【ミドル圧倒】Ryzen 5 9600Xを性能レビュー!ベンチマーク比較 | こまたろPC
ゲーミングPC検索機能リリース!

【ミドル圧倒】Ryzen 5 9600Xを性能レビュー!ベンチマーク比較

こんにちは!こまたろです( ゚Д゚)!

いよいよRyzen最新世代Zen5アーキテクチャ採用のRyzen 9000シリーズが発売されました。

今回はその中のミドルクラス、Ryzen 5 9600Xについて性能をベンチマークしていきます。

Windows「KB5041587」パッチ適応済み
Ryzen 9000/7000シリーズにて主にゲーム性能が向上するというWindowsの新パッチ「KB5041587」を適応した計測結果です。
RyzenおよびIntel両方のベンチマークに適応しています。またIntelは最新BIOS対応済みです。
なおTDPに関してはあまりゲーム性能に効果がないということで、当初通り65Wの設定で計測しています。
執筆者:荒谷克幸(こまたろ) 自作歴20年越え。BTOパソコンも購入しつつ、最新のCPUやグラフィックボードを性能計測するのが趣味。 詳しいプロフィールはこちらから

Ryzen 5 9600Xの特徴とは?

現在日本で新品購入しやすいミドルクラスのCPU一覧です。

※横スクロールできます
CPU/APURyzen 5 9600XRyzen 5 7600XRyzen 5 5600XRyzen 5 7600Ryzen 5 5600Ryzen 5 5500Ryzen 5 8400FRyzen 5 4500
世代最新世代旧世代旧世代旧世代旧世代旧世代旧世代旧世代
コア数6666666(Zen4 2/Zen4c 4)6
スレッド数1212121212121212
ベース周波数3.9 GHz4.7GHz3.7 GHz3.8GHz3.5 GHz3.6 GHz4.2 GHz3.6 GHz
ターボ・ブースト5.4 GHz5.3GHz4.6 GHz5.1GHz4.4 GHz4.2 GHz4.7 GHz4.1 GHz
(L3)キャッシュ32 MB32MB32MB32MB32 MB16 MB16MB16 MB
最大メモリー速度対応DDR5 5600DDR5-5200DDR4-3200DDR5-5200DDR4-3200DDR4-3200DDR5 5200DDR4-3200
内蔵グラフィックRadeon GraphicsRadeon Graphics 2CURadeon Graphics 2CU
TDP/PBP65/105W105W65W65W65W65W65W65W

前世代のRyzen 5 7600Xから比較すると、

  • Zen5アーキテクチャになり、5nm→4nmプロセスへ
  • 前世代と同じAM5ソケット
  • コアスレッド、L3キャッシュともに変化なし
  • 「今のところは」TDPが65Wに減少
  • Radeon Graphicsは変更なし
  • メモリはDDR5 5600MHz対応へ
  • ブーストは100MHzアップだが、ベースは800MHzダウン

リリース当初はTDP65W化とベースクロックの大幅ダウンという、

省電力を意識した仕様だったのですが、

主に海外のベンチマーク好きの方々から文句続出だったらしく、最新BIOS適応で105Wも選択できるようになっています。

ただデフォルトは65Wです

またWindowsのパッチ「KB5041587」をすることでAMDがパワーアップするようで、

実際Ryzen 9000シリーズはパッチ適応で基本的には性能が向上しました。

一部のゲームと画質設定では性能があがりませんでしたが、

基本的には適応することが望ましいでしょう。

こちらがRyzen 5 9600Xのパッケージ。

前々世代が丸、前世代が四角、そして今回は四角を補足したオレンジのアクセントに進化?しています。

CPU本体は前世代と基本的には変わっていませんが、ややダイの部分が大きくなっているようにもみえます。

左が9600X、右が7600X

なお純正クーラーは付属していませんので、別途用意必要あり。

ベンチマークソフトで性能を見る

それではRyzen 5 9600Xの性能をチェックしていみましょう!

今回グラフィックボードは最新世代の最上位RTX 4090、メモリはDDR5の5600MHzを利用しています。

ベンチマーク比較ポイント
  • Intelミドルクラスとの性能比較
  • 前世代からの進化は?
  • TDP65W設定で消費電力はどれほど低くなった?

現在ミドルクラスではCore i5 14500およびRyzen 5 7600が人気になっていますが、

それらに対してどのくらい性能変化があるのか?に注目です。(ただし今回はRyzen 5 7600X利用)

あらたなミドルクラス王道のCPUとなりえるのか。はたして??

FireStrike

まずはDirectX 11ベースのゲーム性能を測れるFireStrikeです。

Ryzen 5 9600XのフルHDにおけるFireStrikeベンチマーク結果
Core i5 14400F Core i5 14500 Ryzen 5 7600X Ryzen 5 9600X
Graphics 78057 77030 80650 80467
Physics 27638 34063 28419 32019
Combined 10572 14085 15234 17117
TOTAL 40825 47081 47299 50317

まずはフルHD。ここは最新世代らしくRyzen 5 9600XがTOTALスコアトップに。

Intel定番のCore i5 14400Fに対して約25.5%アップはかなりすごい!

Ryzen 5 9600Xの4KにおけるFireStrikeベンチマーク結果
Core i5 14400F Core i5 14500 Ryzen 5 7600X Ryzen 5 9600X
Graphics 25106 25111 24770 24758
Physics 28569 32669 28273 31690
Combined 10819 13949 13844 14244
TOTAL 22539 24022 23360 23782

ただ4Kになると若干優劣に変化があり、最もトップはCore i5 14500。

とはいえCore i5 14400FやRyzen 5 7600Xよりは確実にスコアアップしているので、

これは期待できそう。上々の滑り出し!

TimeSpy

続いてはDirectX 12ベースのゲーム性能を測るTime Spyです。

最近のゲームはDX12ベースで開発されていることが多いので、

どちらこといえばこちらのスコアのほうが重要です。

Ryzen 5 9600XのフルHDにおけるTimeSpyベンチマーク結果
Core i5 14400F Core i5 14500 Ryzen 5 7600X Ryzen 5 9600X
Graphics 34841 35437 36755 36698
CPU 12589 15573 9492 10441
TOTAL 27539 29745 25687 26646

フルHDではIntelが強い!

本来DirectX 12はマルチタスク処理が上手になったというものなので、コアスレッド数で優るIntelが強いのは仕方ないこと。

一応Ryzen 5 7600Xに比べれば約3.7%アップ

Ryzen 5 9600Xの4KにおけるTimeSpyベンチマーク結果
Core i5 14400F Core i5 14500 Ryzen 5 7600X Ryzen 5 9600X
Graphics 19220 19264 19169 19171
CPU 5591 7207 4849 5299
TOTAL 14073 15399 13284 13765

4Kにおいても結果は同じ。

ポテンシャルではIntelには敵わないということでしょうが、

実際のゲームではコアスレッドの使い方はバラバラなので、TimeSpyのスコアのようにはいかないのが現実。

実際に計測していきましょう。

Apex Legends

まずはロングランヒット中のApex Legendsを実測していきます。

このゲームはグラフィックボード性能の影響がかなり強いのと、

既にリリースから時間も経っており、ゲーム負荷はわりと低いほうのゲームとなっています。

そのためRTX 4090は性能が高すぎるので4Kのみ測定。

ApexLegendsにおけるRyzen 5 9600Xのフレームレート結果
Core i5 14400F Core i5 14500 Ryzen 5 7600X Ryzen 5 9600X
4K 最低 299 299 298 299
4K 極 289 288 283 282

RTX 4090では性能が高すぎるゲームではすが、それでも最高負荷の4K極み設定では、

きっちりとフレームレートに差が。

結果はCore i5 14400Fが最もフレームレートが高く、

残念ながらRyzen 5 9600XはCore i5 14400Fに7fps下回る結果に。

またRyzen 5 7600Xともほぼ同等のフレームレートになっており、微妙な結果です。

フォートナイト

続いてもロングランヒット中の大人気ゲームです。

細かなグラフィック改善がおこなわれており、正式に対応したDX 12かつDLSSにて計測していきます。

フォートナイトにおけるRyzen 5 9600Xのフレームレート結果
Core i5 14400F Core i5 14500 Ryzen 5 7600X Ryzen 5 9600X
フルHD低画質 301 310 373 480
フルHD最高画質 162 172 182 218
WQHD低画質 301 317 371 484
WQHD最高画質 163 172 174 200
4K低画質 318 323 424 487
4K最高画質 149 144 146 153

Ryzen 5 9600Xのパフォーマンスがえぐいくらいヤバいです(笑)

実はWindowsパッチを当てる前はそこそこのフレームレートだったのですが、

パッチ適応後はとんてもないフレームレートに変化。

もはやIntelもRyzen 5 7600Xとも比べるまでもなく、RTX 4090の性能を一番活かせています。

フォートナイトとの相性が抜群。

モンスターハンターサンブレイク

続いても人気のモンハンシリーズのサンブレイクです。 DLSSを利用して計測します。

モンスターハンターサンブレイクにおけるRyzen 5 9600Xのフレームレート結果
Core i5 14400F Core i5 14500 Ryzen 5 7600X Ryzen 5 9600X
フルHD低画質 167 240 233 348
フルHD高画質 169 237 237 324
WQHD低画質 168 241 228 351
WQHD高画質 170 238 194 336
4K低画質 167 232 261 342
4K高画質 162 235 259 339

フォトナイト同様このゲームもRyzen 5 9600Xの鬼のフレームレート!!

もはや断トツのフレームレートで、IntelもRyzen 5 7600Xもまったくおよびません。

理由として考えられるのはZen5ことRyzen 9000シリーズはシングルコア性能が大幅に強くなったようで、

モンハンはシングルコアが強いほうがフレームレートが出る傾向にあるため、

Ryzen 5 9600Xがハマったのかもしれません。

サイバーパンク2077

こちらもロングランヒットになっているサイバーパンク2077です。

DLSSやFSRなど色々な機能に対応しており、加えてRTX4000シリーズの真骨頂であるDLSS3にも対応しています。

比較的要求スペックが高いゲームであり、CPU性能も大切になってきます。

サイバーパンク2077におけるRyzen 5 9600Xのフレームレート結果(DLSS2)
Core i5 14400F Core i5 14500 Ryzen 5 7600X Ryzen 5 9600X
フルHD 低 169 178 183 216
フルHD ウルトラ 148 155 157 186
フルHD レイトレウルトラ 102 109 99 120
WQHD 低 169 177 184 212
WQHD ウルトラ 149 159 159 187
WQHD レイトレウルトラ 102 109 100 119
4K 低 169 178 185 215
4K ウルトラ 129 137 134 138
4K レイトレウルトラ 98 100 99 105

まずはDLSSにて計測。ここもRyzen 5 9600Xが強い!

完全に突出しており、他のCPUに対して30fps前後はフレームレートが向上しているシーンが多いです。

ベンチマークソフトでは冴えませんでしたが、実測ではかなりのパフォーマンスがでていますね。

サイバーパンク2077におけるRyzen 5 9600Xのフレームレート結果(DLSS3)
Core i5 14400F Core i5 14500 Ryzen 5 7600X Ryzen 5 9600X
フルHD 低 332 356 384 405
フルHD ウルトラ 289 310 317 361
フルHD レイトレウルトラ 203 216 206 209
WQHD 低 330 357 371 410
WQHD ウルトラ 285 295 291 306
WQHD レイトレウルトラ 204 219 205 212
4K 低 274 279 273 273
4K ウルトラ 172 172 178 180
4K レイトレウルトラ 146 147 150 152

続いてはRTX 4090の真骨頂であるDLSS3を使って計測しました。

先ほどよりはIntel勢が伸ばしており、Ryzen 5 9600Xの圧勝という感じではない設定(高負荷)もありますが、

低負荷領域ではやはりRyzen 5 9600Xのフレームレート伸びが一段階高いです。

サイバーパンクにおいてもRyzen 5 9600Xの相性が良いです。

ヘルダイバー2

続いては比較的新しいゲーム、TPS視点に生まれ変わったヘルダイバー2です。

このゲームはDLSSやFSRといったアップスケーリング技術は対応しておらず、わりとシンプルな描画設定です

ヘルダイバー2におけるRyzen 5 9600Xのフレームレート結果
Core i5 14400F Core i5 14500 Ryzen 5 7600X Ryzen 5 9600X
フルHD低 190 216 219 265
フルHDウルトラ 157 176 165 196
WQHD低 190 215 218 257
WQHDウルトラ 156 173 164 169
4K低 184 194 184 188
4Kウルトラ 111 112 107 108

このゲームでは画質設定によって優劣が変わる結果になりましたが、

やはり低負荷時ではRyzen 5 9600Xがずば抜けてフレームレートが高いです。

比較的高パフォーマンスのCore i5 14500に足していも40~50fps上回ることもあるので、まさに段違い。

ただ4K高負荷領域になってくると、今度はCore i5 14500にやや下回る結果となっています。

ただ全体的にはRyzen 5 7600Xよりは優っており、概ね良好な結果とはいえるでしょう。

バルダーズゲート3

世界的に人気になっているバルダーズゲート3です。

最近のゲームとしてはグラフィック設定はシンプルですが、FSRとDLSSには対応しています。

バルダーズゲート3におけるRyzen 5 9600Xのフレームレート結果(FSR2.2)
Core i5 14400F Core i5 14500 Ryzen 5 7600X Ryzen 5 9600X
フルHD低 113 124 106 134
フルHDウルトラ 88 97 84 99
WQHD低 114 121 106 132
WQHDウルトラ 87 97 82 99
4K低 113 123 114 131
4Kウルトラ 88 96 88 96

今回はFSR2.2を利用して計測しました。

ここでもRyzen 5 9600Xのパフォーマンスが凄く、最もフレームレートが出ている結果に。

各CPUに対して約10~15fpsは常に上回っていますから、ゲーム性能の高さが感じられます。

Black Myth:Wukong

続いては全世界で大ヒットしている中国のAAAタイトル「黒神話:悟空」です。

ソウルライク+モンハンのようなゲームで、CoDシリーズ同様、最新アップスケーリング技術に対応した、描画にかなりこだわったゲームタイトルとなっています。

ただCPU性能というよりはグラフィックボード性能の影響を受けやすいゲームです。

ここではDLSS3およびFSR3時を計測していきます。

黒神話:悟空におけるRyzen 5 9600Xのフレームレート結果(DLSS3)
Core i5 14400F Core i5 14500 Ryzen 5 7600X Ryzen 5 9600X
フルHD最低 280 287 287 289
フルHD最高 156 156 156 157
フルHD最高レイトレ超高 156 160 161 163
WQHD最低 266 266 265 270
WQHD最高 144 145 144 146
WQHD最高レイトレ超高 137 139 141 142
4K最低 220 221 220 221
4K最高 123 123 123 124
4K最高レイトレ超高 99 100 101 101

まずはDLSS3の計測結果。

基本的にはCPU性能ではあまりフレームレート差が出にくいゲームではあるのですが、

わずかにRyzen 5 9600Xが他のCPUを上回る結果。

体感差はあまりあるわけではないものの、ゲーム性能の高さが一番高いことは証明された結果かとおもいます。

黒神話:悟空におけるRyzen 5 9600Xのフレームレート結果(FSR3)
Core i5 14400F Core i5 14500 Ryzen 5 7600X Ryzen 5 9600X
フルHD最低 147 227 159 191
フルHD最高 95 95 93 97
フルHD最高レイトレ超高 73 80 84 92
WQHD最低 141 153 159 192
WQHD最高 87 89 88 93
WQHD最高レイトレ超高 62 66 75 81
4K最低 140 152 156 172
4K最高 74 75 74 76
4K最高レイトレ超高 41 45 55 57

続いてはFSR3です。あまりCPU差が出にくいゲームですが、FSR3だけは別。

一部優劣は変わっていますが、ここもRyzen 5 9600Xのフレームレートの高さが際立っており、

他のCPUを圧倒。ゲーム性能の高さが伺えます。

CoD:MW3

最後は人気のシリーズCall of DutyからModern Warfare 3です。

要求スペックも高く、数々のアップスケーリング技術にも対応しています。

コールオブデューティーモダンウォーフェア3におけるRyzen 5 9600Xのフレームレート結果(DLSS3)
Core i5 14400F Core i5 14500 Ryzen 5 7600X Ryzen 5 9600X
フルHD最低 406 469 483 633
フルHD極限 354 388 397 475
WQHD最低 371 392 398 524
WQHD極限 311 326 339 422
4K最低 250 262 273 356
4K極限 211 220 230 293

まずはDLSS3から。

ここもRyzen 5 9600Xは安定的に強い。比較するまでもなくフレームレートが段違いです。

他のCPUはRTX 4090に対して完全にボトルネックですが、Ryzen 5 9600Xは能力を引き出せています。

コールオブデューティーモダンウォーフェア3におけるRyzen 5 9600Xのフレームレート結果(FSR3)
Core i5 14400F Core i5 14500 Ryzen 5 7600X Ryzen 5 9600X
フルHD最低 412 517 602 637
フルHD極限 362 452 475 498
WQHD最低 404 497 530 549
WQHD極限 347 417 425 433
4K最低 349 362 374 375
4K極限 294 302 309 310

同じ最新のアップスケーリング技術でもFSR3でも、先ほどのDLSS3ほどではないにせよ、

やはり安定してRyzen 5 9600Xのフレームレートが出ています。

このゲームにおいてもRyzen 5 9600Xの力強さがわかります。

RTX 4060のグラフィックボードで計測

RTX 4090を利用したゲーム実測ではRyzen 5 9600Xが他のミドルクラスを圧倒といってよい結果でした。

しかしながらRyzen 5 9600Xを含むミドルクラスですとRTX 4090と組み合わせることは珍しく、

実際はもっと低い性能のグラフィックボードと組み合わせることが多いでしょう。

ここでは同じミドルクラスであるRTX 4060を利用して計測しました。

ゲームはサイバーパンク2077、モンスターハンターサンブレイク、フォートナイト、ApexLegends、パルワールドなどです。

RTX 4060を利用したフルHDにおけるRyzen 5 9600Xのフレームレート結果
Core i5 14400F Core i5 14500 Ryzen 5 7600X Ryzen 5 9600X
サイバーパンク DLSS3 低 242.87 237.20 240.24 242.56
サイバーパンク DLSS3 ウルトラ 174.34 171.71 178.93 178.42
サイバーパンク DLSS3 レイトレ中 125.12 133.01 135.11 134.30
モンハン DLSS 低 219 188 202 243
モンハン DLSS 高 208 185 197 233
フォートナイト DLSS 低 298 321 439 441
フォートナイト DLSS 最高 120 122 121 117
パルワールド DLSS 最低 120 120 120 120
パルワールド DLSS 最高 118 119 119 119

RTX 4060のメインターゲットであるフルHD解像度で計測しています。

そもそもRTX 4060の性能限界があるのでずば抜けて差が出にくいのですが、

その中でもモンハンやフォートナイトでは一歩抜けたフレームレートを出すことも。

ゲームによっては横一千だったり、そこまで差がないのでどのCPUでもいいだろって感じではありますが、

やはり安定して高いパフォーマンスは出せているのがRyzen 5 9600Xです。

RTX 4070 SUPERのグラフィックボードで計測

続いてはもう少し上の性能であるRTX 4070 SUPERの組み合わせでも見ていきましょう。

このグラボになるとハイクラスのCore i7 14700FやRyzen 7 9700Xも組み合わせとして増えてきますので、一緒に掲載します。

RTX 4070 SUPERを利用したWQHDにおけるRyzen 5 9600Xのフレームレート結果
Core i5 14400F Core i5 14500 Core i7 14700F Ryzen 5 7600X Ryzen 5 9600X Ryzen 7 7800X3D Ryzen 7 9700X
サイバーパンク DLSS3 低 275.99 284.87 286.04 283.46 290.07 278 285.75
サイバーパンク DLSS3 ウルトラ 193.82 201.19 199.45 201.21 202.05 191.40 193.99
サイバーパンク DLSS3 レイトレウルトラ 149.52 150.50 154.05 155.04 159.17 155.32 154.34
モンハン DLSS 低 160 243 242 203 381 370 256
モンハン DLSS 高 165 240 241 174 374 367 260
フォートナイト DLSS 低 301 325 459 425 485 510 491
フォートナイト DLSS 最高 147 143 142 143 147 147 143
Apex 極 280 280 281 281 268 273 270

RTX 4070 SUPERのメインターゲットであるWQHD解像度で計測。

いやあRyzen 5 9600Xは凄いです。

必ずトップの性能というわけではないですが、IntelやAMDのミドルクラスとは段違い性能で、

ゲーム性能ではトップクラスのRyzen 7 7800X3DやCore i7 14700Fとも良い勝負。

モンハンにいたってはゲームとの相性が良すぎるのか、とんでもないフレームレートです。

Ryzen 5 9600Xであればミドルクラスのグラボと組みあせるよりも、

RTX 4070系のハイクラスグラフィックボードとあわせるほうが持ち味が活かせそうです。

動画編集・3Dレンダリング性能はどうか?

続いてはクリエイティブ性能を見ていきましょう。

Ryzen 5 9600Xですとクリエイティブ用途メインって感じもしませんが、

どこまでやれるのかは気になるところ。

Blender

まずは3Dレンダリング性能を測るBlenderベンチマークから。

BlenderにおけるRyzen 5 9600Xのベンチマーク結果
Processor Score
Core i5 14400F 204.22
Core i5 14500 272.92
Ryzen 5 7600X 191.50
Ryzen 5 9600X 217.98

さすがにコアスレッド数有利という感じで、Core i5 14500が圧勝はしているものの、

同じ6コア12スレッドの旧世代Ryzen 5 7600Xに対して約13.8%もスコアを上げてきていますから、

Zen5になったことでレンダリング性能が向上していることがわかります。

Adobe Premiere Pro

続いては動画編集性能として有名なソフトAdobe Premiereを利用してエンコードしてみます。

ハードウェアエンコードにはRTX 4090を利用、一般的なH264/265方式を使います。

Adobe Premiere ProにおけるRyzen 5 9600Xのソフトウェアエンコード時間結果
H.264 フルHD高画質 H.264 4K高画質 H.265 フルHD H.265 4K
Core i5 14400 (10コア16スレッド) 11:44 30:40 12:58 34:02
Core i5 14500 (14コア20スレッド) 6:26 35:26 8:38 35:54
Ryzen 5 7600X (6コア12スレッド) 9:25 31:34 11:22 45:11
Ryzen 5 9600X (6コア12スレッド) 8:40 30:32 10:26 25:49

まずはソフトウェアエンコードの結果ですが、

ここはかなりの大健闘です。

コアスレッド数で優るCore i5 14400Fよりもかなりエンコード時間が短く、

また前世代のRyzen 5 7600Xよりも着実に早くなっています。

フルHDエンコードにおいてはCore i5 14500に最速を譲っていますが、

4Kでは勝っています。

Adobe Premiere ProにおけるRyzen 5 9600Xのハードウェアエンコード時間結果
H.264 フルHD高画質 H.264 4K高画質 H.265 フルHD H.265 4K
Core i5 14400 (10コア16スレッド) 8:52 14:36 8:57 15:10
Core i5 14500 (14コア20スレッド) 5:25 20:41 5:28 28:59
Ryzen 5 7600X (6コア12スレッド) 6:25 24:06 6:45 15:41
Ryzen 5 9600X (6コア12スレッド) 6:25 12:55 6:11 15:32

ではRTX 4090とのハードウェアエンコードではというと、

ここも傾向は全く変わらず、フルHDエンコードではCore i5 14500が一番早いものの、

4Kでは圧倒的にRyzen 5 9600Xが早く、また他のCPUと比べればエンコードのパフォーマンスが良いです。

Adobeにおいてはフルでも4K編集でもバランスよく性能を発揮しているのがRyzen 5 9600Xです。

HandBrake

もうひとつ無料ソフトで有名なHandBrakeでもエンコード時間をみます。

4K動画をフルHDにエンコードする際の時間です。

HandBrakeにおけるRyzen 5 9600Xのエンコード時間結果
H264 ソフトウェア H264 ハードウェア H265 ソフトウェア H265 ハードウェア
Core i5 14400F 11:51 8:48 15:17 8:48
Core i5 14500 8:58 6:54 11:57 6:55
Ryzen 5 7600X 13:10 9:35 16:15 9:34
Ryzen 5 9600X 10:49 7:37 13:28 7:29

このソフトにおいては安定してCore i5 14500が最も強いですが、

Ryzen 5 9600XはCore i5 14400FやRyzen 5 7600Xよりは大分エンコード時間が短縮されており、

画編集における性能の進化もしっかりと感じられます。

ゲーム配信性能は?

続いてはゲーム配信もみていきましょう。

最近ではミドルクラスCPUでもゲーム配信PCとして使う人も多いです。

今回はメジャーなOBSを利用して実際のフレームレートをみていきます。

グラボはよりリアルな構成としてRTX 4070 SUPER/RTX 4060を、

ゲームは高負荷なサイバーパンク2077、平均フレームレートと1%のLowフレームレートをみていきます。

RTX 4060の場合

RTX 4060のメインターゲットであるフルHDと、ちょっと無理したWQHD解像度にて計測。

OBSにおけるRyzen 5 9600Xのゲーム配信時のフレームレート結果(RTX 4060利用)
Core i5 14400F Core i5 14400F 1%Low Core i5 14500 Core i5 14500 1%Low Ryzen 5 7600X Ryzen 5 7600X 1%Low Ryzen 5 9600X Ryzen 5 9600X 1%Low
フルHD 低 220.11 166 219.20 173 219.39 115 217.17 124
フルHD ウルトラ 158.53 124 160.02 125 165.49 99 162.52 100
フルHD レイトレ中 122.38 94 118.63 91 127.15 77 125.91 80
2K 低 146.42 126 144.88 130 144.40 73 140.34 89
2K ウルトラ 102.91 84 100.64 85 104.22 58 97.34 70
2K レイトレ中 74.04 59 77.21 63 78.24 11 67.49 57

平均フレームレートに関しては一進一退という感じで、どのCPUも悪くありませんが、

1%Lowをみてみると、Intel勢の安定力が目立ち、AMD系は不安定さが目立つ結果に

フルHDであれば60fps切ることはないので問題ないといえば問題ありませんが、

配信能力はRyzen 5 9600XでもIntelに負けています。

RTX 4070 SUPERの場合

RTX 4070 SUPERのメインターゲットである2K解像度でみていきます。

OBSにおけるRTX 4070 SUPERを使ったRyzen 5 9600Xのゲーム配信時のフレームレート結果
Core i5 14400F Core i5 14400F 1%Low Core i5 14500 Core i5 14500 1%Low Ryzen 5 7600X Ryzen 5 7600X 1%Low Ryzen 5 9600X Ryzen 5 9600X 1%Low
2K 低 242.62 61 255.51 98 227.70 76 224.50 45
2K ウルトラ 180.12 56 187.54 79 169.09 52 169.74 55
2K レイトレウルトラ 130.32 56 135.25 70 124.00 50 123.46 45

RTX 4070 SUPERになるとRTX 4060とは違い平均フレームレートではIntel勢のほうが一歩高い数値になっています。

対する安定性に関してはCore i5 14500の独り勝ちという感じ。

Ryzen 5 9600Xは前世代と比べて特に進化は見られず、むしろちょっとパフォーマンスが悪いです。

コアスレッド数の少なさが足を引っ張っているか。

いずれにせよゲーム配信ではRyzen 5 9600X以外を選択したほうが良さそう。

全般性能もチェック

ベンチマークソフトにはなりますが、一般的な性能も比較しておきましょう。

使うのはPCMark10です。一般性能、オフィスユース、クリエイティブ性能をみることができます。

PCMark10におけるRyzen 5 9600Xのベンチマーク結果
Core i5 14400F Core i5 14500 Ryzen 5 7600X Ryzen 5 9600X
Essentials 9630 10147 10769 11313
Productivity 9987 10577 11886 11933
Digital CC 14222 15190 16097 17543
TOTAL 7958 8438 9123 9556

アプリ起動やWEBブラウジング、クリエイティブ用途のProductivityスコアに関しては、

Ryzen 5 9600Xが一歩抜きんでて高い結果です。

クリエイティブ用途に関しては必ずしもーという感じでしたが、普段使いでの快適性アップしてそう。

ただオフィスソフト快適性を示すEssentialsスコアに関してはRyzen 5 7600Xからの進化はみられません。

消費電力はどうか?

ここまでゲーム性能・クリエイティブ性能を見てきましたが、

Ryzen 5 9600Xのコンセプトとして垣間見える省電力化についても気になるところです。

TDP105W設定もありますが、やはりデフォルトの65Wでどうなったのか?が気になります。

ゲーム時の消費電力

まずはゲームを想定したFFベンチマーク(RTX 4090利用)作動時の消費電力です。

参考までに360mm簡易水冷クーラーで冷却した場合の温度も掲載します。

Core i5 14400F Core i5 14500 Ryzen 5 7600X Ryzen 5 9600X
最低 2.668 3.185 33.194 24.770
最高 44.282 101.459 84.389 78.432
平均 33.150 45.883 61.308 60.165
Core i5 14400F Core i5 14500 Ryzen 5 7600X Ryzen 5 9600X
最高 47℃ 59℃ 94℃ 66.9℃
平均 43℃ 46℃ 74.3℃ 56.1℃

確かにRyzen 5 7600Xに比べれば消費電力は少なくなったようです。

ただ最高でで6W、平均は1Wなので思ったほどではなく、また消費電力が高いイメージのあるIntelですが、

実はミドルクラスはゲームにおいて結構消費電力が控えめで、

Intelと比べればRyzen 5 9600Xは消費電力は全然高め

正直特に省電力って感じはしませんが、ゲーム性能の結果をみればワットパフォーマンスは決して悪くないでしょう。

3Dレンダリング時の消費電力

次はクリエイティブ作業を模擬し、Blenderのベンチマーク時の消費電力です。

Core i5 14400F Core i5 14500 Ryzen 5 7600X Ryzen 5 9600X
最低 2.545 3.127 28.552 23.808
最高 83.779 124.858 110.836 87.873
平均 71.419 108.180 99.413 83.652
Core i5 14400F Core i5 14500 Ryzen 5 7600X Ryzen 5 9600X
最高 57℃ 65℃ 93.1℃ 63.0℃
平均 52℃ 58℃ 87.5℃ 61.2℃

ゲームと違いCPUをフル活用する3Dレンダリングでは様相が変わります。

コアスレッド数が多いIntel系は一気に消費電力がアップ。

そしてRyzen 5 7600Xに関してRyzen 5 9600Xの消費電力は格段に下がり

最高で23W、平均では16Wも低いです。これはさすがにTDP65Wの効果がありあり。

そのうえでレンダリング性能はRyzen 5 9600Xのほうが高いですから、

ワットパフォーマンスがより良くなっています。

Ryzen 5 9600Xはどういった人におすすめ?

ここがメリット
  • Windowsパッチをあてることでゲーム性能は他のミドルクラスを圧倒
  • CPUをフル活用するクリエイティブ用途ではワットパフォーマンスが高い
  • RTX 4070系のハイクラスグラボとの相性が良い
デメリット
  • ゲーム配信には向いていない
  • ゲームでは消費電力の低さのメリットは活かせない
  • ミドルクラスのグラボでは良さがでない

当初Windowsの新パッチ「KB5041587」はパッとしないゲーム性能だったのですが、

パッチを適応すると一気に生まれ変わり

ゲーム性能はIntel、旧世代ミドルクラスでは相手にならないほど良いパフォーマンスが出ています。

全ゲームでほぼほぼトップレベルのフレームレートとなっており、

これであれば新世代RyzenとしてのRyzen 5 9600Xの価値は十分にあると感じました。

ただRTX 4060くらいのミドルクラスではグラボ性能の限界がありRyzen 5 9600Xの良さが活かせません。

WQHD~4KをターゲットにしたRTX 4070クラスのグラフィックボードと組み合わせることが必要でしょう。

またゲームにおいてはCPU性能を100%使い切ることは稀ですので、

消費電力の低さはたとえTDP65Wでもあまり感じられません。

なのでレンダリングのようなフルCPU利用しない限りは省電力の良さは活かせないでしょう。

そしてレンダリングするような人はもっと上のCPUを利用する可能性もおおいので、

Ryzen 5 9600Xの出番はないのではないでしょうか。

ゲーム配信性能も高いわけでもないですから、

クリエイティブ用途で利用するよりは、ゲーム単体を単純に遊ぶだけの用途として、

Ryzen 5 9600Xを検討するのが良さそうです。

Ryzen 5 9600X搭載おすすめゲーミングPC

(フロンティア)FRGPLB650B/R966T

FRGPLB650B/R966Tの製品画像
CPURyzen 5 9600X
グラフィックボードRTX 4060 Ti
メモリDDR5 32GB
容量1TB M.2 NVMe SSD
大きさ幅(W):約230mm x 高さ(H):約500mm x 奥行(D):約453mm
PCの評価
コスパ 4.0
同価格帯の平均:3.6
(4.0)
ゲーム性能 3.3
同価格帯の平均:3.1
(3.5)
動画編集性能 3.8
同価格帯の平均:3.6
(4.0)
記憶容量
同価格帯の平均:2.0
(2.0)
読み書き速度
同価格帯の平均:4.8
(4.0)
ゲーム安定性
同価格帯の平均:3.4
(4.0)
構成パーツ高級度
同価格帯の平均:2.7
(3.0)
ゲームタイトル フルHD 画質/FPS目安 4K 画質/FPS目安
ApexLegends最高画質、290fps最高画質、115fps
フォートナイト高画質、201fps高画質、117fps
VALORANT高画質、400fps以上高画質、400fps以上
モンハンライズ高画質、208fps高画質、135fps
タルコフ最高画質、143fps最低画質、143fps
オーバーウォッチ2最高画質、281fps最高画質、109fps
パルワールド最高画質、75fps
※参考値であり保証するものではありません。

RTX 4060 Tiのグラフィックボードと組み合わせたゲーミングPCです。

Ryzen 5 9600Xであれば問題のないグラボで、フルHDで高画質高フレームレートを安定して狙える性能。

メモリも32GB搭載しており、Ryzen 5 9600X搭載のなかではコスパはトップクラス。

内部が見えやすい人気のピラーレス構造のPCケースを採用しています。

Ryzen 5 9600X搭載ゲーミングPCの一覧はこちらから
Ryzen 5 9600X搭載ゲーミングPCの一覧