(パソコン工房)LEVEL-M88M-265F-TGXをレビュー | こまたろPC

(パソコン工房)LEVEL-M88M-265F-TGXをレビュー

基本スペック

LEVEL-M88M-265F-TGXの製品画像
CPU Core Ultra 7 プロセッサー 265F
グラフィックボード RX 9070 XT
メモリ DDR5 16GB
容量 1TB NVMeSSD
サイズ 約幅206mm×奥行432mm×高さ411mm ※最大突起物除く
電源 750W BRONZE
光学ドライブ 光学ドライブ非搭載
マザーボード ASRock B860M-H2
PCケース ミニタワー / microATX PCケース
OS Windows 11 Home [DSP版]
PCの評価
コスパ 4.5
同価格帯の平均:4.0
(4.5)
ゲーム性能 4.6
同価格帯の平均:3.5
(4.5)
動画編集性能 5.0
同価格帯の平均:4.3
(5.0)
記憶容量
同価格帯の平均:2.4
(2.0)
読み書き速度
同価格帯の平均:3.8
(3.0)
ゲーム安定性
同価格帯の平均:3.6
(3.0)
構成パーツ高級度
同価格帯の平均:2.9
(2.5)

メリット

  • 4K高画質でも遊べる性能
  • このクラスとしては価格が安い
  • NPU搭載
デメリット

  • 無線LANが無い
  • PCパーツグレードは低め

LEVEL-M88M-265F-TGXはLEVELインフィニティの一つで、どちらかといえば中高価格帯のゲーミングPCが展開されているシリーズです。

その中でLEVEL-M88M-265F-TGXはCore Ultra 7 265FおよびRX 9070 XTを組み合わせた比較的安価なほうの構成になります。

安価といっても最新世代のCPUとグラフィックボードの組み合わせで、ハイクラス性能です。

NPU搭載

Core Ultra 7 265FはIntelの最新世代のCPUで、最大の特長はAI処理に特化したNPUを内臓していることです。

※NPUを搭載しているCPUの場合、上記のようにタスクマネージャーにNPUが追加される

AMDはノートPC向けにしか提供しておらず、最新世代のRyzen 9000シリーズには無いためCore Ultraシリーズの利点と言えるでしょう。

NPU自体はまだPC本体だけで処理する生成AIくらいにしか活用方法はないものの、すでにインディーズゲームを中心にNPUを活用するゲームも登場してきました。

将来的にはゲームにAI処理が入るのは必須の流れなので、Core Ultra 7 265Fの強みが生きるかもしれません。

ゲーム性能はどのくらい?

DLSS4 DLSS3 FSR4 FSR3 SM AFMF
× × ×

※AIフレーム生成・アップスケーリング等技術の対応表

ゲーム性能を最も左右するグラフィックボードは「RX 9070 XT 16GB」を搭載。

ゲーミングPCでは長らくNVidia RTX系のほうが多いですが、最近は最新世代であるRX 9000シリーズを採用するPCも多く、RX 9070 XTは最新Radeonの最上位グラボです(2025年9月地点)。

RTX 5000シリーズと比べるとマルチフレーム生成に対応していないのはデメリットですが、代わりにFSR4に対応し、FSR3に比べると画質の綺麗さとフレーム向上がしやすくなっています。

またゲーム側の対応に影響を受けないフレーム生成技術であるAFMFはNVidiaのSmooth Motionより優秀と評判であるのでここはメリット。

下記は実際にRX 9070 XT 16GBを利用し主要なゲームをベンチマークした結果です。ただしあくまで参考値としてご参照ください。。

AIフレーム生成、アップスケーリングを使わない場合

入力遅延重視からDLSSやFSRなどを使わないときのフレームレート結果です。

モンハンワイルズ、マーベルライバルズ、DeltaForce、ヘルダイバー2、CoD:BO6で計測しています。

RX 9070 XT 16GBにおけるノーマル時のフレームレート結果
モンハンワイルズ マーベルライバルズ Delta Force ヘルダイバー2 CoD:BO6
フルHD低 112.54 308 304 210 256
フルHD最高 102.52 152 193 125 125
WQHD低 109.14 213 230 169 214
WQHD最高 89.02 107 156 101 117
4K低 80.14 115 130 104 129
4K最高 57.58 60 92 64 73

さすがは最新Radeonでも最上位クラスというだけあり、FSRを使わないとしてもかなりの高フレームレートを出すことができています。

4K低画質ならかなり高いですし、高画質でも高フレームレートとはいきませんがそれなりに遊べそうな結果です。ただぎりぎりではあるので、FSR不使用なら4K低中画質ぐらいを想定するのが良いでしょう。

FSRを使う場合

続いてはFSRを使った場合のフレームレート計測結果です。

マーベルライバルズ、DeltaForce、サイバーパンク2077、CoD:BO6で計測しています。

RX 9070 XT 16GBにおけるFSR利用時のフレームレート結果
モンハンワイルズ FSR3 マーベルライバルズ FSR2 Delta Force FSR3 サイバーパンク2077 FSR3 CoD:BO6 FSR3
フルHD低 185.78 294 365 453.24 422
フルHD最高 179.47 216 260 389.24 182
WQHD低 193.98 219 298 454.36 400
WQHD最高 172.68 170 208 340.37 163
4K低 176.39 136 195 335.35 315
4K最高 148.85 112 136 199.31 181

FSRはフレームレートの伸びが大きいのもあって、全体的にフレームレートの伸びが凄いです。

先ほどはぎりぎりだった4K高画質でも基本的には超高フレームレートになっており、最上位スペックの4Kゲーミングモニターも十分活用できる性能を示してくれました。

FSRを利用する前提なら、この最近のゲームで不自由を感じることなく4Kゲーミングを楽しめます。

動画編集性能はどのくらい?

Core Ultra 7 265Fの動画編集性能をAdobe PremiereおよびHandBrakeを使って計測してみました。

Core Ultra 7 265Fのソフトウェアエンコード結果

さすがは上位クラスのCPUだけあって、最短4分台とフルHDエンコードはかなり高速。また4K解像度でも15~18分内なので上々の結果。実用に耐えられるレベルかとおもいます。

RX 9070 XTとのハードウェアエンコードをすればもっと高速にエンコードも可能ですので、4K解像度の動画編集の運用も十分OKです。

コスパとしてはどうか

当サイトでは価格および利用されているPCパーツなどから独自にコスパを評価し、数値で算出しています。同価格帯のPCのコスパの平均値も割り出しています。

LEVEL-M88M-265F-TGXはコスパは4.5、同価格帯平均は4.0ですからずば抜けたコスパとはいいませんが、平均よりは良いゲーミングPCです。

ただPCパーツの高級度が2.5、平均が2.9すからPCパーツはむしろやや安価よりとなっており、この構成としては相当に安い価格設定によって高いコスパを実現しているタイプとなります。

詳しく各パーツについてみていきます。

メモリ:DDR5 16GB

Core Ultra 7 265FはDDR5のみ対応ですので、必然的にDDR5メモリを使用しています。

搭載量は16GBで普通にゲームなどを遊ぶ分には不足を感じることはほぼ無いレベルですが、このクラスになると32GB搭載も当たり前になってきているので、比べれば低水準。

また動作クロックが不明な点もいただけないポイントではあります。ものすごくCPU性能が下がることはないものの、やはり影響ありますので、この点はマイナスポイントでしょう。

ストレージ:1TB Gen4 NVMe SSD

メインストレージはGen4規格のNVMe SSDを採用しています。ブランド不明、読み書き速度は不明ではあるものの、Gen4規格で遅いということはまずないので、ゲームロード時間など快適になる仕様です。

容量は1TBとこのクラスとしては平均で過不足なし。すぐにゲームやデータでいっぱいになってしまうという心配は少ないかと思います。

電源:750W BRONZE

電源ユニットは750Wのブロンズ認証電源です。メーカー不明で、かつこのクラスではGOLD認証電源が多いため、ブロンズ認証はやや低水準。

ブロンズだからゲーム性能に影響したり壊れやすいとかはあまりありませんが、グレードとしては低いです。このあたりを価格に還元して安さを実現している感じですね。

容量はCore Ultra 7 265FとRX 9070 XTの構成としては過不足ないです。

マザーボード:ASRock B860M-H2

マザーボードはASRock製のASRock B860M-H2を利用しています。

マザーボードのメーカー不明が多い中、ASRock社製とわかるのはいいですね。

グレード的には高価ではないですが、チップセット的には標準レベルのB860で悪くはないでしょう。

ここでもなるべくコストを抑えて価格を安くしようとしている意図が見えます。

MicroATXですので拡張性はそこまでありませんが、かわりにややコンパクトになります。

CPUファン:空冷CPUクーラー

CPUクーラーは標準空冷CPUファンとなっています。

Core Ultra 7 265Fはそれなりに熱は発生するため、標準空冷ファンはやや不満なポイントです。できればオプションの大型サイドクーラーもしくは簡易水冷クーラーがベストですが、その場合コストが高くなるので、コスパは少し落ちてしまいます。

ネット関連:有線LANのみ

LEVEL-M2P5-R45-LAXには無線LANが付いていないのは注意。有線LANしか対応しておらず、無線LANを利用する場合は、オプションか別途子機を自分で用意しUSBスロットに差し込む必要があります。

PCケース:ミニタワーケース (MicroATX)

PCケースはパソコン工房LEVELインフィニティオリジナルです。

かなりロングセラーのモデルとなっていますが、少し前にホワイトモデルが追加されました。

206(幅)×432(奥行き)×411(高さ) mmですので、ゲーミングPCの中では中間くらいのサイズになっています。

デザイン的には昔からよくあるタイプで正直目新しさというものはすでに感じなくなっています。

ただ長く採用される形状には理由があり、熱の管理のしやすさや空間利用の効率が優秀なPCケースとなっています。

正面部分もTHEパソコン工房という感じの慣れ親しんだデザイン。RGBイルミネーションモデルですので、フロント部分のイルミネーションを楽しむこともできます。

またオプションでRGB対応ケースファンの増設も可能です。