはそこまで多くはありませんが、GeForceでも使えますし、特別な物理コアも不要。
かつオープンソースでもあることから、もしかしたら今後FSR対応ゲームは増えるかもしれません。
そこで今回は対応ゲームの「DOTA2」にてFSRを検証。
最高画質設定にて解像度を50%、75%落とした場合と全く落とさない場合を比較しました。
結果としてFSRを利用すれば50%で10fps、75%で30fpsと大幅アップ。
問題のゲーム解像度ですが、
↑解像度100%
まず100%の解像度です。
そして、
↑解像度75% FSR OFF
↑解像度75% FSR ON
75%の解像度でFSR ONとOFF比較。
わかりにくいかもしれませんが、右中段の桜の描写をみてもらうと、
FSR OFFでは花片が若干つぶれているように見え、FSR ONだと解像度100%に近い描写に。
↑解像度50% FSR OFF
↑解像度50% FSR ON
さらに解像度50%でFSR OFFではつぶれている花片が多いですが、
FSR ONにするとはっきりと見えるようになっています。
実際にゲームをすると全体的にぼんやりとした描写を、
完璧ではないにせよ、くっきり見れるようになるのでFSRの効果は絶大です。
今後FSR対応ゲームが増えれば、Ryzen Gの価値があがるかもしれません。
ゲーム以外の用途ではどうか?
続いてはゲーム以外の性能をみていきます。
Ryzen 5 5600G単体で利用するなら、ゲーム性能はおまけ程度ですし。
まずはPC Mark10のスコアをみていきましょう。
ゲーム以外の普段使いもチェックします。
ゲーム性能は特別すごくはなかったが、他の用途では大幅に性能が伸びている模様。
Core i7 11700KがPC Mark10でさえない結果に対して、
Zen3ベースのRyzen 5 5600Gはすべての項目でスコアが高いです。
Ryzen 5 4650Gと比較しても、8.7~15.5%向上となっており、
特にWEB閲覧、ビデオチャット、オフィスソフトといった項目は、
かなり快適性があがっていそうです。
ゲーム以外の用途でRyzen 5 5600Gを選ぶのは最良の選択と言えそう。
動画編集性能はどうか?
続いては動画編集性能についてもう少し詳しくベンチマークしてみます。
あくまで参考の参考ぐらいの気持ちでみてください。
Adobe Premiere Pro 2020
有名な編集ソフト「Adobe Premiere Pro 2020」で計測します。
動画の長さは15分60fps、フルHD・4K動画でH.264/365の4パターンにて、
CPU性能だけ利用するソフトウェアエンコードの計測結果です。
正直なところRyzen 5 5600Gのパフォーマンスは悪いと言っていいでしょう。
マルチ性能的にRyzen 5 5600Xより遅いのは仕方ないにせよ、
前世代のRyzen 5 3600にも劣る結果となっています。
この後のAviUtlの結果をみると、Adobeの最適化の問題かもしれませんが、
なんにせよパフォーマンスは悪い。
続いて内蔵グラフィックを利用した場合のハードウェアエンコード比較。
Ryzen 5 PRO 4650Gと比べるとほとんど変わっていないですね。。。
Graphicsに変更はないものの、Zen3分の上澄みを期待していたんですが、
ちょっと残念な結果に。
ただ決して早いエンコード時間とはいいませんが、
IntelのCore i7 11700Kだけと比べれば圧倒的に早いので、
フルHDのエンコードくらいならなんとかRyzen 5 5600G単体でも可かなーというところ。
Aviutl
もう一つ、無料ではかなり有名な「Aviutl」でも計測しました。
まずはフルHDの24分動画をソフトウェアエンコードした結果。
こちらに関してもAdobeほどでないにせよ、
やっぱりRyzen 5 3600と同程度といったところでパフォーマンスは良くはないです。
CPUのマルチ性能は同程度ですし、L3キャッシュもRyzen 5000シリーズより低いので、
仕方ないのかもしれません。
では続いて内蔵グラフィック利用のハードウェアエンコードで計測。
これに関しては若干Ryzen 5 4650Gより早い結果に。とはいえ微差ですけどね。。。
またAviutlのIntelグラフィック利用プラグインが優秀なのか、
Core i7 11700KがH.264では早く、明確な差にはなりませんでした。
ただAviutlに関してはフルHDであれば十分早い時間でエンコードできそうなので、
ソフトによって動画編集PCとしてRyzen 5 5600Gの利用もいけそう。
このあたりは編集ソフト側によっても変わってくるので、過度な期待は禁物です。
消費電力について
長短が見えてきたRyzen 5 5600Gですが、
性能のほかに期待したいのが省電力の具合ではないでしょうか。
というのもRyzen 5 5600GはTDP65Wですし、電力の最適化もおこなわれたようで。
さらにRyzen 5 5600Xは性能は高いですが消費電力も高いので、
省エネPCを組みたい人にとっては5600Gが最良の選択になるかも。
そこでFFベンチマークを利用し、消費電力を測定しました。
※横スクロールできます
CPU/APU | Core i7 11700K (Power Limit ON) | Core i7 11700K (Power Limit 無制限) | Core i5 11400 | Ryzen9 5900X | Ryzen7 5800X | Ryzen7 5700G | Ryzen7 3700X | Ryzen5 5600X | Ryzen5 5600G | Ryzen5 PRO 4650G | Ryzen5 3600 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最小電力(W) | 13.962 | 14.427 | 6.044 | 41.391 | 33.669 | 18.485 | 25.485 | 32.132 | 15.619 | 6.338 | 19.568 |
最大電力(W) | 77.620 | 79.204 | 63.149 | 110.59 | 121.357 | 53.117 | 51.801 | 64.014 | 44.321 | 33.069 | 76.372 |
平均電力(W) | 64.952 | 67.680 | 49.395 | 97.681 | 67.099 | 46.538 | 44.282 | 53.115 | 38.096 | 27.328 | 43.372 |
まずRyzen 5 4650Gと比べると、全体の消費電力はあがったようです。
まあCPUがパワーアップしてますから仕方ないところでしょうか。
問題のRyzen 5 5600Xとの比較ですが、
確かに5600Xに比べて平均消費電力が15Wぐらい低い。
これは大きいですね!
最大電力だけでなくアイドリング時の消費電力も下がっており、
省エネで発熱への対処は5600Xより簡単そう。
さらに同じ6コア12スレッドのCore i5 11400よりも消費電力が低いため、
省エネPCを作る上ではRyzen 5 5600Gはベストな選択かもしれません。
純正クーラーで冷却は十分?
続いてはどの程度の冷却性能が必要か見ていきます。
Ryzen 5 5600Gには純正クーラーが付属していますが、
冷却性能は低めの「Wraith Stealth」ですので、どこまで冷えるか心配です。
人気の虎徹 markIIも含め、いくつかのシチュエーションで最大温度を計測しました。
※横スクロールできます
OCCT | FFベンチマーク | 動画ハードウェアエンコード | 動画ソフトウェアエンコード | |
---|---|---|---|---|
純正クーラー | 80.0℃ | 62.8℃ | 64.1℃ | 71.4℃ |
虎徹 markII | 63.8℃ | 52.1℃ | 52.1℃ | 57.3℃ |
100%フル活用するOCCTではさすがに純正クーラーの冷却不足が否めません。
ただこのような状態になるのは特殊で、
ゲーム利用を模擬したFFベンチマークや、
CPUが高負荷になる動画編集ではおおむね70℃ラインを守ってあり、
純正クーラーでも冷却性能は大丈夫だと思います。
別途クーラーを用意しなくてよいのは金銭的にうれしいですね。
なお十分に冷やす場合でも虎徹 markII程度でかなり冷却できるため、
比較的小型なCPUクーラーを活用して、コンパクトなPCを組みやすいでしょう。
外付けグラフィックボードの組み合わせは?
さて今までRyzen 5 5600G単体での性能を見てきましたが、
今回のGシリーズではRyzen 5000シリーズの廉価版という意味合いもありそう。
というのもRyzen 5 5600Xより下のクラスが登場しておらず、
Ryzen 5 5600Gはその下位CPUとしての立ち位置ともとれるわけです。
となると当然ながらグラフィックボードと組み合わせて使いたい人もいるかもしれません。
ただし、こまたろ的に心配な点があります。
- PCIe4.0ではなくPCIe3.0対応
- L3キャッシュが少ない
- 結局CPUスコアは劣っている
CPUの動作クロックに違いがあるものの、L3キャッシュが少ないことへの影響、
PCIe3.0までしか対応していないこと、
シングル・マルチスコアともに劣っている点から、
グラフィックボードの性能を活かしきれないのでは?という懸念があるんですよねえ。
まあPCIe3.0でも現行グラボなら十分という話もありますが、
なんにせよ計測してみたいとおもいます。
ゲーム性能は?
まずはゲーム性能の比較。
代表的なゲームやDLSS、レイトレ利用なども加味しながら、結果を選抜しています。
フォートナイト、ApexLegendsともに、
Ryzen 5 5600G+RTX3080のゲーム性能は悪いという結果になりました。
Ryzen 5 5600Xと比較すると、比較的CPU性能の影響を受けにくいApexですら、
低画質ではFPS値に差が出ています。
フォートナイトではFPS値の差が顕著で、
前世代のRyzen 5 3600と互角か、若干下ぐらいの結果となっています。
続いて別のゲームでも。
まずはモンハンを見てみると、やっぱりパフォーマンスは悪い。
Ryzen 5 5600Xが高すぎるというのもありますが、
Ryzen 5 3600とほとんど差がなく、結果としては微妙と言わざるを得ないです。
サイバーパンクやウォッチドックスレギオンも同様で、
Ryzen 5 5600Xと比べると圧倒的にゲーム性能が低い、
RTX3080の性能を活かしきれてないと言えるでしょう。
動画編集性能はどうか?
RTX3080と組み合わせたハードウェアエンコードを、
先ほどと同じAdobe、Aviutlでみていきます。
まずはAdobe Premiere Pro 2020。
うーん、フルHDの結果はマルチコア性能に対して順当かなーというところですが、
4KのパフォーマンスがRyzen 5 3600より悪いのが気になりますね。
まあ極端に悪いというわけではなさそうです。
続いてAviutl。
こちらもおおむねマルチコア性能どおりの結果というところでしょうか。
Ryzen 5 5600Xと比べると劣りますが、
特別遅いというわけではなさそうです。
動画編集に関してはゲーム性能ほどパフォーマンスが悪くはなく、
グラボと組み合わせるとしては可かなと思います。
下位グラボと組み合わせてみる
RTX3080ではハイクラスすぎるのか?ということで、ミドルクラスのRTX3060tiでもいくつか計測しました。
うーんやっぱりグラフィックボードとの組み合わせは微妙なのか。
高パフォーマンスなRyzen 5 5600Xと比べると差が大きく、
また同じ6コア12スレッドのCore i5 11400にも基本的に劣っています。
またDLSSのパフォーマンスも悪いなど、
最適化不足なのかもしれませんが、FPS値が振るいません。
もともとGシリーズは元祖からグラフィックボードとの組み合わせは微妙でしたが、
Ryzen 5 5600Gにおいても同じことが言えるのかな?と思います。
Ryzen 5 5600Gはどういった人におすすめ?
- 一般ユース、ビジネスユースでより快適に
- 省電力かつ熱対策が楽なので、小型PCとして組みやすい
- 純正クーラーでも対応でき、予算を抑えられる
- リテール品で買いやすい
- 利用するソフトによるが単体でもある程度動画編集OK
- Intelよりやっぱり単体のゲーム性能が高く、FSRも期待
- 内蔵グラフィックは進化していないので、ゲーム性能は限界がある
- ゲーム用途のグラフィックボードとの組み合わせは微妙
- 現価格を考えれば、グラボ利用ならRyzen 5 5600XかCore i5 11400
Ryzen 5 5600Gで最も良いなと思ったのが発熱の少なさ。
最近の新CPUは全体的に消費電力があがっており、大型のクーラーが必要など、
あまり小型PC向きとはいえない仕様でしたが、
Ryzen 5 5600Gは久々の小型PC向けとして活用できそうです。
ゲーム以外の用途であれば着実にパワーアップしていますし、
ゲーム自体も相変わらずIntelより全然遊べますし、FSRにも期待できるので、
一般使いメイン+ゲームおまけというこれまでのGシリーズ活用としては満足の出来でしょう。
(FSRはIntelでも利用できるけど、そもそもゲーム性能がしょぼい)
純正クーラーでもいけるので、予算を抑えたPC自作ができます♪
残念な点は現時点ではRyzen 5 5600Xの廉価版というような用途には不十分だと感じたこと。
Ryzen 5 5600G+グラフィックボードとしての活用にも期待しましたが、
結果はRyzen 5 5600Xと比べるとゲーム性能が悪く、
現価格もほとんど違いがない(2021年9月現在)ので、
わざわざRyzen 5 5600Gと組み合わせる必要はないでしょう。
グラフィックボードと組み合わせるのであれば素直に、
ゲーム性能が高いRyzen 5 5600Xか、価格が安いCore i5 11400と組み合わせるのが良いかなあと。
今後Ryzen 5 5600Gの価格が下落してくれば、また違った選択肢も見えてくるかもしれません。
Ryzen5 5600Xの性能ベンチマーク!ゲーム・動画編集Core i5 11400を性能レビュー!ゲームのベンチマーク比較